子どもサポート基金 子どもサポート基金特定非営利活動法人にじいろクレヨン

2016年07月06日

展覧会会期中、モザイクタイルのワークショップコーナーを設置し、多くの親子連れが参加した。.JPG

石巻市、東松島市、仙台市の仮設住宅での子どもの居場所作り支援活動 ~アートを通じた子ども達のための心のケア活動

石巻市周辺に住む子どもたちが健全な精神でのびのびと日々を過ごし成長できるよう、安心安全に遊び、アートを通じてストレスが発揮できる居場所を作る。5ヶ所の仮設住宅で各月1回行う。震災によって受けた心の傷や、仮設住宅生活という特異な環境下によって生じる子ども達のストレスを本活動を通じてケアする。

基本情報

活動期間
2015年4月~2016年3月
支援人数
1050人
活動人数
スタッフ5名、ボランティア2名
連携団体
  • 石巻市子育て支援課・他複数課
  • コドモ・ワカモノまちing
  • 石巻専修大学

写真

  • マーブリングの色遊びの様子。水の流れで変わる模様に興味津々で、何種類もの模様を作っている。.JPG
    マーブリングの色遊びの様子。
  • スケッチの様子。数種類の花の形に興味を示して描いている。.JPG
    スケッチの様子。
  • 墨を使った制作の様子。息を使って模様を付けたり、割りばしを使って描いたり色んな墨の表現方法を楽しんでいる。.JPG
    墨を使った制作の様子。

活動の背景・内容

活動の背景

震災以降、知らない者同士が集まった仮設住宅では、地域住民、自治会、NPO団体の支援等により少しずつコミュニティ作りが行われてきた。住民は生活再建に追われ、保護者が子どもに十分に目を向けるゆとりがない家庭も多い。また、時間の経過に伴い、復興住宅への移転が進み、仮設住宅の入居者数も日々変化している。度重なる生活環境の変化に子ども達が精神的に不安定になっている姿も見られる。本活動で、子ども達が安心して安全に過ごせる居場所作りを目指し、子どもや地域住民との信頼関係を築き、共に子どもを地域で見守る環境をつくることを目指した。

活動の内容

◇活動時期:2015年4月1日~2016年3月31日

◇活動内容:

スタッフ3名ボランティア2名のチームが約2時間程度仮設住宅や地域の集会所を訪問し、子どものための居場所作り活動を全60回行った。

◇活動当日の流れ

◇受益者人数:1050名、スタッフ・ボランティア人数433名

毎月第1土曜日 宮城県石巻市しらかし台旭化成パワーデバイス社有地仮設団地

12回のべ216回

毎月第2火曜日 宮城県東松島市ひびき工業団地仮設団地

12回のべ84回

毎月第2水曜日 宮城県石巻市向陽町仮設住宅団地

12回のべ238回

毎月第2金曜日 宮城県石巻市南境第4団地仮設住宅

12回のべ252回

毎月第3日曜日 宮城県仙台市宮城野区高砂一丁目公園仮設団地

12回のべ96回

平成28年3月31日~4月3日 子どもサポート基金作品展の開催

のべ164名の参加

活動の成果

①活動実施回数:全60回  活動場所:石巻市内3カ所、東松島市内1カ所、仙台市内1カ所

 参加人数:のべ1,050名   スタッフ・ボランティア人数:433名

子どもの居場所づくり活動の中にただ遊ぶだけでなくアートを取り入れたことで、暴力的な行動や過剰な甘え行動をとっていた子どもが、落ち着いた表情で制作している姿が見られた。また、活動に参加している子どもと、大人(仮設住民や保護者ら)が、一緒に机を囲みもの作りを行う空間が生まれ、交流する場面も見られた。子どもの作品を観て「素敵だね」「どうやって作ったの?」などと普段は話さない子どもと地域住民の会話のきっかけとなっていた。

 

②作品展開催:1回   開催日数:4日間   開催期間:2016年3月31日~4月3日

開催場所:石巻市大街道「千の杜学びの」ギャラリー   参加人数:のべ164名

本事業の中で子どもたちが制作したモザイクタイル作品を展示し、会期中、制作に携わった子どもと来場者が話す機会もあり、「よく作ったね」などの声をかけられて嬉しそうにしている姿がみられた。また、展示会の様子がテレビに取り上げられたことで、自分の作品を観て喜んでいたとの保護者からの声があった。子ども自身も、映像を見て「私の絵が映ったよ!」と喜ぶ姿がみられた。

 

③活動の充実にむけた取り組み

上半期は、申請時のプログラムを中心に実施。下半期は参加する子どもや住民へのヒヤリングを意識的に取り入れ、参加者が意欲的に取り組むことの出来るアートプログラムを実施。

子どもからは「今日は何するの?」「またやりたい!」などアートを楽しみにしている姿がみられた。仮設住宅で生活する子どもの保護者からは「絵の具など家では汚れることが気になり、なかなかさせてあげられないので嬉しい」「子どもが毎回なにを作れるのか楽しみににじいろに行っている」という声が聞かれた。また、地域住民からは「ものを作ったり、楽しい時間があると子どもも大人も元気になれる」という声を聞くことができた。

寄付者へのメッセージ

2015年度もありがとうございました。本活動により、これまで活動で長く接して来た子ども達のいつもとは違う一面も知ることが出来ました。それにより私たちスタッフの子どもに対する視点を増やすことが出来ました。今回の事業で得たことを活かし、今後も活動してまいります。2016年度もよろしくお願いいたします。

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