2013年07月13日
震災からの復興の担い手を育てるOECD東北スクールの取り組み
本プロジェクトは、大震災からの復興の担い手を育成するために、3県の中高生100人と引率教員のプロジェクトであり、2014年8月にパリから東北の復興を世界にアピールするイベントを自分たちの力で作り上げるプロジェクト学習でもある。地域間で交流しあい、OECDキーコンピテンシーに沿った様々な体験活動を積み上げ、批判的思考力や協働能力、実践力、コミュニケーション力、国際感覚など21世紀型の人材育成を展開する。 主として全生徒が一堂に会する「集中スクール」、地域で復興プロジェクトを展開する「地域スクール」、イベントを成功させるための「テーマ別活動」から成っており、いずれもが計画通りに進んでいる。第3回の集中スクールでは、イベントの概要を全員で決定し、2014年までの計画を立てるという課題をクリアしている。一人ひとりの生徒がきわめて意欲的であり、精神的な自立のきっかけとなっている。
【活動の背景】
東日本大震災は原発事故と合わせて、地域を丸ごと崩壊させるほどの甚大な被害をもたらした。復興には長い年月を要し、力のある人材が必要なだけではなく、若者なりの視点で柔軟でアイディア豊かな発想力と社会を組み立て直す組織力、そして海外とも協力できる国際感覚、などが必要である。本プロジェクトは、これらの力をチームワークを介して相互に高めていく教育活動である。
【活動の内容】
〈2012年3月〉本プロジェクトのスタート、第1回集中スクールの開催(いわき市)
〈2012年8月〉第2回集中スクールの開催(いわき市)
各地域、「地域スクール」開催
〈2012年9月〉国内およびフランスの関係者、企業への協力依頼(東京、パリ)
〈2012年10月〉ローカルリーダー会議(仙台市)
〈2012年11月〉ローカルリーダー会議(福島市)
OECD日本政府代表部吉川大使、いわきチームと交流
生徒によるスカイプ会議開始
〈2012年12月〉チャリティイベントCheer! NIPPON参加。多くのチャリティグッズの提供を受ける。
ユニクロClothes for Smiles参加。739アイディア中4位となる。
〈2013年1月〉ローカルリーダー・生徒リーダー合同会議(福島市)
〈2013年2月〉OECD教育局次長アンドレアス・シュライヒャー氏、伊達チーム、大熊チームと交流。
伊達チーム、地元JAと協力して果物ゼリーを開発(4月に販売開始)
ローカルリーダー・生徒リーダー合同会議(福島市)
〈2013年3月〉パリ事前視察決定、準備開始。
第3回集中スクール開催(気仙沼市)、ソフトバンクよりiPad100台の貸与決定。
報告書完成
「OECD東北スクール」は、生徒ばかりではなく引率教師にとって重要な学びの場となっており、国内外にネットワークが広がりつつある。生徒達の批判的思考力、実践力、協働能力、国際感覚などが飛躍的に伸びており、被災地の復興教育のモデル事業となりつつある。参加している生徒の意欲は右肩上がりとなっており、引率教師の意識の変化も現れている。
【寄付者へのメッセージ】
1000年に1度の震災からの復興には多くの時間やお金、人手が必要です。私たちのプロジェクトは、生徒達を、大人が作った境界を越える存在として見ており、地域間交流によって互いに勇気づけられるという事実がその意義を裏付けています。皆様方のご支援により、ここまで充実したプロジェクトに育て上げることができました。心より感謝申し上げます。
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