2016年06月27日
宮城県石巻市渡波地区における乳幼児と保護者のための一時保育事業
保育サービス機能が不足している石巻市沿岸部において、一時保育を行うことで、子どもと保護者の育児環境の改善と就労に向けた支援を行い、子どもたちと保護者、また地域全体の、生活の再建・再構築を支援し、行政との連携の中で被災地復興のモデルケースとなることを目的とする。
石巻市渡波地区において、2014年度より新しい認可保育所が開設されたが、一時保育の受け入れがなく、特に0歳児の待機児童も多い状況である。また、2015年度から始まる子ども子育て新システムにおいても、蛇田地区に集中して5つの小規模保育所が新設されるにとどまり、当該地区の保育機能が十分確保されていない状況が続いている。「新渡波地区」として約300戸の復興住宅の建設が予定されているこのエリアで保育事業を続けていくことで、当該地域での生活再建に大きく寄与したい。これまで培った信頼関係と専門性において高い評価を受けており、安心できる実績のある乳幼児の受け入れ先として機能していきたいと考えている。
1、一時保育 兼 事務所の運営
<場所>石巻市新成2丁目1番地7サンプレス新成105号
<日時>月~土 8:30~17:00
<内容>就学前の子どもを対象とした保育・育児相談・保育イベント開催
(宮城県には、認可外保育施設として登録)
<定員>10名/1日
<対象> 4か月~就学前
<スタッフ>主任 高橋和美 保育補助 武山恵美、淀香、横江香、葛西由子
他、小規模保育事業移行準備期間に新規スタッフ7名を採用。
2、他団体との連携
<新渡波地区の社会資源との連携>
これまでに培ってきたネットワークを活かし、高齢者デイサービスセンターございん石巻、石巻ひがし保育園さんと交流・または意見交換などをおこなった。
<スタディツアー・ボランティアの受け入れ斡旋>
京都本部での活動で培ったネットワークをベースとし、希望する団体や個人が現地訪問する際のアドバイス・コーディネートを行い、現地視察や物品の寄付を通じた交流を受け入れた。
奈良女子大学・ケアタウン小平デイサービスセンター・沖縄県当山っ子保育学童
1、 小規模保育所への移行計画
子ども子育て支援制度に基づき、当事業が小規模保育所に移行できるよう、情報収集をするとともに、行政に働きかけ、2016年度の認定を目指し、3月31日付で認可された。
当事業が開所2012年5月から3年をすぎ、地域の認知度も高まっていることから、安定した運営ができている。地域に子どもが増えた実感があり、当園を利用される方が増加。年度途中で新規登録をお断りする状況となった。
保護者からは、近隣にあずかってくれるところがないので助かる、という声多数。また、小規模保育園に移行することで、「京都の団体がそこまでしてくれて感謝する」という声も寄せられた。
財団が発足してすぐから、私たち、石巻の保育事業ちるぴよに対して、ずっと継続したご支援を頂きました。
2013年7月に京都から現地入りした時には、「ここでいったい余所者が何をすればよいのだろう」と悩みましたが、自分たちの持つ経験を活かしつつ、石巻の地域の方々とのよい連携を作って事業を進めて参りました。
おかげさまで、この5年間で、3300人を超える子どもたちとその保護者、そして地域の方々への活動を行うことができました。
また、この保育園を続けてほしいというニーズと、続けたいという私たちスタッフの思いをもとに、2016年度には石巻市の小規模保育園として認可を受けることができました。これにより、行政からの運営費で活動できる認可園となり、助成金に頼らない運営をすることができます。活動は、新たな段階へと進むこととなりました。
震災ボランティアから始まったこの活動が、地域に必要とされる施設へと展開できたのは、東日本復興支援財団様にご寄附いただいた皆様のお気持ちと行動があってこそです。
心より、多大な感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。そして、これからもどうぞあたたかい応援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
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