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子どもサポート基金助成団体レポート

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特定非営利活動法人越後妻有里山協働機構

東北・地域・都市のこどもが共に里山に学び、芸術に触れる「越後妻有の林間学校」
幾度も災害に遭いながらも集落コミュニティの強さを保ってきた当地域において、被災者、首都圏のこどもたちや地域住民が集い、各々の持てる力を出し合いながら地域活性化につながるプログラム(棚田保全活動等)を通して里山の知恵に学び、アートを活かしてコミュニケーション力を育てる「越後妻有の林間学校」を実施する。

基本情報

活動期間 2014年4月~2015年3月
活動地域 新潟県十日町市  
支援人数 78名
活動人数 スタッフ3名、ボランティア6名(のべ14名)
連携団体 3a郡山
グリーンクロスジャパン
ひたかみの里メダカっこクラブ

写真

  • 夏_サッカーミニゲーム
  • 夏_川遊び
  • 1月_鳥追い

活動の背景/内容

活動の内容
この「越後妻有の林間学校」は、東日本大震災を人類・文明の問題と捉え、アートによる地域づくりの先駆けである「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」を10年以上取り組む中で培ったネットワークと、3度の地震に合いながらもそのたびに「大地の芸術祭」を通じた交流やお祭りを続けて復興に向かっている当地域の経験を活かし、外で思う存分遊べない福島のこどもたちや肉親を失ったこどもたち、都市で生活し閉塞感をもつこどもたちが、共に集い、ゆるやかに交流し、里山での時間のなかで学び合える場所を目指しています。美術や音楽、パフォーマンス等、人々が五感で共感し得る体験と地域の生活体験(農作業、伝統食、手工芸等)を通じ中山間地域の課題を改めて考える契機となるプログラムを展開していますが、参加する被災者の方々の状況は時間の経過とともに、そのフェーズが多様化、複雑化していることを受入れの現場から実感しています。
4年目となる活動ですが、課題としては、
①林間学校で学んだこと(例えば、豪雪地・過疎地・地震の被害を受けながらも故郷に誇りをもち協力し合いながら生きる集落の人々の姿や、アーティストの創造力など)が、こどもたちの住む地域や学校、家族の生活の中で活かされ、少しずつでもその経験を周辺の人々に伝えていけるようになる。つまり、これまで「参加して楽しかった」という漠然とした想いにとどまっていたものを、きちんとアウトプットしていける環境をつくる。
②少子高齢化の進む全国の地域、転校が相次ぎ生徒数が激減している東北被災地、良い学校に入るための勉強に終始する都会、これらの地域に共通した課題である「教育」に対して、豪雪地に生きる知恵を学び、芸術によって感性を育て、さまざまな地域で暮らすこどもたちが共に学ぶ場として、新しい教育の形を提示していく。
③そのためにも、林間学校を継続実施していく。
2013年度の本助成金で取り組んだ林間学校では、約50名の参加があり、スイス、ロシア、アメリカ、オランダ、韓国からの視察団を含め多いときには約100名の参加があった。その際、リピーターのこどもたちにリーダー的な役割を持てるように促し、率先して動く姿が見られた。また、東北の復興活動に参加するこどもが出てきたなど、少しずつ林間学校の活動がこどもたち自身の動き方につながってきた。しかし、目標には達しておらず、引き続き同じ目標を据え、取り組みたいと考えている。
活動の内容
1:サマーキャンプ
3泊4日のアート・お祭り・農作業など様々なプログラムを組み込んだサマーキャンプを通して、こどもたちの世界がひとまわり広がることを目標にした。また、準備されたプログラムに参加するという姿勢ではなく、お祭りやイベントを一緒に作り上げる姿勢で参加できるプログラムの仕組みを工夫した。
【スケジュールと参加者】
●日程:
A…7月29日〜8月1日 被災地からの参加者 22名
B…8月12日〜15日被災地からの参加者 20名
●プログラム:
共通プログラム:FANサッカー、越後妻有のダンスを踊ろう、ペンキ絵を描こう、草刈り
Aコースのみのプログラム:川遊び、ピザ作り
Bコースのみのプログラム:農舞台スタンプラリー、盆踊り
●プログラム詳細
◎FANサッカー(講師:日本サッカー協会/坂口淳)
簡単で楽しみながら行えるゲームで、身体を動かしコミュニケーションをとる。楽しみと訓練とを兼ね備えたワークショップ。多様な年齢のこどもたちが入り乱れてゲームに参加した。
◎越後妻有のダンスを踊ろう(講師:プロジェクト大山/古家優里)
若手女子ダンサーチームが、越後妻有の稲穂やカエルなどの動きを取り入れたコミカルなダンスを制作。
大げさな表情やひょうきんな動きをやってみることで、日常的な行動の中ではすることの無い身体の動かし方や表現を楽しんだ。習ったダンスは盆踊りや地元との交流会時に披露した。
◎ペンキ絵を描こう(講師:ペンキ絵師/田中みずき)
日本に3人しかいない銭湯ペンキ絵師からペンキ絵の成り立ちや技法についてレクチャーを受け、実際に大きな画面にペンキ絵を描く体験をした。ほか
 
 
2:冬の林間学校「小正月コース」
地域の伝統行事への参加と、地域では少子化のため実施できなくなてしまった行事を林間学校に参加するこどもたちで復活させるプログラム。雪を使ったアートのワークショッップ。
【スケジュールと参加者】
●日程:1月10〜12日  東北からの参加者19人
●プログラム
お餅つき、雪遊び、かまくらづくり、影絵のメリーゴーランドづくり、鳥追い、どんどやき
●プログラム詳細
◎お餅つき(講師:三省地区のみなさん)
地域で取れた餅米をつかって、杵とウスで餅をついた。地元の方々の指導のもとこどもたちも杵を持って参加した。
◎メリーゴーランドを作ろう(講師:アーティスト/長谷川仁)
雪の「かまくら」のなかで、プラスチックにこどもたちが描いた蝶の影が舞う、参加型の作品制作ワークショップを行った。
◎鳥追い(講師:小谷集落後継者会のみなさん)
こどもたちが鳥追うたをうたいながら集落の家々をまわり、害獣を追い払う昔ながらの行事に参加。
藁靴や藁のマントなども着用した。  
◎どんどやき(講師:小谷種楽のみなさん)
藁のやぐらを燃やして、その年の稲の作柄を占う行事。集落のみなさんの行事にお邪魔した。
 
 
3:冬の林間学校 「雪の花火・運動会コース」
マイナス要因の多い「豪雪」を楽しみに変える、雪上のアート鑑賞と雪上運動会に参加した。
【スケジュールと参加者】
●日程:3月6日〜3月8日 被災地からの参加者 17名 
●プログラム
光のアーティスト高橋匡太さんの作品づくり、三田村管打団?さんと雪の運動会応援ソングづくり
雪と光のアート鑑賞、雪の運動会参加
●プログラム詳細
◎光の花畑制作ワークショップ(講師:アーティスト/高橋匡太)
約3万個のLEDライトを雪原に埋める光の花畑の、ライトを埋める作業に日中参加し、夜は出来上がった作品を鑑賞した
◎「雪の運動会」応援ソングづくり(講師:ミュージシャン/三田村管打団?)
三田村管打団?のメンバーとともに言葉をつなぎあわせ運動会応援歌を作った。地元中学校の吹奏楽部も一緒に交流し、入場行進の練習なども行った。
◎雪の運動会参加(講師:日本サッカー協会/坂口淳)
チームで協力して課題を解決するASE(Action Socialzation Experience)で4チームが競い合った。
地域・世代・ジャンルを超えた人々が一緒の競技に熱くなった。
活動の成果
四季の農作業や、雪などの自然条件と関わりながら、こどもたちが興味を持って参加できる内容づくりを心がけ、越後妻有の地域で開催する根拠を持った林間学校が形成されつつある。出来合いの商品が満ちあふれる現代社会にあって、稲作も、アートの制作も、イベントの実施も制作段階に参加者がかかわることで、土地の力を利用する方法や、仲間と協力しつくりあげることを経験した。
田植え参加者が稲刈りを楽しみにしたり、雪のイベント後には田植えを楽しみにすると言ったリピーターも増え始めており、参加者同士の交流もこの林間学校に限らず活発におこなわれているようである。
共同作業によるコミュニケーションが、参加者同士の交流を促していると考えられる。

2014年度も、多くの参加者が林間学校に参加し、越後妻有の豊かな土地と温かい人や、アーティストの感性に触れる場を作ることができました。4年間継続しているプログラムの中で、こどもたちが足しげく地域に通い成長する姿をみることが出来ました。

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