子どもサポート基金 子どもサポート基金一般社団法人地域活性コミュニケーション塾

2015年01月14日

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南三陸町の地域活性及び産業振興のための次世代人材育成事業

被災地域の復興支援を目的に、当該地域で生活・活動する高校生から地域産業を担う若手事業者を対象に広告分野の専門チームの指導の下、広告的手法を用いた課題解決のスキルと知識(コミュニケーションデザイン)の習得に向けた講座を開催。未来の街づくりのため、地域の再活性化のための人材育成を実施し地域産業振興へつながることを目指す。

基本情報

活動期間
2014年6月~2014年11月
活動地域
宮城県本吉郡南三陸町 宮城県気仙沼市
活動人数
スタッフ2名、講師6名ボランティア3名
連携団体
  • 南三陸町役場
  • 一般社団法人南三陸町観光協会
  • 一般社団法人南三陸町復興推進ネットワークほか

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    第1回 相手に伝わらなきゃはじまらない講座の様子
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    第2回 共感をよぶプロジェクトの作り方講座の様子
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    第3回 アホのチカラが町を救う講座の様子
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    第4回 インターネットを使いこなす講座の様子

活動の背景・内容

活動の背景

南三陸では、以下の地域課題を抱えている。

《南三陸町の現状》

l  南三陸町は、北に気仙沼市、南に石巻市と10万人を超える人口を持つ宮城県の沿岸部最大の都市に挟まれた地域である。

l  南三陸町は震災後人口は12,000人程度であり、町外避難者を除くと1万人を切る状態にある・主要産業は沿岸部・汽水域を中心とした水産養殖業・小型船舶による漁業が中心で、その他は魚市場の水揚げが中心だった。

l  同時に、南北の大型市場から仕入れる豊富な水産品を観光資源に、民宿を中心とした観光業も盛んで、文字通り漁業を中心とした産業で成り立っていた町である。

l  現在、旧市街地の盛り土工事や災害公営住宅建設、防潮堤建設など、生命・財産を守るインフラ工事のハードウェア事業が急ピッチで進んでおり、その進捗は土地問題により急速ではないが、懸命に進められている。

l  一方、将来の町作りに欠かせない産業振興においては水産業・水産加工業を中心に再生が進んでいるが、震災前の水準までは達していない。

l  商工業・観光業などの産業については商業地確保が難しいことから、全て《仮設》状態が続いており、本格的な復旧には至っていない。

《過疎対策と産業振興》

l  南三陸町は、被災地であると同時に過疎地域でもある。被災沿岸部が復興していくためには、過疎化の課題に向き合う必要がある。

l  緊急雇用対策について、2014年度末をもって終了するが、商工業・観光業が復旧していないことから、就労に苦しむ特に若い世代の町離れが深刻化する懸念もある。

l  若い世代は、Iターン組を含め町に留まり、町の復興に寄与したいという意向を持つ者が少なくない

l  現在のインフラ整備の進捗と同時進行で本格的な商工業・観光業の振興を図り、特に若い世代の町離れを食い止め、人口減少による過疎化を防止しなければならない。

l  近年の過疎化は深刻で、吸引力のある成長産業に乏しく、地域の活性化が急務であった。ここに震災が加わり衰退の危機を迎えたが、佐藤町長をはじめとしたシニア世代によるリーダーシップの元、驚異的な回復を見せている。ただその将来性を見たとき、次世代の成長に不安は隠せず、シニア世代もその点を危惧している。

 

《次世代人材育成について》

l  様々な産業振興を推進する中、最重要課題は、これからの町の将来を担い、新しい活力を創造できる人材の育成である。

l  しかし、現状の体制・教育機関・スキルのある教育者不足など多くの課題があり、また復興事業ではインフラ形成が優先されるため、人材育成のチャンスとタイミングを逃し、必要な時期に必要な人材を確保することが出来ない事態に陥る可能性もある。

l  また、被災地域の若者の殆どは、市町村外に進学・就職を求めているが、これもまた、地域内の産業の魅力(成長性・競争力のある産業)に乏しく、次世代からの支持率の低さにも原因がある。

l  人材と地域産業相互が「被災地の明日」を創造できる様々なノウハウを身につけ、日本国内はもちろん海外に対しても相応の競争力・スキルを確保することが重要であり、そのためにも学生を含めた次世代に対する実践教育を提供することが肝要と考える。

l  国内においては、震災の影響により消費市場が著しく変化しているが、小さな過疎地域だった被災地には、《千載一遇のチャンス》と視点を変えて、積極的に打って出る必要がある。

l  一方、地域の産業振興においても、全国に通じる商品・サービスの開発が重要だが、更にこれらを「伝える」技術を持って同業他種の商品・サービスとの差別化が重要である

l  そのため、町の復興を担う次世代の人材育成を行い、将来の商工業・観光業の再生・復活時に有望な人材を輩出されることが望まれる。

 

《地域課題とプロジェクトで取り組む課題》

l  復興事業は少なくても20年以上の歳月を要するが、その間、加速する人口流出に歯止めをかけるには雇用対策と産業振興は不可欠なのは言うまでも無い。

l  そもそも同町が元に戻るのではなく、南三陸町の新しい時代を築くためには、現在の10~30代の次世代のイノベーティブな取り組みが必要である。

l  このような中、次世代の育成は持続可能な町の成長に不可欠であると同時に、新しい時代を拓くために必要な取り組みと考え、同塾を設立した。

l  広告業は、あくまで産業界の一部を担う分野だが、そのポテンシャルは経営課題解決にも寄与するなど、現在では「広告的手法による課題解決」として認知され、従来型のメディアバイイングではなく、コミュニケーションをデザインした総合課題解決業として新しい領域の開拓が進んでいる。

l  このことから広告的手法を活用した新しい町づくりを、次世代に提供することで、町の抱える様々な課題解決に寄与できるものと考えている。

l  受講された次世代を担う若手メンバーが、その手法を活用し、今後も持続可能な町の成長を考えられることを期待している。

 

復興事業としての《産業振興》を進めるために必要な人材
⇒官民連携による地域のニーズに即した人材育成《ひとづくり》

南三陸町の実勢に即した町づくり⇒ワークライフバランスを考え地域の伝統・文化にも配慮しつつ、
イノベーティブな産業創出のための《企画立案》

 

一般社団法人地域活性コミュニケーション塾は、上記の課題解決の為に不可欠な次世代を担う人の育成を目指すため設立。広告分野の専門チームの指導の下、生活者とのコミュニケーション上のスキルと知識を習得することで、未来の街づくりのため、地域の再活性化のための人材育成を実現し、地域産業振興へつながることを目指しました。

活動の内容

第1回 相手に伝わらなきゃはじまらない講座

第2回 共感をよぶプロジェクトの作り方講座

第3回 アホのチカラが町を救う講座

第4回 インターネットを使いこなす講座

第5回 商売に必要なホスピタリティの基本

第6回 語り尽くそう!ボクらのまちづくり

活動の成果

l  定量的な成果→毎回10名程度の固定した受講者の参加がありました。

l  受講生は、南三陸の復興の為に何かしたい方や、南三陸の可能性を感じてUターンしてきた方など、背景はそれぞれですが、「南三陸を元気にしたい」という共通のメッセージを持って参加いただいた意識の高い人ばかりです。

l  地域活性コミュニケーション塾では、広告的手法を用いたコミュニケーションスキルを身につけていただくだけではなく、これまでは1人でその思い、悩みを抱え各々に壁にぶつかり、時には志が折れそうな時に支えあう人をつくる「絆」づくりにも努めました。

l  その結果、講座終了後に受講者自ら集まる場を設けて活動するなど、横の繋がりも広がりました。

l  また、スタートしたばかりの地域活性コミュニケーション塾ですが、自ら考え、自ら行動していくヒトづくりを今後も進めて参りたいと思います。

 

【受講生からの声】

l  復興が関わる地域の町づくりに興味があり受講した。

l  今は転換期だと思っています。自分なりの復興支援をしたい。

l  南三陸はこれら大きな可能性を秘めた場所だと思ったから、地元へ帰ってきた。これからこの講座で出会った人たちとの繋がりを大切にしていきたい。

l  人の為に始めた小売事業だが、営利がないとやっていけないという現実にさらされている。しかし、人の為に始めたことなので続けていくにはどうしたらよいのか悩んでいる。

l  取りあえずやってみる!

l  外部の人のチカラは必要だと思った。これまでは支援にたよっていた。

l  自分たちでなにかやりたいというコトもどうやっていいかという不安があった。それが外部の人のチカラを借りて出来るのは良いと思う。

l  南三陸という自分たちが育った身近な地域の問題に焦点をあてた講座だったので、当事者意識がもててよい。

l  震災によって南三陸の色々な人が、色々な所から情報を吸収するようになた。色々なアイデアが可能性を広げることがわかった。

第一線で活躍する人の話は刺激をうけ、やる気をもらえる。

寄付者へのメッセージ

こどもサポート基金のご支援により本塾のスタートを切ることができました。当初、南三陸復興の為に人材育成のコミュニケーションスキルを身につけていただくということをテーマに初めた塾ですが、受講生や南三陸に住まう人々に出会い、会話を重ねていくごとに上辺だけの問題ではなく、一人一人の抱えている悩み、課題を分かち合い、自分ごととして共に、考え、行動することの必要性を強く感じました。始まったばかりの塾ですが、これからも南三陸の人材育成のために活動を進めて参ります。このスタートがきれたのもこどもサポート基金あってのものです。大変にありがとうございました。

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