2025年11月12日
wind&soil
代表 根本 李安奈
南相馬市小高区
2023年06月01日~2026年05月31日
全国の多様な文化の自治の実現を目指し、地域に根付く“土の人”と、外から訪れる“風の人”が交わる場づくりを行う人を支援しています。
エンタメ・学び・食を軸に、地域で活用できる“場づくりのコンテンツ”を企画・提供し、それをきっかけに、地域をもっと面白くしたいと自ら動く“共創世代”の創出を目指しています。
私は、福島県南相馬市小高区に生まれました。3.11の震災の際に、原発事故に伴う避難指示が5年間出され、だんだんに庭や道は草だらけになり、街が朽ちていく様子を目の当たりにし、風土と文化が消えていく危機感を覚えました。
0になった街なので、避難が解除されても数十%しか住民は戻りません。大きな復興予算でハードが整備されても、本質的に街が生き返るきっかけになっているのか。そんなことを考えていた私が街の息吹を感じたのは、個人単位の小さなチャレンジが始まった時です。何もないからこそ、欲しいものは作ればいい。そんなパッションで新しい事業や取り組みがたくさん生まれてきました。
これまで地域に関わりがなかった人にとっても、何も無くなった土地は新しくチャレンジするのにむしろ最適だったりします。その結果、他の地域にも無いようなプロジェクトがどんどん生まれました。それは、地域に根付く“土の人”と、地域に新しくやってくる“風の人”が“共創”したからです。
“共創”という在り方が、街をよみがえらせる。その姿を間近で経験しました。風と土が豊かな“&”の関係を結ぶこと、共に創ることで、閉塞的な地方を耕すことができます。
都市に人口が集中し、地方都市は単一化され、今後多くの過疎地ではその場所固有の風景が消えていくでしょう。各地の個性が消えるのがとても悲しい。各地の風景を残すためには、「どうせうちの地元なんて」と言わず、地域の個性を活かして楽しみを作る人が大切だと考えます。
その地域のらしさとは? 楽しく暮らせる地域とは? このような問いを大切にしながら、小高の学びを全国に届けることで、多様な人の営みや文化を残すお手伝いをしたいです。
地方の個性が失われ、単一化していく現状に対し、どのようにしてその地域ならではの文化や風景を守り、豊かな暮らしを創出していくか。
「シネポッケ」や「インスピレーション⇄キッチン」といったユニークなコンテンツを通じて、地域に新たな風を吹き込み、その個性を守ることに貢献しています。地域外の人々と地域住民をつなぐ「場」を創出する手伝いをすることで、地域本来の食文化や風景、物語に光を当て、その価値を再発見するきっかけを生み出します。この交流は、地域に経済的な活性化をもたらすだけでなく、住民の地域への誇りを育み、コミュニティを強化します。
OWB/秋風舎/図図倉庫/アウトクロップ/劇団 南極/haccoba/marutt、
※2025年3月~2025年8月の活動
共創コンテンツ事業
【シネポッケ】
・2025年4月~ 共同上映事業「シネポッケ」開始
・2025年11月~ 共同上映事業「シネポッケ」サービスリニューアル
【その他】
・2025年9月 シェフ・イン・レジデンス『インスピレーション⇄キッチン』
共創サポート事業
・2025年8月29日 委託事業:野外ショートムービー「ふたばシネマ」
・2025年11月、1月 委託事業: 上映者ワークショップ
(目標)共創コンテンツ事業:シネポッケ
・2023年:上映と集客の経験を積む
・2024年:配給会社のリサーチと関係会社へのアプローチ
・2025年:複数地域で上映のプロトタイプ
・2026年:サービスの正式リリース
・2027年:サービス利用地域の拡大
➡・サービスのローンチに向け、基盤となるシステムを構築。21件の会場登録を獲得。
・12回サービスの利用。共同通信に取り上げられたことにより、全国からの問い合わせが増加した。
・イベント会場での集客が難しく、一部地域ではリピート実施が停止している。
・集客に繋がりやすい作品選定を行い、参加者が感想を共有し合える「カルチャースクール」のようなサービス設計への移行準備を進める。
(目標)共創コンテンツ事業:その他
・2023年:地域で求められているコンテンツの検証
・2024年:広報や運営チームの組成をし、安定して運営へ
・2025年:収益性の確保の検証
・2026年:持続可能な運営体制の確保
・2027年:他の地域からもコンテンツの提供の依頼を受ける
➡・インスピレーション⇄キッチンでは、多くのメディアに取り上げられ、地域でも何度も足を運ぶような結果が生まれた。
・継続実施により、生産者さんとのつながりも深くなり、生産者に対してもバリューを産むことができた。
・双葉の施設管理の会社から上映の依頼をいただき、ショートムービーの野外上映の事業を実施することができた。
・インスピレーション⇄キッチンを2年行なったことで培った運営のノウハウを民間企業に営業し、パッケージとして委託を受ける設計を行う予定のため、営業をこれから行う必要がある。
・より安定してクライアント案件を受けれるように法人化を進める
この度は、当財団の「フェニックスプロジェクト」へのご支援、心より感謝申し上げます。
皆様からの3年にわたるご支援は、単年的なものではなく、社会の持続的な発展に不可欠な事業を育む貴重な機会となりました。このご支援があったからこそ、私たちは目先の成果にとらわれず、時間をかけてじっくりと取り組むべき事業に挑戦することができました。
現在、このプロジェクトに賛同するメンバーが集い、事業の基盤を築くことができています。これは、皆様のご支援なくしては実現できませんでした。
この事業が、単なる地域復興に留まらず、日本全国の地域づくりが抱える課題解決の一助となるよう、今後も尽力してまいります。引き続き温かいご声援を賜りますようお願い申し上げます。
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