活動レポート ~活動実績のご紹介~

「福島こども力プロジェクト」プログラム運営団体 特定非営利活動法人移動保育プロジェクト 活動報告インタビュー

2014年09月18日

福島こども力プロジェクト

「福島こども力プロジェクト」プログラム運営団体 特定非営利活動法人移動保育プロジェクト 活動報告インタビュー

2013年度の活動について、福島こども力プロジェクトのプログラム運営団体に活動を振り返ってもらいました。

実施期間

毎週土曜日開催

開催場所

福島県・宮城県

参加者数

2013年度:585名

活動概要

福島県に住む子どもと、その保護者にとっての不安や負担を軽減させることを目的として、未就学児童を対象とした、低線量の自然豊かな地域での日帰り保育を実施。常に変化する自然を体験することで、子どもたちの五感を刺激し、感受性を高めるほか、はじめて出会う他の参加者や保育者との関わりを通じて社会性を育くんでいる。また、その活動には保育者だけではなく、地域の学生や大人などのボランティアも参加し、地域の交流を促進する機会にもなっている。2013年度から「福島こども力プロジェクト」に参画し、「ちびっこ遠足隊」を実施している。

特定非営利活動法人移動保育プロジェクト

プログラム担当者

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特定非営利活動法人移動保育プロジェクト
上國料 竜太 (カミコクリョウ リュウタ)

2005年8月に福島県郡山市で会社勤めをしながら保育所を開所。
多くの親子と接する中で、子どもの心の成長には「親を主とした周りの大人の関わり方」が非常に影響を与えていることに注目する。2011年3月に東日本大震災により自らも被災するも、同年7月に福島県内に住む子どもたちの放射線被曝及び外遊びなどのさまざまな制限と、子どもの保護者の不安とを軽減する現取り組みを始める。2012年1月よりNPO法人登記を行い活動のインフラ化に取組む。

震災後から活動を始めるまでの経緯を教えてください。

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上國料:震災時には既に保育所を開所していましたので、普段から子どもたちやその保護者と接する機会がありました。しかし、震災後、保育所に子どもを連れてやってくるお母さんたちは、放射線の不安でか、下を向いてしまい明るい表情がみられませんでした。
当時は県外に避難するということしか選択肢が無いように思えたのですが、まわりを見渡すと、経済的な不安や、引っ越し先での生活やコミュニティの不安とで、ほとんどの方が福島県に残っていました。このような福島県内に残って生活をしていくと決意した人たちのストレスをケアをしたいと思ったことがきっかけとなり、「移動保育」の活動を始めました。
たまに放射線の被爆量を軽減することだけを目的としていると思われることがあるのですが、そうではなく、子どもたちとその保護者の精神的なケアを目的として「移動保育」を始めたんです。
 

どのような始まり方だったんですか? 

上國料:2011年の7月末に個人的なFacebookにこういうことをやりたいと書き込んだのが始まりです。その1ヶ月後に、1回目の移動保育を実施しました。その時は、リソースも何も無い状態だったので、自分の車に保育園の子どもたち5人を乗せて、線量の少ない自然豊かな場所へ連れて行き、遊ばせて帰ってくるだけでした。
 

活動を軌道に乗せるまで、資金集めなどの大変なこともあったのではないですか?

上國料:2011年の8月31日に1回目の移動保育を実施してから12月までは、お金もリソースも無いままで、アルバイトをしてお金が貯まったら諸費用に充てるという形で、月に1回くらい、移動保育を実施していました。参加者は口コミなどで集めていました。
そんな状況でしたが、だんだんと活動についてメディアが取り上げてくれたり、自分でも情報発信をするようにしたりとすることで、少しずつですが活動を知ってもらい、寄附をしてもらえる状況になりました。自ら活動を手伝ってくださる方もいて。そこで、2012年の1月には法人登記をし、3月からは東日本大震災復興支援財団が協賛となり、徐々に団体としての信頼を得られるようになりました。
 

復興支援がきっかけで生まれた新しい活動として、他の地域でも活用してほしい

今後も復興支援として活動を続けていかれますか?

上國料:移動保育を始めて一年目は、活動によって「助ける」というスタンスがあったように思うのですが、今はそういう意識はありません。、そもそも復興というのは、「元に戻すこと」を指すのではなく、「新しいものを生み出すこと」を指すのかな、と考えています。以前から社会や地域が抱えていた問題が震災後に表面化し、その問題への解決策が震災の復興支援を通じて生まれた新しい活動であった、ということだと思うのです。活動を継続して、福島の問題や震災の記憶風化を防ぎたいですし、被災地だけではない他の地域でもこの活動をぜひ活かしてほしいと思っています。
 

近頃の活動では、地域やボランティアの方も積極的に活動に関わってもらっていますよね。

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上國料: まず、活動には色々な方に関わってほしいと思っています。未就学の子どもは、接する時間の長い、特に保護者と保育者の影響を大きく受けると思います。そのため、子どもは大人とセットで考えるべきだと思っているのです。保護者が現場でボランティアとして参加するという試みは以前から取り組んでいましたが、最近では移動保育に子どもたちを参加させている間の時間で、大人向けの意見交換会を開催して、そこに保護者と学生を参加させています。ここに参加する学生は翌週の移動保育にボランティア参加するので、前もって意識すべきことを学んでほしいと思います。
難しい点は、子どもの保育は単発で変わるものではないので、参加者に、繰り返し何かを伝え、体験していただける場を持ちたいと思っているのですが、まだ実現できていないところです。保護者だけではなく、子どもたちに対しても頻度を高くして活動していきたいです。
 
 

保護者が同伴しなくても参加できる体験プログラム。子どもの成長と親のストレスケアに

2014年度の課題を教えてください。

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上國料:やはり人手と資金不足には苦労がありますね。保育だけの活動を実施するのであれば、寄附金などで運営できるのですが、研修を充実させ、前述したように活動の幅を拡大していくための新しい取り組みをするには、人材やお金をなかなか捻出できずにいます。そこが今、葛藤している点です。
 

これまで活動してきて手ごたえを感じている点など教えていただけますか。

上國料:参加者が未就学児ですから、子どもたちの保護者の方々と会話することがよくあります。すると、この活動の存在が、保護者の方の安心に繋がっているのかと思うことがあります。放射線の影響を気にする方や、日ごろ、子どもと接する時間がなかなか取れない方にとっては、子どもたちを自然体験に気軽に参加させられるなど、ストレスケアとしても役に立てているのかなと思います。
 

未就学児で保護者が同行しなくても参加できるプログラムはなかなか無いですよね。

上國料:そうですね。子どもたちは、保護者がいると甘えてしまってぐずるのですが、保護者の姿が見えなくなると、頑張って行動できます。そのような、保護者のいない環境を意図してつくると、子どもたちの能力がすごく伸びるんです。しかも、今のプログラムでは初めて出会う子どもたちがいきなり半日間の集団行動をしなければならないので、色んな意味で気持ちの切り替えが必要になります。これまで参加した子どもたちはみんなうまくでき、楽しんでくれていますね。
 

高森:これからも事業を継続していく上で、今後の展望と課題を教えていただけますか。

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上國料:移動保育だけでは、たくさんの子どもを受け入れるのは不可能だと思っています。そのため、活動のノウハウを全部公開して、できる方々に同じことをどんどんやっていただきたいと思っています。以前は自分たちで少しでも多くの子どもに参加の機会を提供したいと思っていたのですが、資金繰りも含め、完全に自立した形で各地に同じような団体ができ、活動してもらえればいいのかなと考えています。その団体はNPOという形式にこだわる必要もないと思いますので、例えば地域のパパ・ママチームなどでもいいのかなと。とにかく日本中にたくさんの団体ができて、移動保育の機会が増えることが願いです。
そして、震災を経験した福島からこの活動を発信するということが、結果的に震災の風化を防ぐことになり、ある意味では「復興」に繋がるのかなと思っています。
 

最後に、「福島子どもプロジェクト」に期待することや、一緒に取り組んでみたいことなどはありますか?

上國料:もう少し各プログラム運営団体との意思疎通を図り、役割分担や方向性など、密にコミュニケーションを取れるようになれればいいなと思います。また、各地に活動を広めたいという考えもありますので、全国にネットワークをもっている団体さんと協同して何かできたら、と思います。方向性が違うかもしれないと躊躇してしまうこともありますが、未就学の子どもや小学校低学年を対象とした他団体さんとももっと関わりを持ち、活動に繋げていければいいなと思っています。

私たちがお話を聞いてきました




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東日本大震災復興支援財団は、震災被災者への長期的な支援のために、一般のみなさまからの寄附をお願いしています。おあずかりした寄附金は全て、東日本大震災復興支援の公益目的事業の財源として活用させていただきます。また、福島こども力プロジェクトへの寄附金は、さまざまな体験活動を通じて、将来の福島を支える人材を育成する活動を支援するために100%役立ててまいります。詳細は以下のページをご参照ください。 

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