子どもサポート基金 子どもサポート基金避難者と支援者を結ぶ京都ネットワーク みんなの手
2013年12月05日
京都府に避難している家族の自立・生活支援
①生活支援―家族再会のため、京都福島間のバスを運行し(2013年8月)のべ72名の参加者
②4月~9月まで就労に向けてパソコン教室を開き、のべ70名以上が参加
③京都府の避難者(特に母子避難の母親)が無理なく働ける場として、内職の提供、物販スペースの提供、販売品の開発協力等を行い、内職事業のベース作り
④避難している子どもたちの英語イベント開催
基本情報
- 活動期間
- 2013年 4月 ~ 2013 年 9月
- 活動地域
-
京都府
- 支援人数
- 200
- 活動人数
- スタッフ 2名、ボランティア 5名
- 連携団体
-
- 京都YMCA (家族再会プロジェクト)
- 佛教大学 社会福祉学科(家族再会プロジェクト)
- Afterschool Lessons for Tohoku Children(英語イベント)
活動の背景・内容
活動の背景
避難者は避難生活の長期化に伴い、経済的に厳しい生活を余儀なくされています。京都には、福島県ら公的ルートで約600名近くが避難していますがほとんどが母子避難です。東電からの補償金も家計を支える額には不十分です。特に、未就園児や幼稚園児、小学校低学年の子供をもつ家庭は母親が就労するのが難しく、経済的に逼迫しています。父親と会うための交通費の負担や二重の生活費により、生活費が足りないとの声も上がっています。そこで、震災前の生活に近づけるための生活支援とそして自立・生活再建も視野に入れた就労支援などの子育て環境サポート事業を行いました。
活動の内容
家族再会バスの運行(京都→福島間のバス運行)2013年8月8日(金) ~ 8月16日(木)
京都から福島間のバスを2往復運行して、福島から家族が、また京都から里帰りをした家族がお盆を避難元もしくは避難先で過ごしました。
就労に向けてパソコン教室 2013年4月~9月
避難者、特に、母子避難している母親を対象に、就活にも役立つパソコン教室を開催しました。4月からは月に1・2回程度を6月中旬からは毎週1回、パソコン講師を派遣し、ワードとエクセル講座を2時間ずつ実施しました。
働ける場(内職)の場の提供 2013年5月~9月
外で働く時間がない避難者のために、内職→物販ができるような環境作りを行いました。1階のカフェスペースで販売できる品物を家で作成できるような講習、ミシンの貸出、販売品の開発、販売スペースの提供などを行いました。
子どもたちの英語の習い事支援 2013年5月
避難してきた子どもたちに、英語の習い事支援を行う。英語に慣れ親しむイベントを開催。
活動の成果
家族再会プロジェクト:のべにすると大人50名、子ども22名がバスを利用しました。バスの利用者は、会津若松市、郡山市、福島市、いわき市、石巻市、仙台市からの避難者家族であり、ほとんどが、母子避難者でした。「本当にありがたい。家族と共に過ごせることが何よりです。」「子どもがいるので、なかなかバスなどを利用できません。同じ住宅の友達と一緒に帰れるので子ども飽きずに帰れました。ありがとうございました」「避難者と一緒に帰れるのがいい。安心感」「ずっと継続してやってほしい」などの声をいただきました。
パソコン教室:毎回5名から7名ほどがワードとエクセルなどのパソコンスキルを学びました。仕事で使ったことがある方はスキルアップを図られ、ずっとパソコンで触っていない方は思い出して、即座にドキュメントが作成できるようになり、また一度もパソコンをしたことがない方は、最後にはワードのドキュメントが作成できるようになりました。参加された方からは「前はよく使っていましたが、パソコン教室のおかげで仕事に役立てるスキルがつきました」「楽しかった」「子どもも連れてきてよかったので助かりました」「他の避難者と交流もできたのでよかった」「エクセルの先生がわかりやすくとても学べた。ありがとうございました。」「インターネットの使い方やほかの講座もして欲しいです」との声をいただきました。
内職の支援のほうは、まず、開いた講座が着物地を使って着物姿のミニチュア版を作るという手縫いやミシンで縫い仕事でしたがあまりにも高度の技術を要するものだったため、講習途中にして参加者全員がやめてしまいました。その後、気軽に作れる物を販売していただこうと、ミシンの貸出や物販スペースの提供、販売物の開発などを行った結果、参加者の和が広がるようになりました。今後は、これまで作成してきた方が他の避難者に簡単な小物の作り方を教えて販売物を作れるようにと、支援対象者を広げていく予定です。
習い事支援ですが、英語に慣れ親しむイベントを行いました。未就園児~小学生まで15名が集まりました。「楽しかった」「続けて欲しい」「親も参加できて嬉しかった」などの声。その後は定期的に行うことができませんでした。
寄付者へのメッセージ
皆様、子どもサポート基金に寄付いただきありがとうございました。皆様からいただいたお金を大切に使わせていただきました。
震災から2年7ヶ月が経ち、震災の記憶が風化する中で、今でも、避難生活をし続けている被災者がいます。震災の傷跡を癒しながら、子どもを抱えながら何とか生きようと頑張っている母親たちがいます。避難者が以前と同じようにとはいかなくても、今後の生活の再建、再スタートを切るために、家族との絆作りや就労支援などを通じての子育ての環境作りのサポートを行わせていただきました。
私たちの活動は小さなものですが、おかげさまで、京都に避難している数十世帯が家族と再会でき、再就職するためのスキルを身に付け、生活費を自らの手で得ることができました。
ひとえに、皆様、そして皆様と私たちをつないでくださる東日本大震災復興支援財団様のおかげと思っております。いつか、避難者が311前の当たり前の生活ができるように、再生への道を歩めるようにこれからも震災の被災者に寄り添う活動を行って参りますので、今後ともご支援・ご協力の程をよろしくお願い申し上げます。
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