2015年01月15日
宮城県南三陸町における子どもの居場所及び自らのまちのために動き出す高校生の支援
南三陸町において週に3回志津川さんたろう館でフリースペースを中心とした子どもの居場所を作ることで子どもたちとの関係を構築し、話しやすい環境を提供する。 その中で、「まちのために何かしたい」と考える高校生の受け皿となり支援する。また、気仙沼の高校生と交流会させ、互いを刺激し合えるようネットワークを形成する。
宮城県南三陸町では 「自らの町のためになにかしたい」と想いのある高校生がいるものの、サポートを出来る大人がいないために、活動が行われていないという背景がある。当団体が2012年から気仙沼で行っている高校生の想いを形にする活動を南三陸町にスケールアウトすることで、気仙沼と同じように主体的に動く高校生が生まれると考えた。
2014年4月1日から、週に2回のフリースペースを開放し、子どもが放課後に気軽に集まれる場所を提供する。フリースペースでは、中高生の集まれる場になっており、勉強する子、読書をする子、話をしにくる子など中高生が心を落ち着かせられる場所になっている。また、フリースペースは木造2階建ての建物を借りることができている。仮設の商店や住宅が多い南三陸町では珍しく、中高生ものびのびと出来る建物のつくりが好評である。今でも中高生の集まれる場所として開放を続けている。
これらのフリースペースの活動は上期助成の主眼においている事業の入り口として設けている。フリースペースにおいて、長い時間を共にすることで中高生と何でも言い合えるような信頼関係を構築した。この信頼関係から下記の活動が効果的に進めることが出来た。
同時進行で「まちのために何かしたい」という高校生(高校生団体com)のサポートを行い、月に2回は町のために何ができるか考える時間を設けている。
4月〜6月までは実際に町のイベントに参加しては振り返りを行った。これまで高校生はイベントにあまり参加をしなかったようで、新鮮であり、町の良さに気がついた点が多かった。また、上期のプログラムの一部としてゲストスピーカーを招き、講話を聴くなどして高校生達に価値観の多様性を学んでもらう機会を提供した。
7月〜9月までは高校生達の「町の人にもっと町の良さをしってほしい。町の外の人にも町の良さを発信したい」という想いから高校生が中心になって観光リーフレットを作成することになった。実際に自分達で町を歩き、自分達の視点で掲載材料を集めた。その後、当団体の報告書等もデザインしていただいているプロのデザイナーを呼び、高校生とデザイナーでリーフレットをデザインし、発行した。観光リーフレット完成後は、自分達で仮設商店や教育施設などに設置してもらえるようお願いに行き、現在30カ所に設置されている。
フリースペースでは、4月1日〜9月30日までで延べ202人の参加者が集まり、それぞれの居場所として確立していった。今では、子ども達が集まる場所として必要な所になっている。
高校生のサポートの活動では、高校生団体「com」として町のために活動する団体が設立された。メンバーは合計7名。高校2年生が6名、中学3年生が1名の構成になっている。彼女たちは、「町の魅力を発信したい」という想いから高校生の視点で南三陸の観光スポットを紹介する観光リーフレットを作成した。9月30日までで2種類、合計5000部が発行されている。設置されている仮設店舗及び教育施設は30カ所に及び、彼女たちの通う志津川高校の全校生徒に配布された。
フリースペースに参加する中学生からは、「ぜひ他の曜日も開放してほしい」という声が挙がっている。活動をサポートしている高校生団体からは「活動が本当に楽しく、自分達の想いが少しずつ形になっていくこと、また、それが町のためになっているのが嬉しい。」という声や、「大学生との関わりが自分達の意識や想いを大きく変えた。」という声も挙がっている。保護者からは、「自宅でも自分の想いを吐き出すようになった」と言葉を頂いている。
これらの声と活動から、フリースペースとしてしっかりと機能していること。高校生の主体性が上がり、町に対して意欲的に考えられるようになってきていると考えられる。
この度は、ご寄付を頂き本当にありがとうございました。頂いたご支援により南三陸町の高校生達は自分達の「可能性」を広げることが出来ています。以前の高校生は、自分に自信が無く、ネガティブな言葉ばかり口にしていました。今ではとても自信が付き「あれもできる。これもできる」と明るい未来を指差しています。当団体も高校生に負けないよう活動に取り組んで参ります。この度は本当にありがとうございます。心より感謝申し上げます。
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