活動の背景
仙台市は被災地の中でも見過ごされがちであるが、未だ仮設住宅に2,317人、みなし仮設に17,507人の被災者が生活している。仮設住宅に残っている家庭は、元から問題を抱えていた場合も多く、早期の自立が困難である。また、みなし仮設においても、4分の1程度は失業等を理由にした移住世帯であり、社会的な孤立や経済的な問題を抱えている場合が少なくない。
このような生活環境が長引くことによって、保護者のストレスも慢性的に高く、精神的な病気を発症するケースも後を絶たない。子どもに対して適切なコミュニケーションがとれず、中には虐待に陥るケースも見られる。
その結果、子どもも将来に対して投げやりになったり、学習意欲、学力がさらに低下することによって、子どもの未来に深刻な影響を及ぼすことが危惧される。
そのため、学習サポートの場を通して、子どもと地域の大人が関係を築くことによって、基礎学力を担保すると同時に、子どもたちの前向きな意欲を引き出す活動を継続する必要がある。
活動の内容
■仮設住宅での学習サポート (受益者数:46名)
仙台市の仮設住宅で生活している子どもたち(小学生〜高校生)に対して、関係性づくりを大切にした学習サポートを実施した。
<仮設住宅内の集会室>
JR南小泉アパート(宮城県仙台市若林区)月曜日 18:30〜20:00
仙台港背後地6号公園(宮城県仙台市宮城野区)火曜日 19:00〜20:00
鶴巻1丁目東公園(宮城県仙台市宮城野区)水曜日 19:00〜20:00
扇町1丁目公園(宮城県仙台市宮城野区)水曜日 19:00〜20:00
荒井小学校用地(宮城県仙台市若林区)木曜日 19:00〜20:00
卸町5丁目公園(宮城県仙台市若林区)金曜日 19:00〜20:00
-ボランティアの質を高めるために、年2回のコミュニケーション等のトレーニングを行なった。
-チーム間でのノウハウ・価値観の共有を図るために、毎月チームリーダーを中心としたダイアログを開催した。
-子どもたちや保護者との交流を図るために、定期的に学習以外のイベントを(誕生会、クリスマスパーティ等)を実施した。
-子どもたちの視野を広げるために、キャリア教育のプログラムを実施した(年6回)。
■NPO・地域住民へのモデル・ノウハウ移転事業 (受益者数:約43名)
岩手県、宮城県、福島県の被災地で活動しているNPOや地域住民に対して、当団体が構築したeラーニングを先進的に活用した学習支援モデルの移転、及び組織運営全般へのサポートを行なった。
申請時点で7団体がモデル移転先として決定しており、それぞれの運営課題(利用者の集客、学習支援の運営、行政との関係構築等)に応じた個別のサポートを行なった。
また、上記とは別に、新規で3団体を発掘した。