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子どもサポート基金助成団体レポート

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特定非営利活動法人ボランティアインフォ

宮城県多賀城市を中心とした高校生等のためのボランティア教育支援活動g
宮城県沿岸部では東日本大震災で社会課題が顕在化している。またボランティア活動の存在が身近にある今、将来を担う高校を対象にボランティア教育を実施する。既存のボランティア体験を超え、自身で社会課題と向き合い、解決策を考え、ボランティアという手法で解決するところまでを行う。

基本情報

活動期間 2015年4月~2016年3月
支援人数 20名
活動人数 スタッフ3名、ボランティア5名
連携団体 多賀城高校
NPO法人せんだい・みやぎNPOセンター

写真

  • ボランティア体験
  • 高校生企画集合写真
  • 振り返りワークショップ

活動の背景/内容

活動の内容

(活動地域の状況)

社会課題が顕在化したにも関わらず、震災前に行われていたボランティア活動をそのまま実施している状況である。

震災をきっかけに各地でボランティア活動が頻繁に行われたことでボランティアは身近になった。

また、目の前の社会課題を解決したいと思いボランティアに興味をもつ高校生が増えた。しかし高校生が参加できるボランティアは少なく、今まで与えられた活動しかしてこなかったが故に自身で活動を起こしている事例は少ない。

(解決を目指した課題)

活動予定高等学校でのボランティア活動が展開される中で指導上で見出された次のような課題

・各活動の事前・事後指導

・ふさわしい活動の精査

・地域でのニーズのタイムリーな把握と効果的な情報提供

・募集団体と活動生徒との条件仲介

(育てたい人材育成像)

・高校卒業後、進学や社会に出ていく中で、地域を離れてしまった場合でも地域に残っている場合でも、その環境かかわらず、自分の育った地域に関しての課題意識を持った視点を持っている。

・課題解決に気づくことのでき、リーダーシップを持って、地域課題解決のため自発的に率先して行動できる。

・協調性を持ち、解決したい課題や非常時などに仲間を募り、仲間とともに行動していくことができる。

・自らの専門性をもとに災害などの緊急時に率先し、その専門性を活かした行動ができる。

・将来、持続可能な開発のための次世代を担う人材。また、自身の活動などを情報発信することで周囲を巻き込みながら行動できる。

活動の内容

○2015年4月

・全校生徒向けボランティア説明会(参加者800名)

2015年度から多賀城高校にて実施されるボランティア単位認定に関する説明と、多賀城高校で行うボランティア教育プログラムの概要説明。

○2015年5月

・多賀城高校ボランティア教育プログラム「ボランティアセミナー」説明会(参加者40名)

多賀城高校にて実施のボランティア教育プログラムの実施内容詳細と参加方法、質疑応答の実施。

・第一回ボランティアセミナー「ボランティア体験紹介ワークショップpart.1」(参加者19名)

プログラム内STEP1に該当するボランティア体験をするための事前ワークショップ。こちらで厳選したゴミ拾い、子ども支援、音楽イベントなど様々な種類のボランティア体験を紹介。

・ボランティア体験(参加者のべ21名)

仙台greenbird(街中掃除)、西公園プレーパークの会(子どもの居場所づくり)、ベガルタ仙台(スポーツボランティア)、PARK ROCK ISHINOMAKI(フェスボランティア)、松島PARK FES(フェスボランティア)にて高校生ボランティア体験を実施。

 

○2015年6月

・第二回ボランティアセミナー「ボランティア体験振り返りワークショップ」(参加者10名)

■ファシリテーター:桃生和成(NPO法人せんだい・みやぎNPOセンター)

プログラム内STEP2に該当する5月から6月にかけて行ったボランティア活動を振り返るワークショップ。ボランティア活動をしての意見・感想の聞き取り、共有を目的として実施。

○2015年7~8月

・第三回ボランティアセミナー「ボランティア体験紹介ワークショップpart.2」(参加者10名)

プログラム内STEP1に該当するボランティア体験をするための事前ワークショップ。こちらで厳選した多賀城市や周辺地域での様々な種類のボランティア体験を紹介。

・ボランティア体験(参加者のべ14名)

やましたさんとみんなの工作教室(仮設支援・子ども支援)、七ヶ浜UMIHAMAそうじ(ビーチクリーン)、七ヶ浜ビーチフェスティバル(フェスボランティア)にて高校生ボランティア体験を実施。

○2015年9月

・第四回ボランティアセミナー「ボランティア体験振り返りワークショップ」(参加者6名)

■ファシリテーター:桃生和成(NPO法人せんだい・みやぎNPOセンター)

プログラム内STEP2に該当する7月から8月にかけて行ったボランティア活動を振り返るワークショップ。ボランティア活動をしての意見・感想の聞き取り、共有を目的として実施。

・第五回ボランティアセミナー「地域課題を考えるワークショップ」(参加者10名)

■ファシリテーター:桃生和成(NPO法人せんだい・みやぎNPOセンター)

プログラム内STEP3に該当する地域課題や社会課題を考えるワークショップ。多賀城市内で課題意識を持って、街づくりやそのお手伝いをしている方々を招いて、それぞれの活動に関して聞いてから、自分たちで考える地域の課題について、ワークシートに従って考えていった。

○2015年10月~12月

・第六回ボランティアセミナー「地域課題と向き合うワークショップ」(参加者のべ41名)

■ファシリテーター:桃生和成(NPO法人せんだい・みやぎNPOセンター)

プログラム内STEP4に該当する課題を解決するためにどのような手法があるかを考えるワークショップ。計5回実施(※細かい打ち合わせの実施回数除く)

・第一回高校生ボランティア企画「読み聞かせ、工作教室」(参加者6名、場所:多賀城市市民活動サポートセンター)

プログラム内STEP5に該当する課題解決のために高校生が実践を行う企画。第一回は高校生が地域課題と向き合った結果として、「地域支援と子ども支援をしたい」という1つの意見を持ったセミナー参加者の高校生がセミナー参加者以外からもボランティアを募り、行った企画。

・第二回高校生ボランティア企画「フットサル大会」(参加者3名、多賀城市体育館)

プログラム内STEP5に該当する課題解決のために高校生が実践を行う企画。第二回は高校生が地域課題と向き合った結果として、「子どもの遊び場支援をしたい」という1つの意見を持ったセミナー参加者の高校生がセミナー参加者内でメンバーを募り、自分たちだから出来る子ども支援の形として父親がフットサルの講師をしているということからフットサル大会を行うことを考え、実施した企画。

・第七回ボランティアセミナー「高校生企画振り返りワークショップ」(参加者9名)

【第一回企画】内容事前準備はある程度できていたものの、集客に関してが出来なかったという反省点を中心に仮に次回行うことがあったら、どのような形で行うことで自分たちが解決したかった課題に対してアプローチ出来るのかを話し合った。話合いの結果として、目的は変えず、手法などを変更して再度課題解決のためにアプローチしたいという結果になり、第三回高校生企画検討に入る。

【第二回企画】第一回企画同様に集客面での反省点はあったが、企画当日同会場にいた子どもなどを誘うことで参加者を確保でき、子どもの遊び場支援をしたいという課題に対してはアプローチ出来たとして、第一回企画をしたチームとは異なり、ここでいったん活動を完了させた。

○2016年1月~2月

・高校生ボランティア企画相談会(参加者4名)

第三回企画実施に向けて前回の改善点も踏まえて、自分たちで行う分と大人に頼みたい分を精査して、お互いの役割分担にあったアプローチを行った。

・高校生ボランティア企画内容検討会(参加者4名)

高校生が放課後や休日に時間を作り、企画内容について検討を行った。検討の結果、2016年度より災害科学科が設置される多賀城高校の特色を生かしつつ、地域の子どもに楽しい時間を提供できる企画を行いということで、「家族で防災!わくわくサバメシ体験」というサバイバル飯を家族で調理したり、防災にまつわるクイズを行ったりする企画を考案した。

・高校生ボランティア企画営業

ボランティアインフォスタッフが、復興庁や文部科学省、宮城県教育委員会、多賀城市教育委員会、多賀城市などに第三回企画実施に向けて、後援申請の獲得や小学校などへの周知に対して営業を行った。

○2016年3月

・第三回高校生ボランティア企画「家族で防災!わくわくサバメシ体験」(参加者4名、高校生ボランティア21名、場所:多賀城市中央公民館)

全体で21家族(大人28名、子ども30名)が参加した第三回目の高校生企画のボランティア企画。参加家族に対して、一緒にサバメシを作ったり、高校生が考えた防災クイズに家族で回答してもらったり、防災グッツの展示や体験コーナーを設けたりした。

・第八回ボランティアセミナー「高校生企画振り返りワークショップ」(参加者4名)

【第三回企画】準備段階からチームワークをしっかり取れていたことや、役割分担を出来ていたという良かった点が意見として出てきていた反面、当日の段取りや運営の在り方などが課題としてあげられていた。

・第九回ボランティアセミナー「ボランティアセミナー最終振り返りワークショップ」(参加者6名)

■ファシリテーター:桃生和成(NPO法人せんだい・みやぎNPOセンター)

高校生ボランティア企画第一回から第三回までの企画立案を行った参加者に集まってもらい、座談会形式で一年間の活動の振り返りを行った。今までの活動で楽しかった点ややりがい、難しかった点などについて話し合い、この活動を経て自分が変わったと感じることに気付いたり、将来の夢の話をしたりしました。

活動の成果

【定量的な成果】

実施校 1校、高校生参加者 総23名(※説明会参加者を除く)、高校生企画 3本

【活動に対する支援対象者からの声※抜粋】

○ボランティア体験後の振り返りワークショップ

・思っていたより多くの人がボランティアに参加していた。
・思った以上にボランティアの幅が広がった。
・「ありがとう」と言われるような活動をしたい。
・たくさんの人の陰での支えがあってイベントが成り立っていることが分かりました。
・ボランティアをしている人は明るい人が多く、とても楽しいと感じた。

○地域課題を考えるワークショップ

・多賀城市でも地域愛を持って活動をしている人がいるとわかった。
・自分が知らないだけで地元にも色々な活動があることがわかった。
・地域での地域の人が交流できる場所が少なくなっていると感じました。
・子どもの遊び場が少なくなっているのを感じた。
・多賀城市のことで知らないことがたくさんあった。

○地域課題と向き合うワークショップ

・地域の人が交流できる場所を作りたい。
・子どもの居場所づくりをしたい。
・子どもがおもいっきり身体を動かして遊べる場所を提供したい。

○高校生自主企画後の振り返りワークショップ

[第一回]

・宣伝をちゃんとしておけばと後悔した。
・経験を得られたので、今後に生かしたい。
・告知部分以外の順議はスムーズに出来た。

[第二回]

・自分たちで企画するのは本当に大変だった。
・子どもと遊ぶことは出来たので、良かった。

[第三回]

・イベント開始直後は、クイズコーナーの雰囲気が明るくなく、子供のテンションを落としてしまった。その後、BGMをかけたりするなど、場の雰囲気を明るくする工夫をした。
・当日急に必要となるもの(準備不足のもの)が無かった。
・準備段階からちゃんとチームワークが取れていた。

○最終振り返りワークショップ

・これまで子どもが苦手だったが、イベント時に子どもに声掛けすることを通して、苦手意識が改善した。
・西公園プレーパークの人たちが子どもたちに安心・安全に遊んでもらえるよう、自分たちで活動を始めたことで今があることを知り、自分たちで動くことの重要性・意味を感じた。
・防災イベントの準備に追われたが、運営の裏側を経験できて良かった。
・これまで複数のボランティア活動を経験してきたが、ボランティアを募集する(頼む)側の気持ちを知ることができ、貴重な経験だった。
・防災イベントを通して、将来子どもと関わる仕事に携わりたいという気持ちを再認識した。

本事業実施、初年度として教育分野での実績等がない中での助成金は本当にありがたく、事業を実施するためのスタートダッシュ、そして、成功事例を構築する上で必要不可欠な部分での資金を得ることが出来、感謝してもしきれない思いでいっぱいです。

そのおかけで、支援の直接的な対象である未来ある高校生に対しても、キャリア形成などにも直接的につながるような活動を展開することが出来ました。この高校生たちが今後の東北、ひいては日本の未来を明るく照らしてくれる存在になることと思います。そのような人材育成の一端を担うことが出来たのも、一重に寄付者の方々や、団体様、企業様があってこそだと思っております。

この場を借りて、支援者である高校生に代わりまして、感謝の言葉を述べさせていただきたいと思います。本当にありがとうございます。

今後活躍していく本事業参加者高校生、さらには本事業以外の子どもサポート基金受援者が未来を構築していくことに対してあたたかく見守っていただくと同時に、スタートダッシュを切らせていただいた本事業を今後とも見守っていただければと思います。

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