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子どもサポート基金助成団体レポート

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>2013年度第4期

六郷地区の子どもを守るニッペリア仮設住民の会

六郷地区の子どものための食を通じた心理支援
震災遺児や食の貧困を抱える仮設住民(見なし仮設を含む)入居児童および,同学区内の児童を対象として,「食」を通じた子ども達の心のつながりを支援する。

基本情報

活動人数 スタッフ 7名 、ボランティア 13名

写真

活動の背景/内容

活動の内容

仮設住宅では「食の貧困」の問題が指摘されている。ここには経済的事情,食生活を支える親が家や仕事などを失い抑鬱状態と成った1つの症状として食欲が低下したこと,仮設住宅の抱える利便性の低さから食をおろそかにしてしまうこと,家事を担っていた母親を亡くしたことによって食生活が貧しくなったこと等々,様々な背景がある。人と人とを繋げる場を自然な形で提供できる媒介となるのが,「食の場」である。食は,それ自体は身体的・精神的エネルギーの源であり,さらに食の場の提供は心のつながりを促す場として機能する。

これまで約1年間にわたり,仮設入居児童を対象に食支援を通じた心理支援を行ってきた。その中で子どもたちは毎回のように顔を出したり,友達同士を誘い合わせて訪れるようになった。食支援だけでなく食事会の前に宿題相談会やグループゲームなど気軽に参加できるような様々な企画を開催し,友達と大人とを含む地域住民が一緒に遊ぶための居場所としての役割を果たす「食の場」として支援活動が機能し始めてきている。

しかし,この機能が定着していくためには息の長い支援が必要である。そのため,外部からの支援だけでなく,仮設住宅内部でお互いに支援し合うような体制作りをしていく必要があるだろう。現状では,3名の有志の仮設入居者が食事の準備にあたっており,大きな負担がかかっているため,仮設住宅全体の人材を活用した支援体制を構築することが課題である。

また,仮設入居児童および見なし仮設在住の児童が転入先学校の近隣住宅に住む児童に馴染めないという問題も生じており,彼らの精神衛生的な問題に取り組むことも課題として挙げられる。このような不安定な児童の居場所として活用されるべきなのが、児童館や集会所、小学校ではあるが、近隣の児童や地域に馴染めないという問題から、この利用も難しい。したがって、子どもたちの居場所を作る必要がある。

活動の内容

活動1 食支援
1、活動コンセプト:1回限りのイベント的なものではなく、継続的に行う。また、“与えられたものを食べる”といった、支援する人・される人という関係性だけではない、人間関係の場とする。回数を重ねていくなかで、料理を作ったり配膳や片付けを行うなどの役割分担を行ったり、さらには、住民が仮設内の畑で収穫した野菜等を提供しそれを調理するなどを通して、“みんなで作る”食育の場・地域の食文化を学習する場とする。

2、場所:仮設住宅内集会所
 (子ども料理教室などの開催も兼ねる場合は,より多くの子どもが調理に携わることが出来る市民センター調理室の使用もある)

3、支援者:仮設住宅入居住民有志自らが行う。
 (外部から支援者がやってくるというスタイルではなく,住民自らが支援の輪を作っていく)

4、支援対象:震災遺児を中心とした,上述したような背景を持った仮設住宅入居児童,および見なし仮設入居児童,近隣住宅の児童,生徒。

5、支援実施日時:          
4月3日 学習支援、食支援
4月6日 食支援、グループゲーム
5月4日 食支援、グループゲーム
6月1日 食支援、グループゲーム、工作
7月6日 食支援、グループゲーム、工作
7月24日 学習支援(東六郷小学校)
7月28日 食支援、学習支援

(夏休み中には、より子どもたちの「食の貧困」が増大すると考えたことを受けて、東北大学内で学習支援も兼ねて、活動を実施した。参加児童は3名。)

7月30日 学習支援(東六郷小学校)
7月31日 学習支援(東六郷小学校)
8月1日 学習支援(東六郷小学校)
8月6日 学習支援(東六郷小学校)
8月20日 学習支援(東六郷小学校)
8月24日 食支援、宿題相談会
9月7日 食支援、工作、グループゲーム

いずれも10時から14時程度。

また、支援学区内の小学校の夏休み中に学生ボランティアが学習支援を行った。
同小学校内にて、いずれも10時から11時までの1時間程度。


活動2 居場所支援

2、場所:未定。(当初はトレーラーハウスを予定)

3、支援者:仮設住宅入居住民有志自らが行う。具体的な人員については未定。

4、支援対象:活動1と同様。

5、内容
場所および支援者が、予算の関係上確保が難しいため、確保できていない。現在、仮設住宅内およびその付近で「居場所」として使用できる場所と、支援者となる具体的な人員を仮設住民の方と検討している。

活動の成果

前年度の活動時では、活動に参加していた児童・生徒は平均して3名程度であったが、今年度では平均して8名程度に増加し、今年度では児童の家族、仮設住宅及び近隣の住民を含めてと述べ219名に支援を行った。また、子どもたち同士の関係も、仮設住宅在住ではあるが、学校が異なるため、他の児童に上手く馴染むことが出来ていなかった児童も、食事会や前後のグループゲームや工作への参加を通して他の児童との仲を深め、本活動外の時間にも友人たちと遊びに行くようになった。そうしたこともあり、参加した子どもたちからは「次はいつあるの?」と心待ちにする声が聞かれるようになった。

また、地域スタッフも前年度3名から今年度7名へと増加した。新しく参加したスタッフはいずれも元いたスタッフの紹介で参加しており、本支援が地域に認められ、被災者自身がお互いに支援しあう体制作りを進めることが出来た。

 第2期から引き続き貴財団から資金を頂いております。このような活動ができることも寄付者の皆様のおかげと非常に感謝しております。震災復興支援には長い時間がかかることが考えられるため、本団体では地域外に住む支援者からの「外」からの支援ではなく、被災地域に暮らす住民同士が「内から」支援し合う体制を、地域内で構成することを目的として支援を行っております。このことには非常に長い時間をかけて、地域内のネットワークを再建・強化していくことが必要となります。貴財団からの扶助なしには今後もこのような息の長い支援を行うことはできません。今後も貴財団の寄付者の皆様からご理解・ご支援を頂きたいと考えております。どうぞよろしくお願い致します。

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