HAMADOORIフェニックスプロジェクト活動報告:wind&soil(三期生)2025年10月~2026年5月の活動

2026年07月14日

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体制

wind&soil
代表 根本 李安奈      

活動地域

南相馬市小高区

支援期間

2023年06月01日~2026年05月31日

事業内容

全国の多様な文化の自治の実現を目指し、地域に根付く“土の人”と、外から訪れる“風の人”が交わる場づくりを行う人を支援しています。
エンタメ・学び・食を軸に、地域で活用できる“場づくりのコンテンツ”を企画・提供し、それをきっかけに、地域をもっと面白くしたいと自ら動く“共創世代”の創出を目指しています。

起業背景

私は、福島県南相馬市小高区に生まれました。3.11の震災の際に、原発事故に伴う避難指示が5年間出され、だんだんに庭や道は草だらけになり、街が朽ちていく様子を目の当たりにし、風土と文化が消えていく危機感を覚えました。
0になった街なので、避難が解除されても数十%しか住民は戻りません。大きな復興予算でハードが整備されても、本質的に街が生き返るきっかけになっているのか。そんなことを考えていた私が街の息吹を感じたのは、個人単位の小さなチャレンジが始まった時です。何もないからこそ、欲しいものは作ればいい。そんなパッションで新しい事業や取り組みがたくさん生まれてきました。
これまで地域に関わりがなかった人にとっても、何も無くなった土地は新しくチャレンジするのにむしろ最適だったりします。その結果、他の地域にも無いようなプロジェクトがどんどん生まれました。それは、地域に根付く“土の人”と、地域に新しくやってくる“風の人”が“共創”したからです。
“共創”という在り方が、街をよみがえらせる。その姿を間近で経験しました。風と土が豊かな“&”の関係を結ぶこと、共に創ることで、閉塞的な地方を耕すことができます。
都市に人口が集中し、地方都市は単一化され、今後多くの過疎地ではその場所固有の風景が消えていくでしょう。各地の個性が消えるのがとても悲しい。各地の風景を残すためには、「どうせうちの地元なんて」と言わず、地域の個性を活かして楽しみを作る人が大切だと考えます。
その地域のらしさとは? 楽しく暮らせる地域とは? このような問いを大切にしながら、小高の学びを全国に届けることで、多様な人の営みや文化を残すお手伝いをしたいです。

解決したい課題

地方の個性が失われ、単一化していく現状に対し、どのようにしてその地域ならではの文化や風景を守り、豊かな暮らしを創出していくか。

地域へ寄与できること

「シネポッケ」や「インスピレーション⇄キッチン」といったユニークなコンテンツを通じて、地域に新たな風を吹き込み、その個性を守ることに貢献しています。地域外の人々と地域住民をつなぐ「場」を創出する手伝いをすることで、地域本来の食文化や風景、物語に光を当て、その価値を再発見するきっかけを生み出します。この交流は、地域に経済的な活性化をもたらすだけでなく、住民の地域への誇りを育み、コミュニティを強化します。

協力団体、企業等

OWB/秋風舎/図図倉庫/アウトクロップ/劇団 南極/haccoba/marutt、

活動内容

※2025年10月~2026年5月の活動

これまでの活動

■共創コンテンツ事業

共創コンテンツ事業(シネポッケ)
・2024年3月23日:ズットフィルム@図図倉庫  『南極料理人』
・2024年6月8日:ズットフィルム@図図倉庫  『ニュー・シネマ・パラダイス』
・2024年9月21日:ズットフィルム@図図倉庫  『ムーンライズ・キングダム』
・2024年11月2日:ズットフィルム@図図倉庫  『グースFly Away home』
・2025年4月~:共同上映事業「シネポッケ」開始
・2025年11月~:共同上映事業「シネポッケ」サービスリニューアル
・2026年2月2日:西会津×浪江ショートムービー上映会
・2026年3月:映画『山女』上映イベント

共創コンテンツ事業(その他)
・2023年10月21日、22日:南極ゴジラの『地底探検』@南相馬
・2024年7月~9月:シェフ・イン・レジデンス『インスピレーション⇄キッチン』
・2025年9月:シェフ・イン・レジデンス『インスピレーション⇄キッチン』

共創サポート事業
・2023年12月5日:囲炉裏端女子会@秋風舎
・2024年4月20日:haccoba yoiyoi前夜祭
・2025年8月29日:委託事業:野外ショートムービー「ふたばシネマ」
・2025年11月、1月:委託事業 上映者ワークショップ

目標と達成状況

(目標)共創コンテンツ事業:シネポッケ
・2023年:上映と集客の経験を積む
・2024年:配給会社のリサーチと関係会社へのアプローチ
・2025年:複数地域で上映のプロトタイプ
・2026年:サービスの正式リリース
・2027年:サービス利用地域の拡大

➡・アスミック・エースとの契約を実現し、作品ラインナップを大幅に拡充した。
・上映後の対話やワークショップを組み合わせた「上映×対話」の形式を試行し、参加者満足度向上とコミュニティ形成の可能性を確認した。
・長崎県大村市や静岡県など県外からの問い合わせや利用相談も発生し、全国展開の可能性を確認でき、上映リピーター数は目標4社に対して6社となった。

(目標)共創コンテンツ事業:その他
・2023年:地域で求められているコンテンツの検証
・2024年:広報や運営チームの組成をし、安定して運営へ
・2025年:収益性の確保の検証
・2026年:持続可能な運営体制の確保
・2027年:他の地域からもコンテンツの提供の依頼を受ける

➡・2年目の実施を行い、売上のみで運営費を賄うことができた。
・シェフ・イン・レジデンス応援協会アワードを受賞し、全国的な認知向上につながった。
・新聞掲載やNHK取材など複数のメディア露出があり、地域外からの来訪者増加にもつながった。
・コンテンツにまつわる事業を新規委託事業10件程度受託をすることができた。
・法人化が完了

SNSなどのオウンドメディア

メディア露出状況

活動風景

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    2026年3月飯舘『山女』上映イベント
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    2026年3月飯舘『山女』上映イベント
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    2026年1月 小高『シェフ』上映イベント
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    2026年1月 小高『シェフ』上映イベント

事業開始からこれまでの3年間を振り返って

Q.一番心に残った体験・経験は何ですか?

一番心に残っているのは、実施したシェフ・イン・レジデンスや上映会について、イベント当日だけでなく、数か月経ってからも地域の方々に「あのシェフ良かったよね」「あれ楽しかったよね」と声をかけていただけたことです。
参加された方の年代もさまざまで、普段あまり接点のない方々からも感想をいただくことができました。単発のイベントとして終わるのではなく、地域の中に記憶として残り、活力になっていることを実感しました。
また、この3年間で成功だけでなく失敗や試行錯誤も経験しましたが、それらを共に乗り越えてきた仲間と出会えたことも大きな財産です。地域でどのようにプロジェクトを進めれば人に喜んでもらえるのか、その手応えを掴むことができたことが何より印象に残っています。

Q.最も大変だったことを教えてください。

最も大変だったのは、採択者としての責任とプレッシャーでした。
フェニックスプロジェクトは多くの方々の寄付によって成り立っているため、「この貴重なお金を本当に価値ある挑戦に変えられるのか」「無駄にしてしまわないか」という不安は常にありました。特に、自主事業は正解が見えない中で進めることが多く、思うような成果が出ない時期もありました。しかし、その都度立ち止まりながら改善を重ねたことで、事業の可能性や方向性を見出すことができました。このプレッシャーがあったからこそ、本気で事業と向き合うことができたと思います。

Q.もしこの起業家応援を活用していなかった場合、どのように起業していましたか?もしくは起業していなかった場合、どのような方法で浜通りに関わっていたと思いますか?

県や市の創業支援制度や補助金の活用を検討していたと思います。また、何らかの形で近いような挑戦は続けていたと思います。

Q.今後の課題に感じていることなどあれば教えてください。

まだ組織としての体力や経営基盤は十分とは言えず、安定した事業運営については引き続き課題があります。
一方で、この3年間を通じて、自分たちが提供できる価値や進むべき方向性は明確になりましたので、これからはしっかり走っていきたいと思っています。

Q.財団に伝えたいことがあれば自由に記入ください。

3年間、本当にありがとうございました。フェニックスプロジェクトを通じて、事業づくりだけでなく、自分自身の考え方や地域との向き合い方も大きく成長することができました。また、多くの挑戦者や地域の実践者と出会い、自分たちだけでは得られなかった視点や学びを得ることができました。現在の活動の土台になっているものの多くは、この期間に得た経験によるものだと感じています。これからは、この3年間で得た学びを地域経済や地域社会へ還元し、浜通りから新しい価値を生み出していけるよう取り組んでまいります。改めまして、長期間にわたり挑戦を支えていただき、本当にありがとうございました。

寄付者へのメッセージ

この度は、「フェニックスプロジェクト」を通じて温かいご支援をいただき、誠にありがとうございました。
本年度は、小規模上映事業「シネポッケ」やシェフ・イン・レジデンス事業「インスピレーション⇄キッチン」などの自主事業に取り組み、その可能性を検証することができました。
その結果、地域での文化的な生活を生み出すきっかけづくりに貢献することができました。また、全国の人口減少地域で同じような課題に向き合いながら活動する仲間ともつながり、新たなネットワークを築くことができました。
さらに、法人化を実現し、地域内外の多くの方々との協働を進める基盤を整えることができました。これらは、複数年にわたり挑戦を支えていただいた皆様のご支援があったからこそ実現できた成果です。
地域を面白くすることで、若い世代にとっても地域が「住む選択肢」となるよう、これからも文化的な面白さを探究し、提供し続けてまいります。
この事業が、単なる地域復興に留まらず、日本全国の地域づくりが抱える課題解決の一助となるよう、今後も尽力してまいります。引き続き温かいご声援を賜りますようお願い申し上げます。

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