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子どもサポート基金助成団体レポート

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特定非営利活動法人  子ども家庭リソースセンター

福島県大熊町の小学生(2年生)への被災体験のもたらす心的外傷の障害化を予防する活動。「スマイルタイム」
被災体験を持つ小学生をピアグループにわけ、グループ毎に、養成研修を受けた現地ファシリテーター(原則2名)が付き添い、安心して被災経験後の感情をわかち合い、それらを乗り越えて希望を見出せるよう、年齢別のワークブックを用いて週1回、7週間にわたってグループワークを実施しました。 熊町小は従来通り、5月上旬から7月上旬の2か月間、順調に毎週水曜日の放課後に実施できましたが、大野小は学校の行事その他の都合により、実施日程の間隔が開き、9月半ばから12月半ばと3か月に及びました。

基本情報

活動期間 平成27年4月~2015年3月
活動地域 福島県大熊町  
支援人数 24
活動人数 スタッフ 4名、ボランティア 20名

写真

  • スマイルタイム①
  • スマイルタイム②
  • スマイルタイム④
  • スマイルタイム④

活動の背景/内容

活動の内容

2011年秋から実施してきた「スマイルタイム」は、4年目を迎えました。転居者が多くなり、小学校の生徒数も減少しました。当初2年生は10名と予想されましたが、熊町小8名、大野小16名となりました。

被災後4年目ですが、転居など生活の変化は続いており、今も子どもたちは別れを経験しています。ファシリテーターに護られた安心な環境で、自由に気持ちを表現し、受容される経験を通して、自己肯定感を高め、友達やファシリテーターとの絆を深めて、前向きに生きていく力を強めることが目的です。

活動の内容

スマイルタイムの実施

4~6名の2年生に2~3名のファシリテーターの手厚い見守りの中で以下の日程で実施しました。

1学期熊町小学校 7回   8名 

5月7日(水) 14日(水) 21日(水) 28日(水)  6月11日(水) 18日(水) 25日(水)

2学期:大野小学校 7回  16名 

  9月17日(水) 24日(水) 10月1日(水)22日(水) 11月12日(水)12月3日(水) 17日

  12月17日(水)

熊町小は従来通り、順調に毎週水曜日の放課後に実施できましたが、大野小は学校の行事その他の都合により、実施日程の間隔が開き、9月半ばから12月半ばと3か月に及びました。

 上記の実践のために、実施日の週の月曜日に準備会をしました。また、修了後は学校ごとにふりかえりの会をして、次回の活動に活かしました。小学校の担任の先生とは情報の共有をし、子ども達への配慮に役立てて頂きました。

活動の成果

今年度もスマイルタイムは子どもたちにとって楽しみな時間になっていました。保護者からは「前日から、スマイルタイムを楽しみにしていました」「スマイルタイムの日には、いつもよりたくさん話したり、笑顔が増えていた」など、お子様の様子が寄せられました。

熊町小の子どもたちは静かな雰囲気でした。しかし、「気持ちのすごろく」ゲームで遊びながら気持ちを表現したり、リラックスした雰囲気の中で将来の自分を考え、物事が変わっていくことを感じたりしました。また、毎回スマイルタイムの歌を歌うことや読み聞かせも楽しみにしていました。

倍の人数の大野小は、とても元気な子どもたちでした。スマイルタイムでは、自分の気もちに気づき、その適切な表現の仕方を学ぶとの課題をゲームや書く、話す、聞くなど、様々な形でします。子どもたちは思い思いの姿で取り組んでいました。「やりたくない」「やりたい」を明言する子、感じていても言わない子もいました。けれども、言えている子にちょっと憧れを持ち「いつまでも相棒でいようね」とメッセージを送っていました。

スマイルタイムは〝日常の中の非日常″とも言えます。非日常のスマイルタイムで表現したことはファシリテーターの方たちに受け止めてもらえます。安心な環境で自分を尊重された体験は、不思議なことに、より良い方向に行動する力となります。この〝非日常″は〝日常″の学校生活にも、よい影響を及ぼしていました。スマイルタイムの最中には、ファシリテーターが困るような乱暴な言葉を言っていた子が、学校生活では優しい言葉を言うようになりました。やる前から「つまんない」「やらない」と 事柄に取り組むことをあきらめていた子どもがいろいろな事に取り組むようになり、周囲からも認められ達成感を感じているとのことです。クラス内での仲間意識ができ、友だちとの強くなったつながりが功を奏したのでしょう。友達の一言がきっかけで学校を休まなくなったことも起きたそうです。

小学校の先生方がスマイルタイムに好感を持ち、笑顔であいさつされるなど、学校の雰囲気に変化を感じた1年でもありました。

4年間で156名の子どもたちがファシリテーターの方々に支えられました。長い方は4年間も活動をしてくださいました。リソースセンターの私たちも、大熊町の皆様からたくさんの支えと学びを頂きました。

助成していただいたおかげで、改訂版のワークブックを使いやすく、印刷・製本ができました。また、ファシリテーターの方々に交通費をお渡しできました。私たちは東京から、交通費を心配せずに現地に毎回出かけることができました。ファシリテーターは現地の被災者でもある方々で、養成研修を受けたとはいえ、心のケアの専門家ではなく、子どもたちの言動にどう対応すればいいかと迷うことも多々あります。準備の段階から、毎回私たちが参加することで、安心してファシリテーターを務められたと思います。プログラムに参加した子どもたちは確実に元気を取り戻しつつあります。ご援助に心から感謝申し上げます。

当会のホームページで、「おたより」をみることができます。毎回、スマイルタイムの報告もしていますので、ご覧いただければ、幸いです。

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