子どもサポート基金 子どもサポート基金東日本大震災県外避難者西日本連絡会(まるっと西日本)

2015年08月04日

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西日本における被災者と自治体と支援団体をつなぐ情報支援事業

1)支援団体、専門家、自治体、社会福祉協議会と連携し、変化する避難者の状況を把握調査し、伝える 2)関西の各団体や地元の情報などを掲載した支援情報のメールニュースを毎週配信し避難者への支援情報をダイレクトに迅速に伝える 3)兵庫県と大阪府と京都府の支援団体等連絡協議会 関係者間の会議参加 支援情報と被災者の情報を伝える活動報告会、テーマ会の開催

基本情報

活動期間
2014年4月~2015年3月
活動地域
関西2府4県(大阪・奈良・京都・兵庫・和歌山・滋賀)
支援人数
約3,000名
活動人数
スタッフ4名、ボランティア4名
連携団体
  • 関西2府4県(大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山) 自治体危機管理室
  • NHK大阪
  • 関西各県の避難者自助団体と支援団体

写真

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    関西2府4県、全避難世帯1,800世帯への配布作業
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    支援情報ニュースは毎月NHK大阪放送局「関西ラジオワイド」にてオンエア
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    毎月発行している 支援情報ニュース

活動の背景・内容

活動の背景

情報難民となった避難者には、随時変化する自治体や地元のタイムリーな情報は欠かせない。社協や自治体やNPO法人は自らの業務場所エリアだけの避難者だけを対象にしたものが多く、大阪市内だけ、和歌山県だけなど、対象は限定的で、しかも行き届いていない。また、ほとんど他団体はほかの団体との連携を行っていないので、被災者の断片しか把握しておらず全体を見渡しての支援は行えず、問題を共有することがない。今年度復興庁の避難者情報提供事業は、関西では大阪府のNPO法人に委託されたが、600万で交流会は3回開催、参加者は10名以下、支援情報は対象100世帯以下だった。私たちのこの事業は、5分の一のこの子どもサポート基金の予算で、関西2府4県の全避難者世帯へ、自治体を通じて3,000人全員に、届けることができた。国の事業に比べ、私たちはもっと効率よく、低予算で、関西の2府4県の自治体全部の協力を経て配布につなげ、格差のない広範囲の支援を実施することができた。各種支援団体によって行われる支援活動を網羅し、広報し、被災者が自分からつながれるような仕組みを生み出す事ができた。

活動の内容

1)支援情報メールの発行
毎週支援情報メールニュースを発行した。4月1日から3月31日まで。発行は123号から156号の33回の発行。毎月平均3回発行している。メール受信者は900名。近畿圏以外にも読者がおり、支援情報を受診している。メールはスマホやPC、や携帯に届けられる。 支援情報には、毎週8本以上の関西の支援情報、被災地の発表、新聞やメディアの発表などが掲載され、メールの文頭には「東日本大震災復興支援財団の提供でお送りします」と記されている。2013年度の毎日新聞「支援情報を100号を発行した」記事が掲載され、NHKラジオ深夜便でも活動について放送された。2014年度はこれらの活動に際し居住福祉学会で発表を行い「2014年度居住福祉賞」を受賞。
 
2)月刊支援情報紙「NEWS」の発行。毎月発行しこの事業では11月号と12月号を除いて7回発行。
毎月(月初め〜中旬)支援情報紙を取材〜他団体の活動の取材〜避難者のインタビューなどを行う。
(中旬以降)レイアウト、ライティング、DTP
(下旬)ゲラ、校正〜印刷会社へ入稿〜完成後、2000マイを避難スタッフが、各支援団体や、関西の各県自治体の危機管理室宛に封筒を作成し、枚数をカウントして郵送手続きをとる。
京都府に関しては、京都府庁の指定配布日に参加して他団体と一緒に配布活動を行う。
 
3)NHK関西ラジオワイド月末特集「県外避難のみなさんへ」への番組への情報提供とレギュラー出演。
毎月月末の特集「県外避難のみなさんへ」 45分の番組に出演し、この情報支援事業の中で毎週発行している「支援情報ニュース」の最新情報を提供し、番組は3年間継続し続けている。放送は30回を超え、そのうちの27回に出演し、支援情報をレポートした。支援情報紙の発行とともに、NHKの番組制作に関わり、一般の人にも震災について知っていただくことが出来、ラジオを通じて避難者にも支援情報をタイムリーに届けることができた。

活動の成果

●情報紙に掲載されている甲状腺検査に参加し、腫瘍があることがわかり手術をするようにいわれました。おかげで命を救われました。手術を終えました。もし、検査がなかったら気がつかないまま悪化していたと思います。心から感謝しています。
●一年ほど前に登録させていただきました。それまで情報がなにもなく避難生活を続けていた私にとって、とても大切な情報源。福島からの支援、検査実施の連絡がないため、そのような情報がないかなと読ませていただいております。
●東北から避難してきている人たちとの交流や、元気になれるイベントなどの機会を与えて下さっているところです。避難者が今おかれている状況や大変助かる情報を教えて頂いてます。
●とても役に立っていますし孤立していないと思えますし情報難民にならなくてすんでいて本当にありがたい。特に就労支援で生活の再建、立ち直り、前向きになれましたし、同じ就労している避難者とも出会えて母子避難生活のペースも出来てきた。民医連との継続した甲状腺エコー検査の支援は本当にありがたいです。ずっとこの先子どもの健康被害への不安は払拭できないでいるところ、丁寧かつ理解があり医療機関での記録も保持してもらえる点は、色々な証拠が散逸している中で、一番ありがたい支援。支援情報を読むことで、どんな支援団体が継続して支援に取り組んでいるかも良く分かるので交流会やイベントに参加せずとも支援者ともつながっていると思えて本当に心強いし励まされます。まるっとがなかったら多分心が折れて病んでいたと思う、何とか母子だけで関西で生き抜いていけるのはまるっとのおかげと言っても過言でない。
●交流会やイベントの情報などはまるっと西日本さんのメールマガジンで知ることが出来ています。なかなか参加は出来ていないのですが、まだ忘れられていないんだと思えることが出来て、イベントがあるということを知るだけでも勇気づけられます。支援があっても知らないと支援がないと一緒なので、支援情報はとても有り難いです。最近は生活も落ち着いてきたので、子どもが楽しめるイベント情報が嬉しいです。また交流会を定期的に開催してくださるのも、いつもやっているんだと思えるのでありがたいです。またイベントの情報だけでなく、他の避難者のちょっとした状況や、住宅支援はどうなっているのかなど、避難者支援全体のことがわかる情報が有り難かったです。
●先日、家にも府営住宅の誓約書が届きどうしようかと思っていたので、メールニュースを見て、悩んでいるのは自分だけじゃないと思いとても参考になりました。住宅支援の各自治体の動向などは他のMLにはない情報なので、とても貴重だと思います。まさにかゆい所に手が届くニュースですね。集団訴訟の流れのレポートもとても参考になりました。日々のまるっとさんの活動に感謝します。
 

寄付者へのメッセージ

みなさんのおかげで、関西2府4県へ避難してきている県外避難者3,000人(復興庁での情報登録システムに登録した全員)のみなさんへ、関西の自治体の協力を得て支援情報紙を全員に届ける活動ができました。関西の一部の人だけ、または一部のエリアから避難した人だけと言う事もなく、避難者が関西のどこに避難しても、どこから避難した人へも平等に情報をお届けすることができました。さらに、NHK大阪の関西ラジオワイド 毎月月末月曜日の17時20分〜18時「県外避難のみなさんへ」を通じて、ラジオでも支援情報を届ける事ができました。この放送は今も継続して毎月放送されていてらじるらじるで全国で聞く事ができます。関西の避難者は自治体からのこの情報紙とラジオで支援情報をうけとることができます。避難したスタッフたちが避難生活を送りながら、避難者支援に関わることが出来たのは、みなさんの寄付のおかげです。
心からみなさんに感謝しています。

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