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子どもサポート基金助成団体レポート

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特定非営利活動法人キッズドア

中高校生のためのキャリア&ライフプラン作成ワークショップ
宮城県仙台市の中高生に対し、震災後のふるさと復興や原発廃炉に向けて地域に新しくできる仕事・職業について学び、将来の人生プランを作るワークショップを開催する。

基本情報

活動期間 2014年9月~2015年3月
支援人数 86名
活動人数 スタッフ2名、ボランティア10名
連携団体 一般社団法人ワカツク
NPO法人16歳の仕事塾
河合塾

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活動の背景/内容

活動の内容

東日本大震災から4年が過ぎようとしているが、復興は道半ばである。将来地域を支える中高生の多くは、震災の影響もあり、自信の将来像を描きにくい状況にある。弊団体では、宮城県仙台市で2011年より震災等の影響で経済的に厳しい中学生や高校生に無料学習会を運営している。学習支援により、学力の向上は見られるものの、多くの生徒は将来の夢が描きづらく、「復興支援に役立ちたい」という想いはあるものの、具体的なプランが描けない状況である。
本事業では、そのような中高生を対象に、キャリア教育を実施し、将来就く職業の選択肢が少なく、自分の将来に希望を持ちにくい子どもたちに、自身のライフプランについても具体的なイメージを持ち、前向きに生きられるきっかけを作る。

活動の内容

2015年1月より、キャリア教育イベントの準備開始

担当スタッフ :渡辺、二瓶

・       企画内容検討、講師依頼

・       生徒向け案内資料の作成、配布(中高生 合計98名)、出欠確認

・       学生ボランティアへの企画説明、当日サポートボランティア募集等

 

■    プレキャリア教育スクール in[タダゼミ]壮行会 および キャリア教育スクールボランティア研修

日時:3月14日(日) 11:00〜13:00

場所:仙台市生涯学習支援センター

参加者:中学生 25名、保護者 10名、 高校生 10名、 学生ボランティア15名

内容: キッズドア代表渡辺より、進学のお祝いと、高校での過ごし方についての話のあと、河合塾様、仙台市教育委員会様からのお話、大学生ボランティアからのメッセージ等

3月22日、29日のキャリア教育スクールについての案内。

終了後、スタッフ及び大学生ボランティアに、22日、29日のキャリア教育スクールの内容と、ボランティアとしてサポートする具体的な業務を研修

 

■    第1回キャリア教育スクール

日時:3月22日(日) 第1部 13:00〜15:00   第2部15:00〜17:00

場所:キッズドア・グローカルラーニングラボ(キッズドア仙台事務所)

参加者:中学生10名、学生ボランティア6名

内容:
第1部 フューチャーゲーム(キャリア教育ゲーム)
キッズドアがオリジナル開発し、東京都内の高校等で実施しているキャリア教育ゲーム。高校入学から就職までを人生ゲーム形式で学ぶ。職業選択に関する知識やそれに必要な資格、進学や就職への道筋などを学ぶ。学生ボランティアと中学生が3つのグループになりゲームを実施。終了後、振返りシートで自分のキャリアについての考えをまとめた。

第2部:人生の先輩のお話 Vol.1
講師:東日本復興支援財団 相内洋輔様 
    一般社団法人ワカツク 代表 渡辺一馬様
中高生のキャリアモデルとして、人生の先輩から、自分の高校生活〜現在に至る間のライフヒストリーと、現在の仕事の内容、今後の夢を語ってもらった。Vol.1では、講師2名が仙台市出身宮城大学卒業ということで、生徒も親近感を持ちやすく、熱心に聞き入っていた。

 

■    第2回キャリア教育スクール

日時:3月29日(日) 第1部 13:00〜15:00   第2部15:00〜17:00

場所:キッズドア・グローカルラーニングラボ(キッズドア仙台事務所)

参加者:中学生15名、学生ボランティア6名

内容:
第1部 NPO法人16歳の仕事塾 堀部様による中高生向けキャリア教育プログラム

①「価値観」イメージ絵作成・グループ内紹介

②価値観ワークショップ・グループ内振返り

③職業興味ワークショップ・グループ内振返り
中高生が、「自分にはどんな仕事が向いているのか?」「自分は人生で何を大事にしたいのか?」を知るグループワークショップを実施。中高生にもイメージしやすい、文化祭の仕事から自分の適職を選ぶなど、誰でも主体となって参加出来る内容で、非常に好評であった。サポートで入った大学生ボランティアも一緒にやることで、自分のライフプランを考えるきっかけとなった。

 

第2部:人生の先輩のお話 Vol.2
講師:キッズドアインタ−ン 大桐千尋 
   営業コンサルタント 宮本聡様 
   NPONGOコンサルタント 浅井美絵様

中高生のキャリアモデルとして、人生の先輩から、自分の高校生活〜現在に至る間のライフヒストリーと、現在の仕事の内容、今後の夢を語ってもらった。まず、普段生徒と接しているインタ−ンの大桐より、自身の就活体験(名取市役所に就職)を通して、安定的な仕事として生徒の関心も高い「公務員になる方法」宮本様からは、以前は人と話すのが苦手で営業職は絶対に向かないと思っていた事、最初の仕事は,地元で安定している大きな会社ということで鉄道会社に入ったら、「電車の運転手」になったことなど、自分の思っているようにはならないが、その時その時で頑張ることで人生が切り開けることをお話いただいた。浅井様からは、 NGO、NPOと一般企業を行き来した体験から、それぞれの特徴や良さを語っていただいた。

活動の成果

・壮行会、第1回キャリア教育スクール、第2回キャリア教育スクールを通して、のべ60名の中高生、およびボランティアとして参加した大学生16名に,自分の将来を考える場を与えることができた。

・       受講した中高生は、震災の直接被害、間接被害により経済的に厳しい状況にある中学3年生(新高1)であり、キッズドアの無料学習会に通い高校には進学したものの、その先の進路が考えづらい状況であった。第1回では、ゲームを通して、高校中退が非常にリスクが高いことや、一度自分のライフプランをはずれても戻るチャンスがあること、また、より良い仕事につくには資格取得など勉強が重要であることなどを理解した。また、その後の講師のお話では、お二人とも、地元の先輩であり、自分たちよりも波瀾万丈な過去を持ちながら、現在非常にイキイキとお仕事をされている姿に、多くのものが伝わった。

・       第2回は、ワークショップを通して、自分が人生で大事にしたいことや、興味のある仕事の分野などを知ることができた。大学生と一緒に非常に熱心に取組み将来を具体的に考えるきっかけとなった。その後の講師の話では、公務員、営業、人材派遣会社、NGO等具体的な仕事の内容を聞くことが出来た。

 

生徒のアンケートから

・       大学進学後も人生は続いていくので辛い事挫折する事があるかもしれないが、そういう時こそ粘り強く頑張っていこうと思った。

・       新しい事を始めるということには多くの不安がつきまとうが、それにも関わらず進んで挑戦している姿勢がすごいと思った

・       安定した人生も素晴らしいですが、様々な事に挑戦し考えて作っていく。大変かもしれませんがこのような人生を生きると人間は大きくなれるような気がしました。何事も行動していく事が大事だなと思いました。

・       高校生活をしていく上でわからない事がたくさんでてくるかもしれない。その時に相内さんが大事にしている言葉を思い出して考えてみたいと思いました。

・       中学の先生が高校では自分から行動しないとダメと言っていた。渡辺さんも自分から行動してきたと思うので、自分も行動できるようにしたい。

・       自分も家族の雰囲気が悪くなるところがあるので、どこも一緒なのだから自分も周りと同じように何かできると思ったから

・       自分の今いる環境をどんどん自分で変えていこうとする姿勢が、とても素敵で勉強になった。なんとなくで人生を進んでいるのではなく、自分の進む道を自分で選択している姿勢がとても刺激的だった。

・       誰もが嫌がることを進んでやってくれる人は負けくじだ、という様な話があったが、結局はそういう人が一番大きなものを得ていたりするので、進んで嫌がることをしたり、負けくじを引けるようになりたいと思ったから。

 

■    助成事業終了後の成果

キャリア教育を受けた中学3年生は、高校進学後も、熱心にキッズドアの自習室に通って勉強している。最初の定期テスト前には20名近くの高校生が通ってくれ、教室が手狭になるほどであり、高校生活を大事にしなければいけないということが伝わっていると実感している。

震災により、直接間接に経済的被害を受け、低所得にある中学生、高校生たちに、充実したキャリア教育のプログラムを実施することが出来ました。キャリア教育を受けた生徒たちは、自分の将来について前向きになり、自分を大事にしながら高校生活を頑張っています。ありがとうございました。

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