2013年12月11日
岩手県気仙地域の子どもと保護者のための移動こども図書館事業
小学校11校、子育て支援団体8ヶ所、応急仮設住宅団地22ヶ所を、各所月1~2回巡回し、図書資料(全国から支援物資として寄せられた絵本や児童書)の閲覧と貸し出しを行う。貸し出し時には読み聞かせ活動や図書レファレンス、場合に応じて傾聴活動を行う。応急仮設住宅団地では、貸し出しの他に大人も含めた対象者に本や雑誌を無償で提供する。貸し出し時には、絵本等の読み聞かせや図書レファレンスをするとともに、支援対象者との交流も図った。応急仮設住宅団地では子どもとへの図書貸し出しの他に、大人も含めて書籍や実用雑誌などを無償で提供した。
震災後の子どもの心の立て直しや豊かな人格形成のために、被災地の子どもには読書の充実が必要である。しかし、もともと交通の便が悪い当地では、子どもが図書館に足を運ぶのは容易ではなく、震災以降はますます交通全般において不便となり、子どもの手に本が届きにくい現状にある。このことから、利便性の向上が望まれ、手軽に本に接する環境を作る当事業を実施するに至った。普段の読書推進の活動により地域との信頼関係を維持する私どもが、直接対象者に本を手渡すことで読書意欲を高めていく。また、交流活動によって地域コミュニティーの再生・再構築・維持・活性化を目指す。
①大船渡市内小学校への訪問
全12校中11校(盛小学校・大船渡小学校・大船渡北小学校・末崎小学校・赤崎小学校・蛸ノ浦小学校・猪川小学校・立根小学校・日頃市小学校・綾里小学校・吉浜小学校)に、毎月1回、全クラスに30冊ずつの絵本や児童書を学級文庫として貸し出す。児童との情報交換、季節のグリーティングカードの発行などで交流。
②大船渡市・陸前高田市の子育て支援団体の活動場所への訪問
大船渡市内8団体(のびのび子育てサポータースマイル・子育てシップ・きっぴんきっず・慈愛福祉学園デイサービス・地域子育て支援センターおひさま広場・三陸まるごと体験館・立根地区公民館・居場所ハウス)、陸前高田市内1団体(子育てシップ)に出向き、絵本の読み聞かせおはなし会を開催し、子どもと保護者に絵本の貸し出しを行った。読み聞かせや子育ての相談等にのり、交流を深めた。
③大船渡市応急仮設住宅団地への訪問
全37ヶ所中22ヶ所の応急仮設住宅団地を毎月1回訪問し、読み聞かせや図書レファレンスをしながら、子どもに絵本や児童書を貸し出した。大人を含めた対象者に、書籍や実用雑誌などを無償提供した。集まった対象者にお茶やお菓子を提供し、簡易のお茶会を開き、交流活動や傾聴活動を行った。
○定量的な成果
4月から9月までの間に、小学校には53回、子育て支援団体には51回、応急仮設住宅団地には131回、それぞれの場所を訪問し活動した。
○受援者からの声
・小学校…貸出本の選書が良いので安心して児童に読書を勧められる。学校側の都合の良い日程で配本してもらえるので助かる。読書への取り組みが身近になった。読み聞かせも合わせてするので、読書意欲が高まる。支援者と支援対象者の信頼関係ができている。等
・子育て支援団体…読み聞かせを子どもと共に親も楽しみにしている。何の本がいいのかわからないときに相談にのってもらえる。子どもが絵本への興味を示している。顔見知りになれて嬉しい。等
・応急仮設住宅団地…わざわざ来てくれるので出掛ける必要がないので楽だ。本がたくさんあるので選ぶのが楽しい。本をもらいに行くと同時に、話がいろいろ出来て嬉しい。継続して活動しているのでありがたい。
この度は全国の皆様から多大なご支援をいただきまして、心から御礼申し上げます。おかげさまで、東日本大震災から3年目の今年度も地元被災地に関わる取り組みを展開することができました。
被災地のニーズは、時間の経過とともに変化していくものと、ずっと変わらず必要なものがあるように見受けられます。常に支援対象者の立場になって、柔軟に様々な条件を受け入れながら活動を展開しているところです。地域の子どもたちのために、被災された方々のために、本当に意味のある支援活動を行いたいとの思いで走り続けています。絵本の読み聞かせなどをしておりますと、子どもたちは笑い声をあげて楽しんでくれますが、その笑顔の奥に隠れているであろう悲しみをどうやって共有し励ますことができるかと、試行錯誤の毎日が続きます。皆様からのご支援に助けられながら行う活動が、復興へのサポートとなっていることを願うばかりです。
今後も力の限り、活動を続けていく所存です。本当にありがとうございました。
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