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子どもサポート基金助成団体レポート

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>2013年度第4期

公益社団法人sweet treat 311

宮城県石巻市の小中学生のための教育支援活動
①地元漁師・農家・大工と協力して行う漁業・農業・林業体験
②石巻市皿貝地区に借用している里山を活用しての自然体験
③地元の食材を使って調理を行う料理教室
④自然の中でデジタルツールを使い記録・編集するIT教育
⑤被災した塾講師が指導する放課後の学習塾

上記内容のプログラムをのべ約2,200名の石巻の小中学生に提供した。 農業・漁業体験は小学校の総合の授業の一環として導入していただいた。 今年度から石巻市教育委員会でスタートした事業「放課後子ども教室」ではパートナー団体として指名していただき、和渕小学校の生徒たちと林業体験を行った。 料理教室では豊かな自然の中で育まれる命の大切さを知り、「いただきます」の言葉の意味の理解と、地元石巻の魅力の再発見につながった。

基本情報

活動期間 2013年 4 月 ~ 2013年 9 月
活動地域 宮城県石巻市雄勝・北上・河北  
支援人数 1100
活動人数 スタッフ 8名、ボランティア 40名
連携団体 石巻市教育委員会
一般社団法人ISHINOMAKI2.0イトナブ
漁業生産組合「浜人」

写真

  • 大谷地小学校漁業体験
  • 雄勝小学校農業体験
  • 雄勝中学校サマースクール「たく塾」
  • 林業体験

活動の背景/内容

活動の内容
【活動地域の状況】
宮城県石巻市雄勝町は、先の東日本大震災において震源地に最も近く津波によって壊滅的な被害を受けた地域であるv。人口の多くは地域外に流出し、震災前の約4,300人から現在では約1,000人にまで減少した。いまだ復興は遅々として進んでおらず、津波の被害を受けながらも建物として残っていた町役場・公民館・小中学校の校舎も今年度いっぱいでの取り壊しが決まり、町としての再生の見通しは立っていない。いつ再生するかわからない町に住民も期待しておらず、地域外に流出した人口の75%は、雄勝町に戻って来ることを望んでいない。
また、こどもたちにおいては仮設住宅や仮校舎という制約された環境での生活を余儀なくされている。仮設住宅は部屋が狭く隣の家との壁も薄いため、集中して勉強できる環境ではない。仮校舎にしても、音楽室や理科室等を自由に使うことができなかったり、毎日保護者の送迎によって登下校せざるをえない生徒もいる。しかし、そのような状況下でも、こどもたちは震災の経験をばねにしてたくましく生きている。こうしたこども達の「生きる力」をいっそう育むため、地域に新たな学びの場を設けて復興を遂げ、震災地全体の復興の旗印にしたいと地域の方々と学習支援や体験プログラムを実施。震災を経験した地域が未来に向かって復興を遂げる鍵は担い手となる人材であり、復興の担い手の育成は雄勝町の復興に大きく貢献することができると考えている。
 
【解決を目指した課題】
学習面では、仮設住宅の狭い部屋で勉強環境が整わないこどもたちに、日常的に放課後の学習の場を提供する。また地元で長年こどもたちを見守ってきた被災した塾講師や東京からの教育関係者と共にひつの高い個別指導を展開することで基礎学力の向上や進学のサポート。
また学校だけでは取り組むのが困難である地元の自然を活かした体験プログラムを、総合学習に導入しサポートする体制。雄勝の海での漁業体験や地元の畑を利用した農業体験など、被災した漁師や農家を講師に迎え生きる力を育む機会の提供を目指す。これらの体験はたくましく生きる力を育むだけでなく、故郷の魅力を自ら再発見し郷土愛を抱くきっかけとする。
また、震災地では新たな産業創出を担える人材の育成が急務であり、それにはITリテラシーを高める必要があると考える。自然やまちの風景を自らの視点で撮影・編集して映像作品としてまとめ発表するドキュメンテーションを展開することで、IT教育にとどまらず、第三者に自分の意見や考えを適切に伝えるやり方を学んだり、自分の視点を客観的に見ることで新たな自己理解につながることも目指している。
 
活動の内容
【2013年4月】
●雄勝中学校アフタースクール(2年目)
新年度の雄勝中学校アフタースクールがスタート。無料体験期間や保護者説明会を終え、参加する生徒は18名。いまだに仮設住宅暮らしを余儀なくされ、集中して勉強する環境のない児童に学びの場を。そして、校訓でもある「たくましく生きよ。」を体現する生徒たちを育むべく、今年度から多様な体験プログラムやワークショップを開講し、生徒たちが復興の担い手として、雄勝のまちに貢献できるように、2年目のアフタースクールを運営して参ります。
 
●野球教室
20日は二俣小学校のグラウンドで野球教室を開催しました。当日参加した石巻のこどもたち約50人を指導したのは、元巨人の鹿取義隆選手や元楽天二軍監督の仁村薫選手ら。実際にプロ野球選手が行う準備体操やベースランニングの基本を教えていただいたほか、ピッチングとバッティングをそれぞれ選手たちに見てもらいアドバイスをいただきました。選手たちの論理的かつわかりやすい指導にこどもたちの目は輝き、「とても楽しかったです。一生の思い出になりました。」という感想が相次ぎました。
 
●雄勝小学校農業体験(じゃがいもの種イモ植え)
23日は雄勝小学校の1〜2年生合計6名がじゃがいも(きたあかり)の種イモを植えました。今年度から総合学習として導入された農業体験。代表的なじゃがいもの種類や原産地についての説明を聴いたあと、種イモをナイフで切ってひとつひとつ丁寧に植えていきました。なかなかうまく土を掘ることができずにいましたが、一方で土で汚れるのを嫌がることなく、みんな元気に作業しました。2年生の川田仁さんは「じゃがいもを植えるのが楽しかった。」と笑顔で感想を述べていました。
 
【2013年5月】
●雄勝小学校農業体験(さつまいもの苗植え)
23日は快晴のもと、雄勝小学校の生徒がさつまいもの苗を植えました。総合学習として農業体験を実施。全校生徒36名が参加し、畑はいつになくにぎやかでした。土にふれることや協力しあって作業することを楽しみつつ、さつまいもの種類や、「苗のどの部分にイモがなるのか」「どの方角に葉っぱを向けたら育ちがいいか」などの話をしました。この日に植えた100本の苗に実るさつまいもは、秋に収穫・調理し、近くの仮設住宅にお住まいの方々にふるまう予定です。
 
●料理教室(第5回)
5回目のおがつキッチンのテーマは「雄勝らしいピザを作ろう」。料理研究家の真鍋摩緒さんと最強料理芸人クック井上さんを講師に迎え、13名のこどもたちが雄勝の食材を使ったピザのメニュー開発に挑戦!銀鮭、ワカメ、ホヤなど、雄勝の旬の食材をベースに4種類のレシピを考案。試食をふまえオススメメニューをチームで決めて、住民の方々にオリジナルピザをふるまいました。大谷地小学校4年の千葉朱音さんは「自分で料理を考えて作るのは大変だったけど、お客さんに喜んでもらえてうれしかった。」と感想を発表していました。
 
●泥だんごプログラム
5月19日は石巻の小中学生10名と泥だんごプログラムを実施しました。数種類の野菜の種を泥だんごに混ぜ込み、雄勝町内に投げる今回の取り組み。気候や条件に適した種のみが発芽し、畑をつくらずとも自然の力だけで野菜が育つことを知り、有事の際の防災教育として実施。こどもたちは泥だんごで作って投げることを楽しみながら、「自然に芽が出るのはすごい」と気づきを得ていました。夏が過ぎた頃、いろんな種類の野菜のなかで何が育ったかをみんなで確認するのを楽しみにしていました。
 
【2013年6月】
●おがつ料理教室
23日、快晴のもと雄勝のお母さんたちから郷土料理を教わる「おがつ料理教室」を開催しました。料理に入る前に、地元の小中学生7名が漁港で雄勝の旬の食材、銀ザケの収穫に挑戦。その後、漁師から銀ザケがどうやって育てられているかを教わりました。地元のお母さんたちと収穫した銀ザケをひとりひとり捌き、「銀ザケのフレークおにぎり」「銀ザケのあら汁」の2つのメニューを作りました。河北中3年の今野一希さんは「魚をさばいたのは初めてで勉強になった。店で買ったサケフレークとは違うおいしさがあった。」と話し、普段とは違う、雄勝の味を堪能した様子でした。 
 
●雄勝の川で学ぼう
22日は雄勝町の大原川を舞台に、川を通して自然を学ぶプログラムを実施しました。山と海がつながるリアス式の自然を有する雄勝町。14名のこどもたちが山と海とをつなぐ川の生態系について学びました。
まずはおがつアカデミーで川の特徴や生物について、「私たち人間は川からどんな恵みを受けていると思う?」といった質問をはさみながら、こどもたち自身が知っていることをアウトプット。その後ここで出た意見を確かめるために、実際に川に行って生物や周辺の環境について観察。事前に予想していたことと何が違っていたかを知り、自然にふれることで新たな発見があったようでした。
 
●田植え体験
16日は北上町の曽呂美(そろみ)農場で田植え体験を実施しました。
まずは田んぼに生えた雑草をとり、ひとり1列ずつ稲を植えていきました。素手素足で田んぼに入ったこどもたちは「気持ちいい~」と、土のあたたかさを実感。泥まみれになりながら作業を楽しんでいました。親が農家という河北中1年の星水月さんは「うちでやっているのとはまた違って、こういうやり方もあるんだと勉強になりました。」と感想を述べ、最後は農家の今野さんから「これからは有事のときのことも考えて、自分が食べるものは自分でつくれるようにならなければいけない」というお話で締めくくりました。 
 
●ITキャンプ×三陸・雄勝 海の幸トレイルランニング
29-30日、これまでで3回目の開催となるITキャンプを実施しました。雄勝の海の幸を食べ尽くし、雄勝・石巻の山々を駆け抜けるファンランイベント「三陸・雄勝 海の幸トレイルランニング」の撮影班として、石巻と東京のこどもたち合計8名が参加。銀ザケ・ウニをふんだんに盛り込んだ料理を振る舞う前夜祭、雄勝の山々を駆け抜けるランナーの姿、取り壊しが進む小中学校の校舎、海の水面など、ひとりひとりが感じたままにiPhone・iPadで記録。おがつアカデミーに戻り、3分間の作品にまとめるために構成を考え編集、発表会を行いました。 雄勝の「今」を自分の手で未来に残し、雄勝への郷土愛、復興への歩みを再確認してもらえた2日間となりました。 
<こどもたちの感想> 
・雄勝中1年 鈴木悠介さん「波が来る所を撮影した。これを津波に例えたら次につながるから。」 
・大谷地小5年 今野りりかさん「頑張って走ってたから、ランナーの人たちが走って行く最後のシーンがお気に入りです。」 
・世田谷区在住の中学生「震災で被害があった所も今は雑草が生えてしまっていて、地震の面影がなくなったのがビックリしました。」 
 
【2013年7月】
●ITキャンプ×雄勝学校再生プロジェクト
7月13-14日、石巻市雄勝町廃校再生プロジェクトの第4回を開催。 東京、大阪、神戸など様々な地域から過去最多の総勢130名以上の方にご参加いただきました!校舎内の清掃、校舎周辺の整備を行い、大量の土砂と木材が校庭に山積みになりました。休憩時間には、廃校となった桑浜小学校の閉校当時に校長を務められた中山純一先生にもお越しいただき、当時の思い出や学校の魅力、地域と学校とのつながりなどをお話いただきました。 
今回は、Tetsu-Law&Co.のみなさんと共に、こどもたちが2日間の作業の様子を撮影・編集し映像作品を作るITキャンプの取り組みも導入。 「全国各地の人たちによって雄勝の復興していく軌跡を記録に残す」ことをコンセプトに、木が倒れる様子、土砂を運搬する姿を撮影・編集、2日目の最後にボランティアのみなさんの前で上映会を実施しました。「汗を流して頑張っている人、迫力のある作業をしている人をたくさん撮ろうと思った。みんなから拍手をもらえて嬉しかった。(雄勝中1年鈴木悠介さん)」 「自分たちが作業をした様子がすぐに見ることができるなんて思ってなかった。この2日間のことがとても懐かしく思える。(20代男性)」 こどもたち、ボランティアのみなさんにとって、上映会がいい振り返りの場となっていたようでした。 
 
●雄勝中学校サマースクール「たく塾」
29日からは雄勝中学校サマースクール「たく塾」がスタートしました! 
たく塾の開催は今年で3年目。震災後からの同校の校訓である「たくましく生きよ。」にちなんで名づけられました。たくましく生きる力を育むため、生徒たちはTeach For JAPAN東北事業部や家庭教師のトライの皆様の指導を受け、 8日間の勉強や部活動に励みます。 
また、今年のたく塾では、8月7日にアドビシステムズ株式会社さまのご協力を得てのITワークショップ、8日には3月末のベルリン国際映画祭での復興輪太鼓演奏で応援に駆けつけてくれた東京学芸大学附属国際中等教育学校の生徒たちとの再会・交流会を実施します。 
 
●大谷地小学校サマースクール
22-23日は、昨年に引き続き大谷地小学校にてサマースクールを開催しました。 全校生徒165名中100名以上の生徒が参加した今年のサマースクール。家庭教師のトライの皆様にご協力をいただき、夏休みの宿題を中心に基礎学力の向上をはかりました。二日目の終わりの会では「とても楽しかったです。夏休みの宿題が終わってよかったです。」と話していました。 
 
●林業体験
7日は皿貝の里山で地元のこどもたち6名と林業体験を行いました。 
講師として来ていただいたのは、津山町の道の駅「もくもくランド」の理事長でもある大工の菊地千代雄さん。山のなかに入って、下草刈り、枝打ち、間伐という3つの作業を体験し、それぞれがどう山の保全につながっているのか、そして人間の生活とどう関係しているのかを学びました。 
枝打ちを終えたとき、二俣小6年の今野陽希さんは「なんだか森のなかがやる前よりも明るくなった気がする」と述べ、なぜ枝打ちをやる必要があるのか、感覚的に理解していたようでした。 
 
【2013年8月】
●料理教室(第6回)
8月24日に実施した料理教室「雄勝キッチンvol.6」。フードコーディネーターの真鍋摩緒さん・料理道具コンサルタントの荒井康成さんを講師に迎き、“雄勝産オリジナルカレーを作る” をテーマに開催。11名のこどもたちが地元の食材を使ったカレーの開発に挑戦しました!銀鮭・ホタテなど雄勝の旬の海産物をベースに、石巻産の野菜を加え3種類のレシピを考案。雄勝中3年の今野迅人さんは 「いつもは肉を入れていたけど、ホタテと生クリームでおいしくなることがびっくりした」と感想を発表してくれました。 
 
●林業体験(石巻市教育委員会「放課後子ども教室」事業内企画)
22日は石巻市教育委員会の今年度からの新規事業「放課後子ども教室」の企画として林業体験を実施しました。参加したのは石巻市立和渕小学校の31名の生徒たち。講師には前回の林業体験のときと同じく津山町の大工の菊地さんに来ていただきました。1,2年生は下草刈り、枝打ち、間伐といった林業の仕事を、3~6年生は捨てられた丸太を使ってのイスやテーブルづくりを体験しました。イスをつくった生徒は「間伐した木でもこうやって有効利用できるんだ」と話し、木の循環を体験を通して学んでいました。 
 
●ITワークショップ
8日は雄勝中学校サマースクール「たく塾」内の取り組みとして、アドビシステムズ株式会社のご協力のもと、全校生徒を対象にITワークショップを行いました。ふだんあまりパソコンにふれる機会がない生徒たち。この日はひとり一台iPadが手渡され、「家族連れに雄勝に来たいと思ってもらう」というテーマのもと、雄勝をPRするポスターを作成しました。どのような素材・文字を使ったら雄勝の魅力が伝わるかを考えながら、Photoshop Touchを使って写真の加工やフォントの編集などを行いました。参加した生徒の9割以上が「楽しかった」と答え、ITがおもしろいと思うよいきっかけになりました。 
 
●大谷地小学校漁業体験(ホタテの水揚げ)
28日は大谷地小学校4年生 全生徒29名と、総合学習の授業の一環として、十三浜で漁業体験を実施しました。三陸沖が世界三大漁場である理由やホタテの2つの養殖方法の違いなどを学んだあとは、漁船に乗ってホタテの養殖場へ。浜に戻ってからは水揚げしたホタテの貝殻についたゴミをナイフで取り、獲れたてのホタテを自分の手で捌いて食べるという経験をしました。半数以上が漁船に乗るのが初めてというこどもたちは、今回の経験を通して、自分たちのまちの新しい魅力や、生きることは他の命をいただくということ、復興に向けて精力的に取り組んでいる大人の存在を知りました。 
 
●花山サマーキャンプ
8月1-6日、幼少年キャンプ研究会が主催する5泊6日の「花山キャンプ」に雄勝・石巻など各地のこどもたち総勢29名が参加しました!宮城県の花山を舞台に野外炊飯・沢登りで班の絆を深め、1泊2日の栗駒山遠征に挑戦。 キャンプ最終日に実施したキャンプファイヤでは、雄勝小6年の森山凌さんが参加者を代表し結びの言葉を発表。「キャンプはとても楽しかったけど、2日間の登山はとても大変だった。でも、これを乗り越えられた今ならどんなことでも乗り越えられると思う。2学期、みんなも学校が始まると思うけど、花山キャンプを思い出して頑張りましょう。」と凛とした表情でメッセージを送っていました。 
 
●魚の解剖実験教室
晴天の18日、地元のこどもたち8人が参加して「解剖教室」を実施しました。 
小さい頃から釣りをして育った雄勝のこどもたち。まずは、漁港で1人1匹魚を釣り、おがつアカデミーで解剖に挑戦。普段は海に逃がしている魚の構造、心臓・肺・肛門等がどこにあるのか、自分の手と目で確かめました。 「気持ち悪い」「心臓が思ったより小さい」「このエラから肺に酸素を取り込んでいるんだ」など、感じたこと思ったことを言葉にしたこどもたち。講師の方から、雄勝湾では山からの伏流水が流れ込むことで塩分濃度が低くなり、それが魚の成長を促進していることを聞き、雄勝の海について学びを深めた様子でした。 
 
【2013年9月】
●おがつキャンプ「山から海まで水探検」
8月31と9月1日に「う米部-umai-bu-」との共催で、雄勝町の硯上山・大原川を舞台に「雄勝キャンプ〜山から海まで水探検×山林〜」プログラムを実施。石巻市内の小学生7名と東京から雄勝の自然を楽しみにきた大人25名が参加。1日目は雄勝湾の河口から途中の湧水ポイント、そして雄勝で最も高い山である硯上山山頂と、水が山から海に流れるまでの経路をたどりました。その後、水の役割や水にとって良い森の条件などについてグループワークを行いました。
そして2日目は、雄勝町内の旧桑浜小学校を舞台に林業体験を実施。石巻地区森林組合の方に指導していただきながら、下草刈り、枝打ち、除伐の作業。前日に学んだ水の循環に森の役割が欠かせないことを、体感。山と海とがつながる地形を最大限に活かした、雄勝ならではのプログラムとなりました。
 
●雄勝の森から自然を学ぶ
晴天に恵まれた28日、「森から学ぼう」をテーマに、雄勝の硯上山で自然体験型のプログラムを実施。「森にはどんなものがあるか」「人が森から受けている恵みは何か」などについて考察。途中、ペットボトルを使った実験を行い、校庭の土と山の土とで、水の滴り方や土の崩れ方が全く違うことから、こどもたちは「山の土は根や落葉など、いろいろ混ざっているから崩れないと思う。」という考えを導いていました。森林公園にお住まいの山下輝夫さんから、かつて雄勝で行われていた炭焼きの話をお聞きし、一昔前までひとは自然と隣り合って生きていたことを学びました。
 
●ヤングアメリカンズ
14-17日「ヤングアメリカンズ(以下、YA)」が雄勝に来訪。YAは、若者の素晴らしさを音楽によって社会に伝えようと設立されたアメリカで50年続く団体。NPO法人じぶん未来クラブ主催の東北プロジェクトの一環として、17日に雄勝中学校でのミニワークショップを実施して頂きました。前日16日には、雄勝の漁業を手伝い、地元住民とのBBQを通じて、地域住民との交流。震災当時からこれまでの歩みを話を伺いました。17日当日は、生徒・先生方は、キャストのみなさんと共に、雄勝小の生徒・保護者に向けて、ミュージカルの練習・公演。参加した雄勝中の生徒たちは、「あんなにドキドキ・ワクワクしたのは久しぶりだった。」と話し、未だに興奮が覚めやらない様子でした。
 
活動の成果
●野球教室
「プロ野球選手と野球ができるなんて、夢のようでとても楽しかった。一生の思い出に残った。」
「鹿取選手の球を打てなくて悔しかった。次はリベンジできるように頑張りたい。」
「仁村さんのおかけで、うまく打てる様になった。次の練習から試していきたい。」
「野球のために自分でできることを探して今日から取り組んで行きたい。」
「仁村さんのように努力して、野球もっと上手くなりたいと思った。」
 
●料理教室(第5回)
「料理を作るのは大変だったけど、お客さんに喜んでもらえて嬉しかった。」(大谷地小4年 千葉朱音さん)
「みんなで協力して作ることで、おいしいものが、いつもよりおいしく感じた。」(大谷地小3年 佐藤りなこさん)
「初めてピザを作れてビックリすることが多かった。ピザ釜で焼けたピザを見た時が一番印象に残った。」(二俣小6年舘田翔太さん)
「ピザには、海のもの、野菜色んなものが合わせられることがわかった。」(大谷地小1年 佐藤愛梨さん)
「食べ物を作り、人に振る舞うことがこれほど大変だとは思いませんでした。改めて、家の人に感謝しなければならないと思った。すごく苦労しているということがわかった。」(河北中3年今野一希さん)
 
●ITキャンプ×三陸・雄勝 海の幸トレイルランニング
「自分たちの町にたくさん人が来て賑やかになっている場面を撮影して記録に残すことができてよかったです。」(大須小6年 小松歩美さん)
「波が来る所を撮影した。これを津波に例えたら次につながるから。」(雄勝中1年 鈴木悠介さん)
「頑張って走ってたから、ランナーの人たちが走って行く最後のシーンがお気に入りです。」(大谷地小5年 今野りりかさん)
「震災で被害があった所も今は雑草が生えてしまっていて、地震の面影がなくなったのがビックリしました。」 (世田谷区中学2年松山りこさん)
 
●林業体験
「下草狩りで山をキレイにできて気持ちよかった。」(大谷地小2年 千葉友晴さん)
「枝打ちは高いところの木まで切らないといけないから大変だった。」(大谷地小5年 佐々木翼さん)
「木をたくさん倒せてよかった。切ったあと太陽の光で山が明るくなった。」(二俣小6年 今野陽希さん)
「木を切るのは危なかったけど、上手にできてよかった。」(大谷地小1年 千葉なつみさん)
「林業をやっている人が山を守っていることが今日の一番の発見でした。」(河北中1年 星水月さん)
 
●大谷地小学校漁業体験(ホタテの水揚げ)
「ホタテがロープにくっついて育っていることがわかったことが今日学んだことです。」
「(ホタテを剥きながら)まだ動いている!!」
「自分でとったホタテだからとってもおいしかった。」
「今日の作業をいつもやっていて、漁師さんの仕事はとても大変だと思った。」
 
●おがつキャンプ「山から海まで水探検」
「山に登る途中で、山の生き物や植物の写真を撮って見れたのが楽しかった。」(雄勝小5年 小松礼央さん)
「硯上山の湧き水がとてもおいしかった。その水で炊いたご飯もいつものよりおいしく感じた。」(石巻小4年 山内翔稀さん)
「山の木を間伐するのが、楽しかった。山がとてもキレイになったと思う。」(湊二小4年 木村大輔さん)
「みんなでつくったご飯がとてもおいしかった。大人の人と遊べて楽しかった。」(大谷地小2年 遠藤彪吾さん)
 
いつもご支援いただきまことにありがとうございます。
皆さまのおかげで被災した石巻のこどもたちにたくましく生きる力を育む機会を差し出すことができました。雄勝の状況はまだまだ厳しいですが、地域の方々と教育を通じたまちづくりを今後も続けてまいります。
引き続き、変わらぬご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
 

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