子どもサポート基金 2012年度第3期ハート&アート空間ビーアイ

2013年06月25日

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福島県や宮城県南から避難移住されている方への情報提供と交流支援サロン「ふくしまほっこりカフェ」

震災・原発事故の影響により、福島県や宮城県南から仙台市周辺に避難して来られた親子を対象に週1回のペースでカフェを開き、なかなか話題にしにくい放射能不安や食の話、子育ての話などを気軽にやりとりできるような時間と場所を提供する。また参加者のニーズに寄り添いながら企画をたて、ゆくゆくは参加者が主体的に運営していけるようサポートしていく。

基本情報

活動地域
宮城県仙台市
活動人数
120名

写真

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    お絵かきって楽しいなぁ~、のひとこま
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    ママと一緒に楽しく花を活けて

活動の背景・内容

活動の内容

【活動の背景】
震災・福島第1原発事故の影響を受け、強制避難や自主避難で福島県から宮城県に避難移住してきた人は2000人以上。事故直後は遠方に避難した人たちも家族としてのかたちを維持するのは精いっぱいと、福島と行き来できる仙台圏に移住してきた。自分と同じような境遇の人と話したい・出会いたいと願っても、どこにどんな人がいるのかわからない状況で、先の見えない不安を抱えていた。またなれない避難先で戸惑っている様子もうかがえた。これらの人たちにゆっくり気軽に話ができる時間と場所を提供し、仙台圏の地域情報・子育て情報を手渡し、話をきくことで不安の軽減につなげ、ゆくゆくは自立していけるよう支援していく。

【活動内容】
毎週火曜日10:00~と時間を決めて「ふくしまほっこりカフェ」を実施した。お茶とお菓子を囲んで話をする時間だけでなく、講師を招いてヨガなど体を動かす機会をつくり、フラワーアレンジ、料理を作って食べる会、手芸やアート制作等おしゃべりしながら手を動かすプログラムも行なった。ラフターヨガ、ツボ押し、ダンスなど体を動かす会は気分転換にもなると好評だった。また、ジャグリングや南京玉すだれを見せていただき、やり方を教わったり、参加者の弾き語りコンサートなども行なった。外にでかけていく機会もつくり、街中にでかけたり、食事をする回もあった。フリーマーケットも2回開催し、地元の支援団体や子育てグループと交流することができた。

活動の成果

定例でカフェの開催を継続してきたことは意味があったと思う。その日来られなくても「火曜日の午前中、そこに行けば聞いてくれる人がいる、一緒に過ごせる人がいる」と思うだけで、不安を抱えた避難移住者にとっては心の拠り所になったようだ。遠方で来れない方からも「ぜひ続けて下さい」とエールをいただいている。

はじめは乳幼児と母親の参加を想定していたが、逆に就学年齢に達した子供を持つママが、日中子どもを送り出した後、行くところや出会える人がいないということがわかった。「こういうところを探していたんです」と遠くから訪ねてこられる方もあり、こういう時間と場所の必要性を感じている。また、ビーアイがもともと持っているスキルを生かし、ミラクルボタンフラワーの制作や料理など手を動かしながら気持ちをほぐしていく時間も作れた。当初は傾聴のみで、参加者がどうしたいか主体的な希望は出てこなかったが、参加回数を重ね、1年近くたち、ゆったりほっこりできる場所、安心して話せる場所なんだとわかり、スタッフとの信頼関係が出来たところで、ようやく震災後の痛みや悩みが言葉として出てくるようになってきている。

事業開始時と状況は変わってきており、福島県に戻る選択をされる方、仙台へ定住を決める方も出てきた。いつまで宮城にいていつ福島へ戻るか、決まっていない状況の中で、宮城の人たちと交友関係を作っていくのが困難な様子も見受けられる。その判断にどう寄り添っていくか課題であるが、今後もほっこりカフェの事業を継続し、参加者から出てきた要望へのサポートや、情報とスペースの提供をしていきたいと考えている。

 

【寄付者へのメッセージ】
ご支援、ありがとうございます。放射能被害は目に見えないだけに、不安は増長され、孤立したり、被害妄想になったり、些細な差異で仲間割れしてしまったり、と建物の倒壊等とは違った脅威の中で、皆さんギリギリのところで日々を過ごしているのを感じます。物的支援以上に心の面でのケアが、これからますます必要だと思われます。息の長いご支援をお願いいたします。

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