2013年12月11日
福島県内及び避難者の居住地における①法律相談及び②聴き取り調査③原発事故子ども・被災者支援法に関する情報発信及び政策提言
①法律相談・講演:避難に関する法律相談、講演会、学習会の実施。 ②聞き取り調査:支援のニーズを明らかにするための子育てをしている親たちに対する聴き取り調査 ③原発事故子ども・被災者支援法に関する情報発信及び政策提言: 同法に関する情報発信及び被災者及び支援団体のニーズを具体的な施策に反映するための政策提言
避難の権利・とどまる権利・帰還する権利を認めた「原発事故子ども・被災者支援法」が2012年6月に成立しました。しかし、政府の避難指示区域外の人たちに対する損害賠償及び行政の施策は未だに十分ではありません。私たちが解決を目指すことは、同法等によって被災者の声を反映した具体的な施策を実施し、一人ひとりの生活再建を実現することです。
■①法律相談・講演会
被災者、支援者と連携して原発事故子ども・被災者支援法福島フォーラム(5月11日)等の企画運営、講師としての参加を行いました。法律相談では、損害賠償だけではなく、原発事故子ども・被災者支援法への期待が大きく、「最後の希望」という被災者の声も聞きました。
(主なフォーラム、講演会)
・原発事故子ども・被災者支援法福島フォーラム(5月11日)
・原発事故子ども・被災者支援法推進自治体議連結成集会(8月2日)
・原発事故子ども・被災者支援法の具体化を求める神戸集会(8月24日)
・原発事故被害者の救済を求める全国集会in福島(9月21日)
■聴き取り調査
「避難の権利」、「被ばくを避ける権利」の基礎となる事実の聴き取り調査を継続して行ってきました。6月28日から7月1日にかけて、宮城県丸森町筆甫地区(福島県伊達市に隣接する放射線量の高い地区です)において一斉聴き取りを行い、福島県外における放射線被ばくの生活に与える影響の調査を行いました。また、聴き取り調査をふまえて、地元にとどまり生活を続ける人、避難している人のそれぞれに対して必要な支援が行われるように支援法の基本方針に定める事項を検討してきました。特に被災者19名への聴き取りに基づき、SAFLANが弁護団となり、原発事故子ども・被災者支援法の基本方針の策定を求める訴訟を提起しました。新聞・TVの報道もあり、同法が広く知られるとともに、内容は不十分ながらも2013年10月に基本方針が策定されました。
・原発事故子ども・被災者支援法の具体化を求める訴訟記者会見(8月24日)
■原発事故子ども・被災者支援法に関する情報発信及び政策提言
基本方針案対する声明(8月30日)の発表のほか、インターネット動画を使って定期的に発信するSAFLAN・TVを行っています。被災者及び支援団体のニーズを具体的な施策に反映するために政府(復興庁)に対して提示する等の働きかけを続けています。
被災者一人ひとりの切実な声によって、2012年6月21日、「原発事故子ども・被災者支援法」が成立しました。「原発事故子ども・被災者支援法」は、地元にとどまる選択、避難するという選択のいずれの選択をしても国が責任をもって支援すると定めた法律です。被災者の中には「支援法が最後の希望」とおっしゃる方もいます。法成立から1年以上を経て基本方針が策定されました。支援法成立と基本方針策定は、私たちだけではなく、被災者・支援者全体の活動の成果であると考えています。しかし、基本方針は残念ながら被災者の意見を反映したものではなく、不十分です。支援法を、被災者の役に立つ道具にするために被災者の声を反映した形で支援法を一日でも早く実効化することが今の課題です。
原発事故の被害は今なお続いています。支援法の基本方針は漸く策定されましたが、被災者の意見を反映したものではありませんでした。この状況を動かす鍵は、被災者の声です。被災者の声を反映して、本当に必要な施策を実施できるように引き続き働きかけが必要です。皆さんのご寄付によって、SAFLANの法律家は、各地に足を運び、直接、被災者の方々の声を聞くことができています。ご寄付をいただいていることに深く感謝申し上げるととともに、原発事故の被害に心を寄せて頂き、引き続きご支援いただけますように心からお願い申し上げます。
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