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子どもサポート基金助成団体レポート

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特定非営利活動法人 故郷まちづくりナイン・タウン

宮城県南三陸町と登米市における、環境教育や実践を通じた住民との協働による子どもの人材育成活動
震災により地域力が弱まっている社会の中にあって、子どもの健全な育成を図り、次期リーダーを育成するために、南三陸町と登米市の親子を対象に、学校や地域住民と協働して、自然環境に親しむための学習支援として星空観察と環境教育活動、環境改善活動に取り組み、力強いコミュニティづくりにつなげるための活動とする。

基本情報

活動期間 2015年4月~2016年3月
活動地域 宮城県南三陸町 宮城県登米市 
支援人数 243名
活動人数 スタッフ4名、ボランティア29名
連携団体 甲陽株式会社 Studio S.
佐沼天文同好会
特定非営利活動法人 夢未来南三陸

写真

  • 環境教育・講話「水を知る」
  • 環境教育・お濠の水質改善活動
  • 星空観察会1・天体観察
  • 環境教育と星空観察会(手作り望遠鏡)

活動の背景/内容

活動の内容

津波による影響を受けた沿岸部、地震の影響が残る内陸部は、地域力が弱まり、社会の仕組みが崩れてきているため、子どもたちの成長が著しく妨げられている。その中で、自然に対する恐怖感を和らげ、子どもたちや家族、地域住民が一緒に地域の自然に接し、環境について取り組むことで、地域課題を解決するきっかけをつくり、以下のスキルを持ち合わせた地域リーダーを生み、育てる必要がある。

① 地域の中で協力することを実践・経験を通じて学び、将来の地域リーダーとして必要なスキルをもった人材

② 地元の自然環境について知り、考え、自らが環境保全や自然共生の実践者になっていけるような人材。

③ 地域との接点を強めることで、郷土愛や地元意識を強め、成長した後もふるさとへの愛着を無くさず将来、地域活動に積極的に参加できる人材。

自然との共生が豊かな暮らしを作る原点であることを考える機会の中で、一つの命は多くの人や動植物との関係があってこそ成り立っていることを理解し、命の尊さを感じられる思いやりをもった人材。

活動の内容

以下のように未来教室として環境教育と星空観察会を実施した。

■環境教育

 第1回 6月18日 講話「水を知る」を実施。石森小学校4年生21名が参加。

 第2回 6月23日 講話「水を知る」を実施。上沼小学校5年生33名が参加。

 第3回 7月8日  お濠の水質改善活動を実施。石森小学校4年生21名が参加。

 第4回 9月29日 講話「水を知る」を実施。宝江小学校6年生19名が参加。

 第5回 9月29日 講話「水を知る」を実施。浅水小学校4年生21名が参加。

 第6回 10月1日 お濠の水質調査及び生き物調査を実施。石森小学校4年生21名が参加。

登米市環境市民会議と協働。

■星空観察会

 第1回 6月27日 登米市石越公民館にて、小学生14名、幼児1名、大人11名が参加。

 第2回 9月20日 登米市北方公民館にて、小学生23名、幼児3名、大人21名が参加。

 第3回 10月24日 南三陸町平成の森アリーナにて、小学生8名、幼児1名、大人8名が参加。

 第4回 11月7日 登米市中津山公民館にて、小学生11名、幼児2名、大人12名が参加。

 第5回 1月17日 南三陸町入谷公民館にて、小学生5名、幼児1名、大人7名が参加。

 第6回 2月13日 登米市登米公民館にて、小学生22名、幼児5名、中学生1名・高学生1名、

          大人22名が参加。

活動の成果

環境教育講話「水を知る」は今年も多くの子どもたちが聴講し、学習した。

登米市内では3年前から石森小をはじめに実施しており、今年度はさらに市内の各小学校に定着した。

石森小や隣接学区の上沼小では年次計画に組み込まれ、「水」をテーマに、世界の水事情や、自分たちは恵まれた環境にいること、世界の同世代の子どもたちの生活との比較、夢を実現するときの心構えや考え方を学んだ。上沼小からはその後、講師宛に感想文が贈られた。これまでの実績も含めると、両校の4年生から6年生までの全員(165名)が学んだこととなった。

昨年度初めて実施した宝江小、浅水小(2校とも隣接学区)からは「是非、今年度も実施して欲しい」と、期間を指定されてのリクエストがあり、当初計画にも変更後の計画にも無かったが対応して、より多くの子どもたちに学習機会を提供した。宝江小も4年生から6年生までの全員(53名)が学習したこととなった。

このことは地域における未来教室の趣旨が理解され、一定の評価を受けている証とも言え、大きな成果と言える。

南三陸町では公募による参加を募り、特に家族での参加を呼びかけた結果、7名の子どもが親子で聴講し、学習した。家族と一緒に聴講することは初めてのケースだったが、子どもが理解しにくいところは親が優しく解説を加えたり、講話終了後、環境教育に関心がある家族から質問があったり、学校での研究テーマにしたいという声があるなど、家族で取り組む様子が見られ、小学校での実施では得られない効果があった。

さらに、地方紙「河北新報」6月24日付朝刊への掲載や、宮城県内の小学校を通し、すべての家庭に配布される「エコファミリー新聞」への掲載など(12月15日発行・11万部)、当活動がきっかけとなり、家庭で環境や地域の自然の豊かさを考える機会が増えている。

石森城お濠の水環境改善活動では、浄化作用があると言われる鉄炭缶詰づくりや、生き物調査、水質調査を石森小4年生が実施し、水環境の変化について学習した。さらに、登米市環境市民会議の方々がボランティアとして参加されたことは、地域で子どもたちを支えることを考えていただく機会となった。

その活動中に、教室の水槽で飼っていたメダカが全滅したと相談があったため、新しい水槽づくりを行うために、その飼育係となっている4人グループを中心に遠征して、日本在来種のタナゴ、タニシ、エビ、二枚貝を調達しながら飼育環境を学び、学校と協働で、現在も継続して飼育し、現在も機会があるごとに情報提供している。今後、環境保全リーダーとして活躍する人材として活躍の場を設定し、育成したい。

星空観察会については、南三陸町歌津地区で1回、さらに南三陸町内に募集範囲を広げた「月をみる会」を企画し、1回実施した。登米市内では4回の実施となった。

歌津地区での実施では、近隣の小学校や特定非営利活動法人夢未来南三陸に事前説明をして理解を頂き、広報のお手伝いをして頂くなど、子どもたちの学びの場の下地を作ることができたことは大きな成果であった。当日は雨天であったが、登米市で行っている実績のあるプログラムを南三陸町で展開したこと、参加のほとんどが親子だったことは、星や宇宙のことを身近に感じてもらうとともに、親子共通の話題作りや、地元の自然について一緒に考えるきっかけづくりとなった。2回目となる「月をみる会」は、同じ日に行った講話「水を知る」の後に継続して実施。望遠鏡を家族と一緒に手作りし、その場で本物の月を作った望遠鏡で観察したことは、親子の話題作りや環境に対する関心を深めるだけでなく、それを持続することができる「道具」を提供することができた。

登米市内ではかなり定着しており、子どもの参加数は、のべ83人であった。今年度は実施地域の住民ボランティアなどの関連団体との連携、相互理解が深まり、家族単位で地域の自然や宇宙に関する話題を提供した。その結果、4回目となる登米公民館では、定員をはるかに超える申し込みがあり、子どもたちの学びや自然環境に対する意識の高さが表れた。

この度は、昨年度に引き続き、多額のご支援を頂きまして、誠にありがとうございました。2年に渡るご支援の結果、活動の継続と領域の広がりがなされ、参加者を中心により一層、活動の理解と定着が図れました。特に今年度は、隣接する南三陸町で活動することができたのは大きい一歩でした。その中で新しい課題も生まれましたが、今後、活動の中で問題を解決しながら、最終目標を目指してまいります。本当にありがとうございました。

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