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子どもサポート基金助成団体レポート

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こども∞感ぱにー

石巻市鹿妻地区の子どもとその家族のための心の居場所つくり
震災により甚大な被害を受けた鹿妻地区において、子どもたちが安心して過ごせる居場所づくりと、不足している多世代の交流の場作りを行う。また、子育てに悩む親世代の交流・情報交換の場作りを行い、子育て相談も行う。 これにより、昔はあたり前だった「地域で子どもを見守る」文化の復活と新たなコミュニティを構築していく。

基本情報

活動地域 宮城県石巻市鹿妻地区  
支援人数 861名
活動人数 スタッフ3名、ボランティア5名
連携団体 社会福祉法人石巻市社会福祉協議会
石巻市教育委員会 生涯学習課
鹿妻第2町内会

写真

  • 未就学児あそび場
  • 夏休みの思い出作り みんなで流しそうめん
  • よっこより

活動の背景/内容

活動の内容
石巻市鹿妻地区は、津波により甚大な被害を受けたが、県営住宅や市営住宅が8棟あることや津波を被った家を修繕し生活している住民が多くいるため、近隣の地区に比べると住民の数が多い地域である。(約2054名)また、核家族や高齢者が多く住んでいることや震災後に家が流され新しく転入してきた家族が多くいることもこの町の特徴である。このため、この地区の子どもが通う鹿妻小学校の児童数は363名と、隣町の湊小学校の127名、渡波小学校234名と比較しても子どもが多いことが分かる。
 
①子ども達の居場所の不足 
 昨年4月より当会の事務所を鹿妻地区に置いたことにより、5月から毎週月・金曜日に鹿妻東公園とフリースペースを借り、「放課後あそび場」を開催している。開催回数を重ねるたびに参加する子ども達の数は増え、開催日以外は事務所に子ども達が「ただいまぁー」と訪れるようになった。
当会には、鹿妻小学校の児童約88名(2013/09/25現在)の子ども達がくる。これは、鹿妻小学校の全校生徒363名の内24%である。
また、震災により両親が共働きや一人親となり、子どもと親が共に過ごす時間が減少した。子どもたちの中には、親が帰宅するまで祖父母と過ごしたり、子どもだけで帰りを待つ家庭が少なくない。核家族化が進む現代社会において、いわゆる「鍵っ子」は珍しくないが、心に刻み込まれてしまっている震災への恐怖感と不安感を持つ子ども達にとって、放課後を一人で過ごす事は過酷といえる。
仙台市では「1学区に1児童館設置」されているが、石巻では人口15万人にも関わらず、児童館は1ヶ所しかなく、子どもが安心して過ごす居場所が不足している。
また、一人で子どもを留守番させなければならない保護者の不安は大きく、携帯電話を持たせるケースも多い。保護者の不安要素を取り除くためにも子ども達が安心して過ごせる環境を整える必要性が高いことが分かる。
 
②子どもをもつ親の交流の場の不足 
 未就学児を持つ母親や両親が共働きのため日中に孫を預かる祖母より、「小さい子どもを遊ばせる場所がほしい」という要望が震災直後より上がっていた。鹿妻地区において石巻市の生涯学習課と「子育てサロン」を共催した際、「公園で子どもを遊ばせながら、母親同士が友達になることはない。」「親同士の繋がりを作る機会がない。子育てでわからないことや不安に思うことがある。」という声を多く聞いたことをきっかけに、6月より週1回鹿妻東公園で未就学児のあそび場を開催している。
また、被災地での児童虐待の増加率は高く、宮城県の児童相談所が受けた2012年度の相談は875件で震災前より28%増加している。
子育ての孤独感や不安に加え、生活再建へのストレスで親たちの負担が増大しており、一人親や共働きの親が多いこの地区でも児童虐待の懸念があることから、母親(または祖母)の交流の場や子育ての相談窓口を設けるなどの必要性がある。
 
③多世代交流の場の不足 
 震災から2年半以上が経ち、多くのボランティア団体が撤退した。どの団体も「住民に引き継ぐこと」を念頭に活動していたが、実際には引き継げないまま、人手不足や資金不足で撤退する団体が多く、住民が集まる場やイベントが激減している。そのため、家に引きこもりがちになっている高齢者が増えている。また、様々な団体がコミュニティ形成を目的とする活動を行ってきたが、「高齢者」や「子ども」などに特化しており、高齢者や子ども以外も巻き込んだ多世代交流を促すアプローチが不足している。
子ども達の笑顔を核としながら、震災により大きな影響を受けたコミュニティが地域ぐるみで再生してゆく地域密着型の活動が必要とされている。
 
活動の内容
■小学生対象の「放課後あそび場(外遊び)」開催
○毎週月曜日15:00~17:00※前後1時間は準備・片付け・振り返りを行っている。
○プレーリーダー3名(当会スタッフ2名とアルバイト1名
ボールや水鉄砲、昔遊びなど約50種類の遊び道具台車に乗せ、子ども達も一緒に準備・片づけをしながらあそび場を開催した。またお茶っこスペースを提供することで高齢者を含む地域住民が子ども達を見守りながら交流できる環境づくりを行った。
 
■小学生対象の「よっこより」開催
○毎週金曜日15:00~17:00※前後1時間は準備・片付け・振り返りを行っている。
○プレーリーダー3名(当会スタッフ2名とアルバイト1名
室内で読書や手芸、ゲームなどの遊びをおこない、特にアイロンビーズで思い思いにコースターやストラップを作ることが流行った。また、宿題を持ってきてプレーリーダーに教えてもらう姿もあった。子どもが学校や家庭での悩みを打ち明けられる関係・環境作りを積極的に行った。
 
子どものプレーリーダーへの相談内容、子どもが置かれている環境に関する問題点、子問題行動は、当会で処遇会議を開催し(週1回)スタッフ間で共有し解決策を模索した。精神的に不安定な子に対しては、積極的な声掛けやあそび場終了後も個別に話す時間を作るなど子どもに寄り添った活動を行った。
 
■親同士の交流の場と未就学児対象のあそび場開催
○毎週月曜日10:00~12:00※前後1時間は準備・片付け・振り返りを行っている。
○プレーリーダー2名(当会スタッフ2名)
ボールやおままごと道具など約30種類を台車に乗せてあそび場を開催。基本的には親同士で自分たちの子どもを見守るが、親同士が子育てに関する話や情報共有をしている時は、状況を判断しプレーリーダーが子どもと一緒に遊ぶといった配慮を行った。
保護者からの要望で6月に「ヨモギオイル作り」を開催。親子6組が参加し、当会の事務所近くでヨモギを摘んだ後、楽しくおしゃべりしながら土鍋で約1時間煮だしてヨモギオイルを作った。
8月の開催時に「自主保育サークル」設立の呼びかけを開始。9月にランチあそび場(1品持ち寄り、あそび場の後にランチピクニック)を行った際に、保護者に「自主保育(※)」についての説明を行い、“鹿妻まーず”を設立。メーリングリストをつくり、メールで情報交換ができる体制を作った。
 
※自主保育とは、その名の通り「自分たちで保育をすること」。基本的には
①母親同士で当番を決めて子どもを預け合う②プレーパークや公園など野外で行う③施設保育に頼らず就学前まで自分たちで保育する…というものだが“鹿妻まーず”では、
①お互いの子どもを見ながらお母さん同士の信頼関係が構築され、困った時に預け合う体制つくり②太陽の下で子どもがのびのびと遊ぶことが発育に何よりも大切なことを保護者同士が伝え合っていき、環を広げていくというもの。
 
■子育て相談窓口とコモンセンス・ペアレンティングワークショップ開催
 昼の部と夜の部に分けて、セッション①から③までを2クール開催した。告知は鹿妻小学校と渡波小学校の父兄と未就学児あそび場にきている母親に行い、子育てに悩みを抱える母親が8名参加した。また、ワークショップ開催後に個別に子育て相談を受けたほか、あそび場にくる母親からその場で相談を受けた。
 
■地元アルバイト雇用
4,5月は元々当会の活動を手伝ってくれていた地元住民をアルバイトとして雇用。6月1日からは4月の下旬よりあそび場にボランティアで通う18歳の不登校生をアルバイトとして週2日雇用を開始する。必要に応じて、遊び道具の整備や事務処理にも勤務してもらった。
 
■活動の周知と報告、イベント情報の提供
 会報誌は4月(春号)、8月(夏号)を600部発行、うち鹿妻地区には約250部を配布した。(添付資料:会報誌春・夏号)
 
活動の成果
■小学生対象の「放課後あそび場」開催
○26回開催/子ども:延べ345名/地域住民延べ64名
 
■小学生対象の「よっこより」開催(全25回)
プレーリーダー3名(当会スタッフ2名とアルバイト1名)
○20回開催/子ども:延べ149名/地域住民:延べ13名
 
放課後あそび場の両事業は、鹿妻地区の子どもの第三の居場所として定着してきている。参加人数は外遊びで15人程度だが、ほとんどが常連で開催日には決まって顔を出す子どもが多い。
その半数以上がひとり親または共働き家庭であり、親が帰ってくるまで一人で過ごしている事、食事はコンビニ食など家庭事情を話してくれる。祝日や学校の振り替え休日があそび場と重なった日は午前10時から16時まで開催し、家で一人で昼食をとる子どもに声をかけると、家からご飯を持ってきたり、親御さんが作ってくれたおにぎりを持参してプレーワーカーと一緒に食べている。会話をしながらの楽しい食事は、消化・吸収力をあげ、成長には大切な要素となる。
 児童クラブに登録していない子、条件を満たさずに登録できない子どもがいる現状で、定期的に開催しているこのあそび場が気を使わずに安心して過ごせる場所になっていることが、同じ顔ぶれが通ってくることから窺うことができる。
 
夏休み最後のあそび場では、子どもとプレーワーカーの共同企画で「大流しそうめん」を開催。竹を組み合わせセッティングからそうめん流し、片づけまでを一緒に行った。
また、9月28日の鹿妻地区秋祭りに「子ども商人」として出店し、企画から商品準備、販売、片づけ、会計等すべてを子ども達で行うという経験をした。
普段、遊びのルールは自分たちで決め、子ども同士のけんかもプレーワーカーは見守る事に徹するが、今回は準備段階から何度も挫折しては思い直し、子ども同士喧嘩しては仲直りを繰り返している様子を見守り続ける事は、プレーワーカーにとっても「忍耐」の時間だった。「子ども商人」は子ども達にとって初めての経験であったが最後までやり遂げることができた。
予想を下回る390円という売上金額に子どものテンションは低かったが、片づけ終了後に地域の住民から「よくがんばったね。ご苦労様でした」と声をかけてもらい、暗い顔が明るい笑顔に変わっていた。売上以上にこの一言が何よりの喜びと満足感につながったようだ。
 
あそび場を定期的に開催し、イベントの企画運営を一緒に経験できたことにより、プレーリーダーと子どもの信頼関係がさらに深まった。これが今後、子どもの良き相談役であり、親以外にも成長を見守っている大人が近くにいることへの安心感となっていくと考える。
 
■親同士の交流の場と未就学児対象のあそび場開催(全26回)
○25回開催/子ども:延べ166名/保護者:延べ124名
春から夏にかけての温かいこの時期、親子の参加数が増え、多い時には10組ほどが参加した。保護者同士が友人関係となり、プレーリーダーが介入しなくても会話が弾むように変化した。
6月に開催したヨモギオイル作りは、自分の子どものアトピーやかぶれに悩む母親たちの強い要望によって開催することになった。ここでは同じ悩みを共有することで、親睦がより深まったように思える。
 開催当初(2013年7月)はほとんど参加がなかったこの活動も、今期は毎回参加する親子で賑やかである。自主保育サークル“鹿妻まーず”を9月に設立したことで「助け合いながら子育てをする」仲間意識が高まった。子育てに悩みを抱える親同士が、気軽に話せる場所があることで、子育てが楽しくなり心強さを感じるという声を聴くようになった。
 
■子育て相談窓口とコモンセンス・ペアレンティングワークショップ開催
子育てに行き詰まり、その解消手段を模索している母親がコミュニケーションの取り方を学ぶ事で、子育てが楽になったという声を聴くことができた。今期の参加は8組であったが、個別の子育て相談も行い、個々が持つ悩みをこのワークショップを開催する事で深く聞くことができた。
参加者からは『「お母さん最近変わったね」と子どもに言われた』『自分が変わることで子どもが癇癪を起さなくなった』という感想をいただいた。
 
■地元アルバイト雇用
中学2年生から不登校の18歳女子を雇用した。今回の雇用は、若者の人材育成という目的の他に、社会経験が浅くアルバイトも初経験の彼女が働く喜びと、自身が経験できずに通過してきた空白の子ども期間を、子どもとの遊びの中で経験し学んでいく機会「やりなおし」の場になっている。この雇用は女子にとって大きな転換期となり、親御さん、教員からは「表情が明るくなった」「考えが前向きになった」という声をいただいている。
 
■活動の周知と報告、イベント情報の提供
会報誌を制作・配布することで今期の活動報告を行うことができた。また、パンフレットと会報誌の配布、子育て支援課や児童館に設置する事で、遠方から(東松島から)未就学児のあそび場に参加した親子やコモンセンスペアレンティングへの申し込みがあるなど、当会の活動の告知につながった。
また、「手作り感があって読んでいて楽しい」「活動に共感した」という声もいただいた。
 

この度は当会の活動を応援して頂きありがとうございます。

震災より3年以上が経った現在も、継続的に支援してくださりありがとうございます。

震災の影響により家庭環境が変化したなか、「親も大変だからわがままいったらいけない。」と気を遣い、我慢していた子ども達のストレスが限界にきているのか精神的に不安定な子や甘える子が増えているように感じます。

これからも子ども達と地域に寄り添った活動を続けていきますのでご支援よろしくお願い致します。

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