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子どもサポート基金助成団体レポート

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読書ボランティアおはなしころりん

岩手県気仙地域の子どもと保護者のための移動こども図書館事業
小学校12校、子育て支援団体9カ所、応急仮設住宅団地等24ヵ所を定期的に巡回し、図書供覧と貸し出しをし、貸し出し時には読み聞かせ活動の実施。小学校では本の紹介「ころりん新聞」発行。子育て支援では読書の相談に対応。仮設団地では子どもへの貸し出しの他、大人には本や雑誌の無償提供および古本市、ミニお茶会。

基本情報

活動期間 2014年10月~2015年3月
活動地域 岩手県大船渡市・陸前高田市  
支援人数 2278人
活動人数 スタッフ5名、ボランティア27名
連携団体 大船渡市内教育機関(各小学校、保育園)
大船渡仮設住宅支援団体
子育て支援団体

写真

  • 未就学児童支援の団体に訪問し活動
  • 応急仮設住宅団地に訪問

活動の背景/内容

活動の内容

・子どもの生きる力を育むための、読書活動を推進できる環境整備および関わりの不足

・子どもを取り巻く地域コミュニティの再生と活性化

活動の内容

活動場所ごとに報告

●大船渡市内小学校

 全12校のうち11校を対象としていたが、今年度から全12校を巡回して、本を貸し出した。各学校に毎月1回、全クラスに30冊ずつの絵本や児童書を学級文庫として貸し出した。貸し出し本のリスト用紙に自由筆記欄を設け、子どもと文章で交流した。リクエストのあった本を届けるなど対応した。読書意欲を高める目的で、『ころりん新聞』を発行し、おすすめの本を紹介した。(4月から3月で451号発行)小学生の生徒数は1551人。

●大船渡市・陸前高田市の子育て団体

大船渡市内8団体と陸前高田市内1団体を訪問して、読み聞かせおはなし会を開催し、子どもと保護者に絵本の貸し出しを行い、図書等の相談にのるなど交流を深めた。

●応急仮設住宅団地

大船渡市内の応急仮設住宅団地の他、新たに地域のショッピングセンターと学童保育所を加え、巡回先は24カ所に増加。その他、リクエストに応じて、陸前高田市内の応急仮設住宅団地9カ所も訪問した。子どもには絵本や児童書を貸し出し、大人には書籍や実用雑誌を提供し、古本市も開催。参加者にはお茶やお菓子をだし、簡易のお茶会を開いた。交流活動によるつながりづくりを行い、傾聴活動により心のサポート支援にも取り組んだ。

活動の成果

・小学校は巡回先が増えて市内全校となった。今年度の新たな取り組みである「ころりん新聞」が好評で、各教室に掲示してもらっている。定期の貸し出しの他、国語の授業で使う本や、学校の読書活動として使う本を先生方から依頼を受け、揃えて特別貸し出しをしている。

・子育て支援団体からは、貸し出し時の際の読み聞かせおはなし会の他に、団体のイベントとしての読み聞かせおはなし会の依頼が寄せられている。信頼関係のさらなる強さを得ている。

・応急仮設住宅団地はもとより、団地から引っ越しされた方々のための訪問場所も設定した。待っていてくださる方が多い。一例:漁師だった75歳のある男性は、震災後は漁師を辞め仮設団地で一日中なにすることなく過ごしていたが、ある日、読書の楽しみを知り、読書が趣味になり、図書館車が巡回する日は椅子を外に出して待っていてくださるようになった。貸し出し時には、集まる子どもたちと過ごし、話に花を咲かせるようになった。ご病気になると枕元には本を積み重ね「仮設にころりんの車は来ているのか」と奥様に問うたとのこと。先月、亡くなられたが、家族はお棺に本を入れ、見送ったと伺った。家族から感謝の言葉が届いている。

・要望に応え、小学校の学童保育所にも配本を行った。

・地域住民の反応から活動の定着が感じられる。

・活動の成果が認められ、当事業は平成27年度は岩手県教育委員会からの委託事業に決定した。

この度は、たくさんの寄付金をいただきまして、本当にありがとうございました。皆さんのご厚意に心から感謝いたします。

東日本大震災以降は、平成15年立上げから行ってきた読書活動推進の事業に加えて、読書を絡めたいくつかの復興支援活動にも積極的に取り組んでいます。専用車両で小学校や子育て支援団体や応急仮設住宅団地を巡回する「移動こども図書館」事業は4年目です。

 日々、活動を継続しながら、子どもや住民の声に耳を傾け、「今、そしてこれから必要とされることは何だろう。できることは何だろう」と思いを巡らせます。地域の子どもや住民が生きる力を強め、幸せを感じながら暮らせるよう手助けをしたい。春に緑が芽吹き、色とりどりの花が咲くように、子どもの笑顔があふれ住民の笑い声が響く。そんな地域にしたいという想いがあります。草の根的に人と人とのつながりを強めることで、ここで元気に生きていこうという主体的な気持ちになるためのサポート、それが私たちの活動です。

 過去、何度も繰り返されてきた津波の襲来。その度に私たちの先輩は絶望に打ちひしがれながらも、がれきの中から立ち上がってきました。額に汗して郷土をよりよいものに作り直してきました。その、どの時代においても、子どもたちはそばで大人の背中をじっと見てきたはず。そして、またいつか来るであろう津波に対峙する覚悟が子どもの小さな胸に根付いてきたのでしょう。少しずつ落ち着きを取り戻し始めてきましたが、私たち被災地住民の気持ちがバラバラになったり、あきらめたりしてはいられません。正念場は続きます。これからも力を尽くしていく所存です。支えてくださって、ありがとうございます。

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