子どもサポート基金 子どもサポート基金特定非営利活動法人 ふよう土2100

2015年07月23日

20150326_131716.jpg

郡山地区の障がい児のための生活サポート事業

被災した障がい児の生活サポートプロジェクトを実施するために、「交流サロンひかり」で障がい児の一時預かりを実施し、障がい児の生活サポートに努める。

基本情報

活動期間
平成26年10月~27年3月
活動地域
福島県郡山市、田村郡三春町、須賀川市
支援人数
500名
活動人数
スタッフ5名、ボランティア10名
連携団体
  • NPO法人JIN
  • 社会福祉法人 安積愛育園
  • JDF被災地障がい者支援センターふくしま

写真

  • できるかな.jpg
    活動風景①
  • 20141128_161839.jpg
    活動風景②
  • image1 (2).JPG
    活動風景③

活動の背景・内容

活動の背景

郡山市内の養護学校にはあぶくま養護学校550人、郡山養護学校180人、福島県立聾学校100人、須賀川養護学校郡山分校に10人、合計約840人の子どもたちが通っています。郡山市内の特別支援学級に通う子どもたちを含めるとその数はさらに増加します。12か所、定員230人の児童ディサービス施設があるものの、特に中学生・高校生の障がい者を預かる施設は少なく、その現状はこの1年間変わっておりません。さらに深刻なのは、重症心身障がい児デイサービスは、30万人都市である郡山市に一か所もないのです。実際に利用しても、複数の箇所を掛け持ちするケースが多く、利用する子供の精神的負担も大きい。

利用希望者も多いため、放課後の日中一時預かりを利用するとなると、既存の施設だけでは、複数の施設を利用させざるを得ない環境が続いている。環境の変化に戸惑う自閉症やアスペルガー症候群などの発達障がいの子どもたちは少なくない。障がいを持つ子供たちがいつでも気軽に利用できる放課後一時預かりの場所の整備が急務です。 そして、子どもたちの個性に応じて、時間をかけて子どもたちができることを一つ一つ積み重ねていく。普通学校に通う子どもたちと同じように買い物することの楽しさ、外で遊ぶことの楽しさ、モノづくりをする楽しさなどなどひとりひとりが輝く空間、環境づくりに努めることによって、障がいのある子どもたちが自分自身がしっかりと認められ、自分ができることを増やしていく環境を整備する。

活動の内容

■交流サロンひかり運営 平成26年10月~27年3月

「交流サロンひかり」内で障がい児の一時預かりを実施し、障がい者家族の生活支援に努める。

(預かり時間・9:00~18:00   年末年始休み)

定員も1日5人から6人に増員して、実施。そして利用者のニーズが高い冬休み期間は1日8人まで日中預かり支援を実施し、安心して障がい児が過ごせる場所の提供に努める。

 事業期間中、延べ430人 の障がい児とその家族が利用

■体験学習活動「みちくさブラブラ探検隊」の実施

10月6日  芋煮会 薫公民館 障がい児とその家族18人が参加 

11月16日 きりたんぽ鍋体験会 交流サロンひかり 障がい児とその家族15人が参加

 秋田県鹿角市からボランティア3人が本場の秋田きりたんぽの食材を準備し、交流サロンひかりにきて、子どもたちにきりたんぽの作り方やきりたんぽ鍋を食べて、交流を深めた。

12月24日 クリスマス 交流サロンひかり 障がい児とその9人家族が参加。

3月9日 キンボール体験会 郡山市障害者福祉センター 

 伊達市で発達障害の子どもたちの学習支援に取り組んでいるNPO法人みんなのひろばの齋藤大介理事長が講師を務め、普段なかなか体を動かす機会が限られている子どもたちのためにキンボールの体験教室を開いた。

 障がい児とその家族、ボランティアを含め、総勢40人が参加。

3月26日 ハイジの里山いわき自然体験 いわき市大久町のハイジの里山を訪問。山登りや収穫体験。フラワーアレジメントを楽しんだ。障がい児とその家族、ボランティアを含め、総勢8人が参加。

■支援相談会の実施

 郡山市池ノ台に開設した「交流サロンひかり相談室」で、自閉症やアスペルガー症候群のお子さんを育てる保護者の方々が抱える悩み相談、なんでも話し合える障がい児家族の交流スペースを開放した。

10月20日 NPO法人MMサポートセンター理事長 谷地ミヨ子さんを招き、研修会開催 

  自閉症や発達障害の子どもを育てる2家族が個別相談を行った。

11月30日 NPO法人にじのこ理事長 松平みえさん、NPO法人JIN理事長 川村博さんの2名を講師に迎え、講演会を実施。障がい児家族や支援者が30人が参加。

3月3日 郡山市民交流プラザで支援相談会の開催 アスペルガー症候群の子どもを育てる1家族が参加。

■WEBページによる情報発信

 交流サロンひかり専用WEBページで活動状況を発信。事業期間中、CANPANブログは220回更新し、活動状況を発信した。

活動の成果

①・対象者 養護学校や特別支援学級に通う小学生、中学生、高校生。

 ・利用者数 延べ500人(定期利用8名、不定期利用10名)

 ・具体的な声

「交流サロンひかりの時も助かったけど、放課後等デイサービスもできたから、本当に助かっています」(利用者家族)

「ひかりにいると、ほかの事業所では見せない元気な姿なので、驚いています。おとなしい子がほかの子とわいわい楽しくやっている姿を見ると成長を感じます」(利用者家族)

「ひかりにくると、みんな優しいから楽しい」(子ども)

②・対象者 障がい児とその家族(兄弟も含む)

・利用者数 延べ90人

・具体的な声

 「芋煮会でカレーをつくれて、楽しかった」(利用者本人)

「キンボールは意外と動くスポーツで面白かった。またやってみたい」(利用者本人)

 「偏食が激しい息子なのに、きりたんぽ鍋を食べてるからびっくりした。以前は人が多くなると、興奮して自傷行為も多かったけど、だんだん慣れてきて、みんなと一緒にいれる時間も長くなってきて、よかった」(利用者家族)

③・対象者 就労先に悩む障がい者とその家族や就職後の職場環境に悩みを抱える障がい者やその家族。養護学校や特別支援学級に通う中学生、高校生に加えて、成人男性や成人女性も利用。

 ・利用者数 延べ180名(定期相談者7名、不定期相談者10名) 1人の男性はほぼ毎日、電話して相談するケースもある。

 ・具体的な声

 「何度も支援してもらったおかげで、養護学校から郡山駅まで1人でバスに乗れるようになりました。根気強くいろいろ関わってくれて、ありがとうございます」(利用者家族)

 「絵カードだと無理に子供に選ばせている感じだったけど、谷地さんの話を聞いて自閉症や発達障害の子どもでもその子の自発性を大事にすることが大切だと気付きました」(利用者家族)

寄付者へのメッセージ

みなさま方の温かいご支援のおかげで、利用する子供たちの安全・安心な場所を提供することができています。寄付者のみなさま、お一人お一人に改めて御礼申し上げます。自閉症で言葉がうまく発することができないお子さんも、アスペルガー症候群で落ち着いて椅子に座っていることができないお子さんも、一人ひとりと向き合っていると、日々の成長がみられ、子どもたちの笑顔に未来の福島の希望を感じることが絶えません。もう震災から4年が経過し、震災直後は3歳だったお子さんが小学1年となりました。当時は外遊びがままならなかったお子さんたちが、少しでも体力を伸ばせるように工夫を凝らしていきたいと思いますので、これからも当団体の活動を温かく見守っていてもらえれば幸いです。

子どもサポート基金 子どもサポート基金 活動レポート一覧 子どもサポート基金 活動レポート一覧 活動レポート トップページ 子どもサポート基金 活動紹介