子どもサポート基金 2016年度NPO法人にじいろクレヨン

2018年09月13日

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住宅地の集会場などにおける子どもの居場所づくり活動

復興住宅へ移転した地域住民と子どもたちが互いに見守り合う「子どもを中心においたコミュニティ」作りを行う。
子どもたちが安心して遊べる「遊びのひろば」とアートを活用したワークショップやお茶会を通して参加者の交流を深める。
活動は、初年度1ヵ所から始め5年後には4ヵ所で行う。
活動報告書を作成する。

基本情報

活動期間
2016年4月1日~2017年3月31日
活動地域
宮城県石巻市
支援人数
1206名
活動人数
スタッフ7名、ボランティアのべ153名
連携団体
  • 一般社団法人プレーワーカーズ(遊びの広場づくり)
  • 特定非営利活動法人コドモ
  • ワカモノまちing(遊びの広場づくり)

写真

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活動の背景・内容

活動の背景

現在、仮設住宅から復興住宅への大規模移転に伴い自治体によるコミュニティ作りが始まっているが、高齢者福祉に重点を置いたものがほとんどである。
度重なる引っ越しや転校など、大きな環境変化による不安を感じている子どもたちにとって、家庭や学校以外で安心して過ごすことの出来る居場所や遊び場が必要だと感じている。
また、地域に根ざした子どもの居場所を地域住民とともに作り上げていくことがきっかけとなり、住民同士が互いを認めあい、つながる機会が生まれ、子どもを中心に置いた豊かなコミュニティが構築されていくと考える。

活動の内容

4月の活動

活動I(屋内・外複合型)
日程・開催回数 6日(水)、13日(水)・2回
参加人数 子ども19名大人9名
内容 プレーパーク(遊びのひろば)
活動の様子

子どもがのびのびと遊んでいる様子が見受けられた。公園のゴミ拾いを行うことで、通りすがりの住民とかかわることが出来た。

団地会会長への挨拶

挨拶や鍵の引き渡しの機会を活用して、活動内容を共有し、住居人数、チラシの配布方法など情報交換することが出来た。

5月の活動

活動I(屋内・外複合型)
日程・開催回数 18日(水)・1回
参加人数 子ども12名、大人31名
内容 プレーパーク(遊びのひろば)
活動の様子

少しずつ顔見知りの子どもと住民とのかかわりが増えてきたが、天候に恵まれず、参加者は少なかった。

6月の活動

活動I(屋内・外複合型)
日程・開催回数 5日(日)・1回
参加人数 子ども33人名大人19名
場所 新立野第2復興公営住宅
内容 遊びのひろば
アート活動(モザイクアート)
お茶会
サロン
活動の様子

全体的にゆったりとしていた。これまで住民・子どもと共に作ってきたモザイクアートが完成したことにより、一体感が生まれた。

活動II(屋外型)
日程・開催回数 1日(水)、22日(水)・2回
参加人数 子ども27名大人23名
内容 プレーパーク(遊びのひろば)
活動の様子

参加者と自団体スタッフ間で顔と名前が少しずつ一致してきており、子どもも保護者も安心して過ごしているように感じられた。また、住民が準備や掃除を手伝う場面も見受けられ、少しずつ輪が広がってきている。

7月の活動

活動I(屋内・外複合型)
日程・開催回数 10日(日)・1回
参加人数 子ども22人名大人26名
場所 新立野第2復興公営住宅
内容 遊びのひろば
アート活動(プラ板でキーホルダーづくり)
お茶会
サロン
活動の様子

アートワークショップを通して子どもと大人の交流が多くみられた。大人の子どもへの関わり方も肯定的で、「子どもの声があると良い」との声があった。

活動II(屋外型)
日程・開催回数 13日(水)、20日(水)・2回
参加人数 子ども34名大人29名
内容 プレーパーク(遊びのひろば)
活動の様子

子どもと保護者が毎回楽しみにしているようで、顔なじみの参加者が増えてきた。「遊ぶ場所・人が不足しているため、こういった活動があると助かる」との声があった。

8月の活動

活動I(屋内・外複合型)
日程・開催回数 7日(日)・1回
参加人数 子ども38名大人35名
場所 復興公営住宅
内容 夏祭り手伝い
水ヨーヨー、金魚すくい、フランクフルト、王様じゃんけん、ポップコーン、綿菓子、わなげ
活動の様子

団地会会長様より夏祭りの手伝いの依頼があった。集会所内で子どもの遊び場の開催や露店の手伝いを行い、顔の知らない子どもとその保護者が遊び場を通してつながる機会となっていた。住民主体のイベントの手伝いや子ども対応を通して団地会との信頼関係や一体感を築くことができた。

活動II(屋外型)
日程・開催回数 2日(火)、3日(水)・2回
参加人数 子ども38名大人35名
内容 プレーパーク(遊びのひろば)
活動の様子

学区が違う子ども同士が、プレーパークを通じてつながっていく様子が見られた。また、近隣復興公営住宅に住んでいる子ども同士も顔の見える関係性になっていた。保護者の間でも口コミで広まってきており、常連だけではなく新規の親子も来るようになった。

9月の活動

活動I(屋内・外複合型)
日程・開催回数 11日(日)・1回
参加人数 子ども16人名大人25名
場所 新立野第2復興公営住宅
内容 遊びのひろば
アート活動(モビール・のぼりづくり)
お茶会
サロン
活動の様子

顔なじみの住民・子どもの参加が見られ、活動が少しずつ定着してきている。プレーパークに参加している子どもや住民の参加も多く見られ、プレーパークでの関係性作りが大きく影響してきていることが分かった。また、「次回はブローチづくりをやりたい」などの住民からの発言も見られ、徐々に子ども・住民の主体性が感じられる。

活動II(屋外型)
日程・開催回数 14日(水)、21日(水)・2回
参加人数 子ども46名、大人50名
内容 プレーパーク(遊びのひろば)
活動の様子

主に小学生の参加が多かったが、中学生の参加も少しずつ増えてきており、幅広い年齢層の子どもたちの居場所となりつつあるように感じた。地域住民との関わりも定着してきており、住民から「今までは名前すら知らなかったが、何という名前なの?」「どういった会社なの?」という発言が見受けられ、認知だけではなく少しずつ住民から自団体への興味・関心が感じられるようになった。

10月の活動

活動I(屋内・外複合型)
日程・開催回数 9日(日)・1回
参加人数 子ども4人名大人16名
場所 新立野第2復興公営住宅
内容 遊びのひろば
アート活動(モビール)
お茶会
サロン
ご飯作り
活動の様子

当月からお昼ご飯を有志で一緒に作って食べる時間を設けたところ、和やかな雰囲気の中子どもも大人も過ごしている様子が伺えた。一緒に食べることを通じて、子どもと大人のかかわりが見られた。中には見知らぬ子どものお昼ご飯代を出す住民もおり、少しずつ常連の子どもと大人同士が顔見知りになっていくのを感じることが出来た。

活動II(屋外型)
日程・開催回数 5日(水)、12日(水)・2回
参加人数 子ども33名、大人27名
内容 プレーパーク(遊びのひろば)
活動の様子

いつも散歩に来ている住民が、プレーパークに遊びに来ている子どもにお菓子や飲み物を差し入れており、少しずつお互いを認識している姿が見受けられた。また、片付けを積極的に手伝う住民の姿も見られ、徐々に一緒に作り上げていく場となってきている。

11月の活動

活動I(屋内・外複合型)
日程・開催回数 13日(日)・1回
参加人数 子ども36人名大人41名
場所 新立野第1復興公営住宅
内容 遊びのひろば
アート活動(焼き杉・陶芸)
お茶会
サロン
活動の様子

会場がダブルブッキングの為、急遽別の会場となったが、新しい住民との出会いがありいつも以上の参加者があった。天気もよく、住民が花植えをしているところへ子どもと参加したり、住民と子どもがつながる機会も出来た。また、アートコーナーではバーナーで杉に焼き目をつけたりと屋外で開放的な環境の中製作に取り組んだ。満足げに持って帰っている様子が見られた。

活動II(屋外型)
日程・開催回数 2日(水)、9日(水)・2回
参加人数 子ども65名、大人30名
内容 プレーパーク(遊びのひろば)
活動の様子

少しずつ寒くなってきたため、遊具近くで開催していたのを東屋付近に移動をした。そこでお話をしていた住民さんと子どもたちが共に過ごすことが出来た。また、未就学児の保護者が小学生と遊んだり、参加している中学生が未就学児と遊んだりと様々な年齢層のかかわりがみられた。

12月の活動

活動I(屋内・外複合型)
日程・開催回数 11日(日)・1回
参加人数 子ども21人名大人65名
場所 新立野第2復興公営住宅
内容 遊びのひろば
アート活動(モザイクコースター作り、クリスマスカード作り)
お茶会
サロン
活動の様子

活動II(屋外型)
日程・開催回数 7日(水)、14日(水)・2回
参加人数 子ども18名、大人22名
内容 プレーパーク(遊びのひろば)
活動の様子

寒くなってきたこともあり、参加者数が少ないが思い思いに楽しく過ごしている姿が見られた。参加している子どもが積極的に片づけを手伝ったり姿も見られ、触発された保護者も一緒になって片付けに取り組んでいた。

クリスマス会参加
日程・開催回数 23日(木)10:00~13:00・1回
参加人数 子ども8名、大人5名
内容 プレーパーク(遊びのひろば)
活動の様子

復興公営住宅に住む子育て世代の母親が主催をするクリスマス会に参加。飾り付けをしたり、食事をしたりと楽しく過ごすことが出来た。

1月の活動

活動I(屋内・外複合型)
日程・開催回数 15日(日)・1回
参加人数 子ども10名大人14名
場所 新立野第2復興公営住宅
内容 遊びのひろば
アート活動(風車製作、モザイクアート)
お茶会
サロン
活動の様子

常連の住民が引き続き参加しており、家でのお茶っこ会や本事業でのお茶会などを通して仲良くなった住民同士が上手く活用しているようだった。また、前月の活動のアートコーナーで作った作品を「飾ってますよ」と嬉しそうに話す様子も見られた。また、お昼ご飯作りを通して「家で一人で食べてもつまらないから」「みんなで食べるとおいしいね」などリアルな復興公営住宅に住む住民の声を聴くことが出来た。

活動II(屋外型)
日程・開催回数 11日(水)、18日(水)・2回
参加人数 子ども15名、大人19名
内容 プレーパーク(遊びのひろば)
活動の様子

暖かい日が続き、住民と話をしたり年明けの挨拶をすることが出来た。復興公営住宅から引っ越した子どもやその保護者からも「引っ越しても来たい」「活動カレンダーがほしい」といった声があり、これまでの関係性を感じると共に遊びのひろばの必要性も感じることが出来た。

2月の活動

活動I(屋内・外複合型)
日程・開催回数 12日(日)・1回
参加人数 子ども5人名大人10名
場所 新立野第2復興公営住宅
内容 遊びのひろば
アート活動(モザイクアート)
お茶会
サロン
活動の様子

住民と子どもが一緒に遊ぶ姿が多く見られた。的当てやオセロなど共通して楽しめる遊びがきっかけで大人と子どもがつながる瞬間がうまれたと考えられる。そういったこともあり、子どもが大人へ挨拶をしたり話しかける姿が見られるようになってきた。

活動II(屋外型)
日程・開催回数 1日(水)、8日(水)・2回
参加人数 子ども21名、大人30名
内容 プレーパーク(遊びのひろば)
活動の様子

遠方から息抜きに遊びに来てくれる親子がいたりと、周辺の復興公営住宅や戸建てだけではなく広範囲にわたる参加者が増えてきた。また、活動の様子を見た地域住民が「これを使うといいよ」と言って竹や廃材を持ってきてくださったりと、自然に交流が生まれている。

3月の活動

活動I(屋内・外複合型)
日程・開催回数 12日(日)・1回
参加人数 子ども66人名大人27名
場所 新立野第2復興公営住宅
内容 遊びのひろば
アート活動(切り絵、モザイクアート)
お茶会
サロン
活動の様子

子ども、大人共に多くの参加があり全体的に穏やかに住民や子どもが主体となって進んでいった。スタッフが介入しなくても自然と住民と子どものかかわりが生まれていた。「子どもが楽しそうに遊んでいるのはいいね」との声も聞くことがあった。

活動II(屋外型)
日程・開催回数 1日(水)、2日(木)・2回
参加人数 子ども19名、大人12名
内容 プレーパーク(遊びのひろば)
活動の様子

風が強い日が続いていたところ、遊びのひろばを開催しているのを見かねた会長が「使っていいよ」と声をかけてくださった。集会所で活動を行っていると住民の方が集まってきて一緒に子どもたちと卓球を楽しむ姿も見られた。このことから、子どもたちの中で集会所を使ってもよいといった認識が出来、集会所に足を運ぶようになった。当団体が活動をしなくても住民と子どもがお菓子を一緒に食べたり遊んだという報告を子どもや住民から聞くことがあった。少しずつ顔の見える関係が出来ているのを感じた。

活動の成果

定量的な成果

  • 蛇田地区の復興住宅で遊びの広場をサロン同時開催分12回も含めて36回開催した。子どもがのべ606人、大人がのべ600人参加した。子どもの参加は目標を下回ったが、遊びの広場への大人の参加が多く、地域での見守り環境への切っ掛けになっていると思われる。
  • 地区復興公営住宅において、子どもを見守るネットワークなどが10組以上構築される。目標を達成し、目標以上に子どもを見守るネットワークが構築されている。
  • 石巻子どもネットワーク会議を1回開催。予定通りネットワーク会議を行い、情報共有できた。

活動に対する支援対象者(受援者)からの声など

  • 60代女性「一人で家で食べても何も味がしないけど、みんなで食べると美味しいね」
  • 70代男性「ここに来てお茶っこ飲むといやな事も忘れられる」
  • 80代男性「カラオケの練習があったけど、お茶っこ会に来たかったから休んだ」
  • 小学生「学校とかじゃ出来ないことが出来るから楽しい」(アートコーナーで製作した後)

寄付者へのメッセージ

寄付をしていただいた皆様のおかげで1年間、石巻市、仙台市における子どもや地域住民のために活動を継続して行うことが出来ました。ありがとうございます。
復興公営住宅や自立再建など移転が大きく進んだ1年でしたが、仮設住宅へ入居した際にも課題となっていた「顔の見えないコミュニティ」が再度課題となっています。
当団体では、仮設住宅での経験を通して新しいコミュニティが形成されるまでの約5年間継続して子どもたち、地域住民の皆さんと地域で子どもを見守るコミュニティ作りのお手伝いをしていきたいと考えております。
引き続き皆様のご支援宜しくお願い致します。

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