子どもサポート基金 2012年度第3期特定非営利活動法人ハイビスカス

2013年06月27日

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宮城県石巻市における一時保育および子育て環境支援事業

保育サービス機能が不足している石巻市において、一時保育や子育て支援活動を行うことで、子どもと保護者の育児環境の改善、家庭の援助、石巻市の子どもたちを取り巻く環境をより一層整え、子どもたちと保護者、また地域全体の、生活の再建・再構築を支援していくことを目的とする。週4日~5日、一時保育・月極め保育を行った。一日8名程度の利用があり、のべ594人の子どもが保育利用した。認可外保育施設基準を満たしているとして宮城県の運営許可を得、スタッフもベテランの保育士であったため、保護者の方々に安心感を持っていただいた。子育て支援では宮城県内の支援団体との連携を取り、体操や歌遊び、毎月の誕生日会などのイベントを行った。大人212人、子ども215人が参加した。

基本情報

活動地域
宮城県石巻市
活動人数
200名

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活動の背景・内容

活動の内容

【活動の背景】
居住するところから近い場所で預けたい、仕事がないので公的な保育要件に当てはまらないが一時保育を利用したい、祖父母が孫を預かっているが同年代の子どもと遊ばせてあげたい、就職を考えているので預け先を探している、下の子どもが生まれるので上の子は一時保育を利用したい、などの要望に応え、一時保育のニーズがありながらも、公的な一時保育サービスの受け皿は少ない地区だった。子どもの精神的ストレスが家庭内では見えにくい状況もあり、ボランティア等による断片的な支援ではなく、専門職による安定した保育が必要とされていたため、専門職による一時保育を実施した。

また、保護者の育児ストレスや育児不安、仮設住宅という特殊な生活環境からくるストレスも大きいとの課題があったため、仮設住宅の集会所などにて子育て支援のイベントを行い、家庭でもできる遊びの伝達、季節のイベントを行い、コミュニティの再構築の一助となり、ストレス解消等に寄与した。一方で、住民主体の団体による同様のイベントも増えてきたため、一時保育に比重を置いて広報を行った。

【活動の内容】
1、一時保育 兼 事務所の運営 (平成24年10月1日から平成25年3月31日まで)
<場所>石巻市新成2丁目1番地7サンプレス新成105号
<日時>月・火・木・金。平成25年1月から土曜日も希望があれば保育を行った。
<内容>就学前の子どもを対象とした一時保育・育児相談
<定員>10名/1日 
<対象> 4か月~就学前
<保育料>500円/h 月極め保育は別途料金表を設けた。
<スタッフ>主任:花形香   保育補助:高橋和美、武山恵美

2、子育て支援事業 (平成24年10月3日から平成25年3月27日まで)
週に1回(水)サロン活動を行う。子育て家庭が集ってコミュニケーションを図ったり、仮設住宅内の環境でもストレスなく子育てができるアイデアや遊びを伝え、保育士による子育て相談を受けることで、育児ストレスを軽減し、新しいコミュニティの形成に貢献した。

<場所> 石巻市開成仮設住宅地区・蛇田公民館・女川公民館など
<日時>週1日 10:00~12:00
<内容>バルーンアート、人形劇、歌遊び、工作や体操、クッキング、プール遊び、誕生会など

3、連携・協力 (平成24年10月1日から平成25年3月31日まで)
・月1回程度、開成ボランティア会議に参加し、地域の状況や課題を共有した。また、各支援団体のイベントなどに保育士を派遣し、保育活動を行うことで、被災既存園の負担軽減に貢献し、イベントでの子どもたちへの働きかけ・援助を行った。

・保育の中で福祉行政につなげる必要があるケースについて、保健所の保健師や、福祉事務所、行政の担当者、他NPOとの情報交換をした。また、DVや虐待等が疑われる場合があったため、警察へ連絡したケースもあった。

4、活動のモデル化に関わる会議 (4回)
事業の進捗やマネジメントを見える化し、被災地域において子どもたちのケアをスムーズに行うための支援団体としてのノウハウを蓄積するための会議を行い、京都の本部と、石巻市の現地側での役割分担や意思決定、体制作り、ルールの策定などを行った。

活動の成果

当該地区には、一時保育を行っている施設は少ないため、通院や家の片づけ・引越しに伴う短時間の利用が多くあった。また、年明けには就労のために利用する保護者が増えたため、月極め保育料金を設定した。サービス業や水産業に就くケースが見られた。
支援イベントの実施地区を女川町まで広げた。一時保育の広報も成果があり女川町の子どもたちも保育利用できた。

保護者からの声
「(震災以降、情緒不安定で夜間徘徊などがあり眠れない子だったが、)また〇〇が笑えるようになったのはちるぴよの先生たちのおかげです」
「他の育児サークルへ行っても、ちるぴよで出会った保護者同士は仲が良く、居心地がよく感じます」
「仮設では遊び場がないので、本当に助かりました」

 

【寄付者へのメッセージ】
ご支援を頂戴し、心より御礼申し上げます。この地区に、ちるぴよがあるから一歩を踏み出せた、という利用者が増えています。震災後2年を経過しましたが、子どもたちが笑顔になれる環境を作っていくことが、復興と、日本全体の未来につながるものと考えます。今後は、住民主体の活動や事業への引き継ぎを含め、行政との連携をしつつ、より良い方向に向かって邁進してまいります。引き続き、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

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