2025年11月11日
株式会社ReFruits
代表取締役 原口 拓也
大熊町
2023年06月01日~2026年05月31日
福島県大熊町における、震災前の町の特産品キウイフルーツを主とした栽培、加工、販売による農業生産事業、及びそのプロセスを通じた地域の関係人口の創出。
代表の原口、創業役員の阿部は、いずれも3年以上前から大熊町に関わり、地元住民らと共に任意団体「おおくまキウイ再生クラブ」のメンバーとして、同団体の活動として大熊の特産品キウイの再生に取り組んできました。その中で、震災前大熊町内でキウイと梨を生産されており、現在は千葉県香取市でキウイと梨を生産されているフルーツガーデン関本さんのキウイを食べ感動し、キウイ栽培を再び大熊町で継承したいと思うようになった。しかしあくまで任意団体である同団体の活動では、産業と言える規模で大熊の果樹を復活させる事はできないと考え、新たに弊社を設立した。
かつて「フルーツの香るロマンの里」というキャッチコピーを掲げていた大熊町は、震災と原発事故による長期間の避難指示のため町内の果樹産業が消失。2019年に初めて町の一部で避難指示が解除されたものの、現在も町内で果樹栽培はされていないという状況にある。弊社はキウイの栽培に取り組むことで、基幹産業、特産品がいまだ回復していないというこの町の課題を解決していきたい。
失われたままの果樹産業、特産品キウイを再生することに加え、住民/地権者が域外での避難生活を続けていることにより増加している耕作放棄地や荒れ地の管理を行い地域に貢献していきたい。
一般社団法人東の食の会、フルーツガーデン関本、おおくまキウイ再生クラブ、国立大学法人福島大学
※2025年3月~2025年8月の活動
【キウイ栽培】
・キウイの育苗管理
・キウイ事業のスペシャリスト末澤先生と新品種開発の契約を締結済 育種開発を行う
・2025年3月~4月 キウイの新規定植(園地拡大)
・2025年5月~8月 さらなる園地拡大に向けた役場との相談
【加工品開発・キウイの仕入れ販売】
・2025年3月~ キウイ加工品の製作 11月リリース予定
・2025年5月~ キウイの仕入れ販売に向けた調整(11月から3トンのキウイを仕入れ販売することが決定)
・2025年6月~仕入れ販売に向けた冷蔵設備等の整備
【視察研修】
・キウイの植樹体験に250件以上の応募あり
・月に平均5件以上の視察、研修受け入れを継続的に行う
その他特記事項
・栽培面積を増やしており、5年以内にかつて大熊町で栽培されていた10ha規模でのキウイフルーツの生産を目指しています。また、新品種の開発に向けて末澤氏と新品種開発の契約を締結しました。
(目標)育苗管理で、収穫量が大幅に減少するようなボトルネックを作らない
➡7月に雨が全く降らなかったこと、木の幹を食べる虫が入ったことによって木が弱り、1,000本中30本程度枯死してしまった。ただし全体的には順調に生育している。虫害に関しては事前予防策が打てたため、次年度以降は適切な虫の発生時期と初期殺虫ができるように農薬散布を検討する。
(目標)栽培方法、各作業手順、作業時間のマニュアル化
➡自社で作業時間管理ができるようにシステムを構築し、作業者毎、各作業毎、各園地毎に作業時間を把握できるようにした。
(目標)キウイの仕入れ販売の仕入れ先を作る
➡合計3トン程度のキウイフルーツを入荷予定。2025年11月以降の販路先を作っていく(現在3つの飲食店、八百屋に販売することが確定)。最終的に10社程度の仕入れ先を見つけることを目標とする。
(目標)視察研修先の受け入れを月5件以上コンスタントに受け入れる
➡達成している。より多くの企業、団体に視察にきてもらえるよう、各ツアー団体との連携を図っていく。
(目標)新品種開発に向けた品種候補の定植を7月までに達成する。
➡達成済み。しかし契約内容としては品種開発のコントロールが完全に末澤氏に依存するため、弊社でも育種選抜が行えるように知見を貯める。
平素より格別のご支援を賜り、心より御礼申し上げます。フェニックスプロジェクトのご支援のおかげで、私どもの事業は着実に前進しております。
新規就農において、初期に多額の設備・圃場整備投資が必要であり、一歩を踏み出すこと自体が大きな挑戦となります。なかでも果樹栽培は投資回収までに5年以上を要する分野ですが、フェニックスプロジェクトの資金は、この長期的な挑戦を持続的に進めるうえで極めて貴重な後押しとなっております。改めて深く感謝申し上げます。
現在、キウイフルーツの栽培は2年目に入り、いよいよ次年度の初収穫が視野に入ってまいりました。日々の観察・試験を重ねるなかで栽培手法に関する知見も蓄積され、樹勢・着花・肥培管理に応じたある程度の結果予測ができる段階に達しつつあります。
もっとも、依然として自園の収穫には至っておらず、事業継続と地域での認知拡大を両立するため、当面はキウイの仕入れ販売や園地視察の受け入れ、情報発信を並行して進めております。今夏も専門家の助言を踏まえ、圃場の整備計画や作業オペレーションを見直し、初収穫に向けた体制を一層強化いたしました。
引き続き、「大熊町の特産品キウイの復活と産業化」という目標に向け、地道に、そして粘り強く取り組んでまいります。今後とも変わらぬご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
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