東北「夢」応援プログラム川崎憲次郎マイスターインタビュー「目標へどうやって辿りつけるか、逆算できるような考え方を身に着けてほしい」

2016年08月12日

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今回のプログラムに賛同された理由を教えてください

 もともと、震災直後から東北へ足を運び、野球教室などを行っていました。昨年はMLBから声がかかり、石巻でベースボールクリニックも実施しました。今回のお話があったときも、できることはやっていきたい、という気持ちでした。

 

これまで開催されてきた一日限定の野球教室と比べ、今回のプログラムは一年もの間継続する遠隔指導です。どういう点に共感していただいたのでしょうか

 夢応援プログラムというタイトルにもある通り、子どもたちの夢を叶えるきっかけになればいいな、と思いました。
 また、インターネットを使った遠隔指導をやってきた人はあまりいないのではないか、と思うんです。新たな取り組みを通じた野球教室ができて、かつそれが将来の夢をつかめるきっかけになってくれればと思っています。

 

子どもたちが夢を持つことについてどうお考えですか。夢を持つことは、将来どういう影響を与えるのでしょうか

 早いうちから夢や目標の設定をしてほしい、と思っています。自分は小学校の頃から野球選手になることしか考えていなくて、というよりそれしかないと強く思い込んでいました。
 時間は限られているし、決められた時間をどう使っていくか、ということを考えると、早めに目標を設定しておくのが大切だと思います。
 自分は、プロ野球選手になるためには、どう過ごせば良いか、日々逆算していました。プロになるには甲子園で優勝して、とか甲子園に出るにはどこの高校へ行けばいいか、その高校に行くには…という風に決めていました。
 まず目標があって、その目標へどうやって辿り着けるか、逆算できるような考え方ができるようになってほしいですね。

 

子どもの頃から夢へ向けて逆算する、ということが自然とできていらっしゃったんですか

 できていたんでしょうね。子どもの頃は意識していなかったんですけど…。プロ野球選手になる夢が叶って、一休みしてから、そのことに気づいたというか、分かってきたんです。

 

逆算してその都度設定する目標は、具体的なものだったのでしょうか

 とても具体的でした。ぼやっとした目標だと、そこへの道のりもぼやっとしてしまいます。具体的な方が、するべきことも分かりやすい。だから、目標は具体的な方が良いんです。

 

ピッチングフォームを指導

 

川崎さんご自身は、どうしてひとつの夢を追い続けられたのだと思いますか。また継続できる秘訣は何でしょうか。

 好きだからということと、人より得意だったからでしょうね。これだけは負けたくないって思っていました。単純に、好きだった。当時はサッカーもJリーグもなくて、野球しかなかった。プロ野球選手は花型でしたから。
 続ける秘訣は面白味を見つけることだと思います。僕は小学生のときに野球の楽しさを教えてもらって、だから続けてこられた。算数の面白さは分からなかったから、ダメでした。興味を持てることを見つけられれば、次につながるんだと思います。

 

夢の達成を目指すほか、野球を続けること、目標に向けて努力することから学んでほしいことはありますか。

 野球を続けていると、きついことをたくさん経験できるんです。練習がきつい、先輩がきついとか、試合に負けて味わうつらさなど、色々な経験ができます。
 僕が子どもによく言うのは、「なんぼでも失敗せぇ」ということ。失敗することによって這い上がる力、立ち直る方法が身に付きます。失敗を成功に変える方法を見つけてほしいんです。良い思いをするのも大事ですが、成功したらわぁっと喜んでおしまい。ネガティブな経験は真剣に考えざるを得ないし、そこから学ぶことができます。

 

夢応援プログラムへ参加する、東北の子どもたちへのメッセージをお願いします

 これからまだ長い付き合いになるけれども、どうすれば理想に近づくか、自分自身がどうなりたいかを、まずは決めてほしい。指導の内容に間違いはない、これは自信があります。ただ、そのやり方がひとりひとりに合うかどうか、はまだ分かりません。僕の言ったことを、どう自分のものにできるかは、本人次第だと思います。まずは、言われたままにするのではなく、自分で考えること、そして動くことを学んでほしいです。

 

活動風景

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    生徒より提出された課題に対しフィードバックを行う
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    ピッチングフォームを指導

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