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子どもサポート基金助成団体レポート

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>2013年度第4期

共に育ち合い(愛)サロンむげん

福島県の被災者のための被災者によるコミュ二ティづくり支援活動
福島原発事故で柏崎市に避難している子どもをもつ親の会が「うつくしまキッズ」です。慣れない土地での生活、先の見えない不安、子どもの心のケアなど色々な問題があります。自然に囲まれた福島の故郷に帰れない現実を受け止め「第二の故郷づくり」を目指し自然あふれる柏崎でコミュ二ティづくりを目指し活動する。

基本情報

活動期間 2013年4月~2013年9月 計140日間
活動地域 新潟県柏崎市高柳町  
支援人数 120名
活動人数 スタッフ3名、ボランティア25名
連携団体 社団法人中越防災安全推進機構
NPO法人環境資源開発研究所新潟支部
柏崎市東日本大震災被災者支援室

写真

活動の背景/内容

活動の内容

避難先である柏崎市は、海あり山ありと自然豊かな地域です。しかし高齢化による耕作放棄地や休耕田も多く山間部過疎化も深刻な問題です。そして東京電力柏崎刈羽原子力発電所が立地されており、現在は稼働停止ということで経済的にも不安を抱えています。避難先である柏崎市の課題を踏まえながら、被災者である自分たちの活動が「元気、勇気、やる気」という希望につながる活動になり、柏崎市民との交流の中でお互いが支え合い、助け合うことを目標にし、最終的には「被災者の被災者のための被災者によるコミュ二ティづくり」や孤立しないための「仲間づくり」をきっかけに、被災者が被災者同士で見守ることができる、そうした活動を行政や協力団体、一般市民等に働きかけ協働で行う基盤づくりを目指し活動しました。

活動の内容

活動をする前は、福島原発事故から二年以上が経ち、精神的な不安が多く苦しんでいる家庭が増えてきていました。そこで共通の目的として被災者の「自立支援ハウス」の改築工事を行いました。昨年度から続けている事業ですが、今年度は二階の改築工事を進め庭の造園をして畑づくりや花壇づくりもできました。ひとりではできないことも同じ思いの「仲間」と一緒ならばできるということを実感した被災者は、心も身体も元気になり自立に向けた意欲を感じることができました。

2013年4月

◆「被災者団体定例会&交流会」 ◆「お花見イベントin上越市高田公園」◆柏崎市元気まちづくり発表会参加(販売体験)◆自立支援ハウスの畑、花壇の手入れ◆自立支援ハウス「山菜取り体験会」

◆毎週木曜日「オリジナルグッズ製作」和紙の手づくりハガキ制作(和紙すき)

2013年5月

◆上越市避難者団体と柏崎市避難者団体情報交換会◆自立支援ハウスの畑・花壇の手入れ

◆特定非営利活動法人「放射線衛生科学研究所」のよる勉強会&情報交換会◆「被災者団体定例会&交流会」◆自立支援ハウスの造園作業◆サロンの「緑のカーテンづくり」◆自立支援ハウス「田植え体験会」

◆「自主避難者、母子避難子どもを持つ親の会」◆毎週木曜日「和紙の手づくりハガキ制作」

2013年6月

◆自立支援ハウス造園、畑、花壇の手入れ◆福島県派遣職員と被災者情報交換会◆「えんま市」出店販売体験(和紙ハガキ、雑貨、絆リング等)◆和紙の手づくりハガキワークショップ◆「被災者団体定例会&情報交換会」◆自立支援ハウス二階改築工事(畳あげ、大掃除等)

◆「パソコン教室」スタート*被災者(女性)の自立支援としての社会参加のきっかけづくり

◆「自主避難者、母子避難子どもを持つ親の会」◆毎週木曜日「和紙の手づくりハガキ制作」

2013年7月

◆「パソコン教室」◆自立支援ハウス二階改築工事◆新潟大学人文学部教授「被災者聞き取り調査会」◆「ジェルネール教室」スタート*被災者(女性)の自立支援としての社会参加のきっかけづくり◆自立支援ハウス畑、花壇の手入れ◆「被災者団体定例会&交流会」◆「心のケア研修会」保健師によるストレス度チェックとハンドマッサージ◆福島県内応急仮設住宅被災者と柏崎市借上げ住宅被災者の情報交換会&交流会◆「自主避難者、母子避難子どもをもつ親の会」

◆毎週木曜日「和紙の手づくりハガキ制作」

2013年8月

◆「ネイル教室」◆自立支援ハウス畑、花壇の手入れ◆自立支援ハウスイベント「流しそうめん&BBQ」

◆自立支援ハウス(柏崎高校陸上部夏合宿)*合宿所としてハウスを開放し被災者との交流

◆自立支援ハウス畑、花壇の手入れ◆「夏やすみ和紙のコサージュと和紙の組み立て恐竜ワークショップ」◆自立支援ハウス草刈り作業◆福島県就職応援センターによる就職相談会◆「自主避難者、母子避難子どもを持つ親の会」◆毎週木曜日「和紙の手づくりハガキ制作」

2013年9月

◆「ネイル教室」◆長岡市市民活動フェスタ出店、販売体験◆自立支援ハウス造園作業◆被災者団体定例会&交流会(東京電力柏崎刈羽原子力発電所見学)◆自立支援ハウス見学会(東京、群馬などから宿泊体験)◆自立支援ハウスイベント「稲刈り体験会」◆柏崎ファミリーフェスタ参加、出店販売体験◆自立支援ハウスウッドデッキ塗装工事◆「自主避難者、母子避難子どもを持つ親の会」◆毎週木曜日「和紙の手づくりハガキ制作」

活動の成果

活動を通して被災者の中には「仲間」という言葉があちらでもこちらでも出てきました。自分たちの関係を表すのに最も適切な言葉を探し「やっぱり仲間ですね」と語る人、自分が歩みをすすめることができたのは、「仲間がいたから」という人。自分が自分らしくいられるのは「仲間がいるから」という人。被災者の方々が「仲間」という言葉を語るとき、それぞれの思いの深さがにじみ出るのが感じられます。被災者にとって「仲間」というつながりが、いかに大きいものであるのかが察せられます。「仲間」がいるから自分をしっかりと見つめることができる。「仲間」がいるから一人ひとりが自分らしく生きられる。被災者は「仲間」と一緒にそれぞれのテーマに取り組む中で、そのことを感じ取っています。「被災者の被災者による被災者のためのコミュ二ティづくり」のためには「仲間づくり」が大きな役割を果たしていると感じています。

当団体での活動は「人のつながり」です。「人が集まり、人がつながり、人が結び合い、笑顔の輪ができる」をコンセプトに心と心のふれ合いを大切にして何でも語り合える場や被災者が元気になるようなイベント企画それを実行していくことを目的に活動しています。柏崎市には警戒区域からの避難者が多いことから、避難生活も長引くことが予測されます。地震、津波、そして放射能という目には見えない敵と闘っています。「家があるのに帰れない」「当たり前のように思っていた日常が取り戻せない」先のみえない不安の中で二年半以上が経ちました。そしてその現実を受け止めながら一歩一歩前に進むことを決めました。「人と人との絆」を大切にして「自立」を目標に活動しています。活動をする中で様々な人と人とのつながりが生まれました。被災者である自分たちが今まで支援していただいた方々への「恩返し」をしたいという言葉が聞かれる場面が増えました。被災者は「故郷」を失いたくないという思いがあり、住民票を被災元のままにしてあります。しかし、柏崎に住民税も収めていないのにゴミを出させてもらったり、温かく見守っていただいたり柏崎のみなさんには心から感謝しています。そこで今、自分たちにできることで恩返ししたいという気持ちから毎日、雨の降っていない日は朝早くから一時間~二時間近く道路のゴミ拾いを始めた60代後半の女性、お孫さんがお世話になっている保育園の園庭を定期的に草刈りしている70代の男性がいます。こうした心の変化は「心の復興」につながる成果だと信じています。活動を通して「仲間」ができたことで今まで「地震のせいで・・・」と思っていた被災者の方々が「地震のおかげで・・・」という気持ちになれたことは個人個人の自立を促す上で大きな成果だと感じています。今後も一人ひとり「顔の見える支援」を続けていく中で「支援している」「支援されている」という垣根を越えた「仲間づくり」をすることで、どちらがどちらを支援しているのかわからない関係になり、お互いに尊重し合い、支え合うという街の当たり前の関係が築ける街づくりを行政や協力団体、市民と被災者ですすめていきたいです。今後とも、ご支援よろしくお願いいたします。

被災者のみなさんは、避難先で一生懸命生きています。その中で一番辛いことは「忘れられていくこと」です。風化されていくことを一番恐れています。2011年3月11日を私達は決して忘れてはいけないと心に誓って活動をしています。被災者である自分たちがアクションを起こし「風化を阻止する」ということで、始めたのが「自立支援ハウス」です。これからも活動を続け自立支援ハウスをメモリアルの場にすることを目指しています。そしてまず自分にできることから「風化を阻止する」ということで、被災者の家族の中には毎月11日は夕食に「塩むすび」だけを食べているそうです。避難途中のガソリンスタンドで頂いた「塩むすび」が温かく人の優しさ温かさが心にしみたそうです。損か得かというような価値観が支配する消費文化世界の人のありようとは全く違って、心配しても一文の得にもならないのに人のことを心配し、余計な世話をやいてしまうというのが当団体の存在です。これからも活動を通して被災者の笑顔が輝くことを続けていきます。今後とも、ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

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