2013年12月09日
岩手県久慈広域地区の子ども達の為の人材育成事業「コトバノチカラ」プロジェクトの実施
次世代を担う子ども達を育成する取組みとして、著名な方の話を聞く機会を提供する「コトバノチカラ」を実施するもの。高校生らに久慈では拝聴する機会の少ない各界で活躍している講師の話を聞く機会と、講師を交えたワークショップを開催した。1回目は久慈工業高校、2回目は高校生対象の募集型として、講演会を2回開催。講師が仕事を志した理由や仕事のやりがい等に触れた講演を通じ、高校生に将来選択の多様さ、震災復興にどのように携わるべきかといった意識を醸成することができた。
東日本大震災により甚大な被害を受けた野田村の復興支援として久慈高校時代の同級生が集まり「チームねまる」として、野田村さくらまつりを開催。この取組みを契機に、子供達が夢と希望を持てる地域づくりに取り組もうとの議論がなされ、郷土に誇りと夢を持つことができる地域にしていくために、人材育成と地域経済の活性化に関する事業を行なうため、NPO法人を設立。大震災に直面した子供達は、地域のために自分達ができることは何があるかという事を、短期的のみならず、中長期の視点で考えていることを教育現場からも聴き、高校生を対象に各界で活躍する講師の講演を行なうことにより、将来の選択を積極的に行動していくことができるようになるきっかけの一助になることを目的として「コトバノチカラ」プロジェクトを開催。
4月30日:第4回「コトバノチカラ」講演会開催
9月29日:第5回「コトバノチカラ」講演会及びワークショップ開催
4月〜9月
・ 「コトバノチカラ」プロジェクト開催に向けての企画内容、及び役割分担の打合せ
・ 講師選定、依頼
・ 講師との打合せ
・ 久慈工業高校との打合せ
・ 久慈保健所との打合せ
・ 久慈管内にある高校との打合せ
・ 講演用各種資料作成
・ 機材準備
・ アンケート回収と内容精査
講演会終了後のアンケート結果からは、講演内容に対して、「建築家という仕事内容は設計するだけではないことを知った」「建築は建てる人の立場にたった発想が必要だし、どの仕事に共通していることがわかった」「次回は自分の専攻分野の講師の話も聞いてみたい」(第4回)、「食に興味があって参加したが、将来自分が社会に出たときにどう頑張るべきかをヒントとして頂いた」「講師の方は父親の死による廃業などつらい経験から今に至っていて、自分もこれから沢山の経験を乗り越えて良い大人になれるよう自立していきます。将来のためにすごく良い経験をきくことができました」(第5回)。また外部スタッフとして参加頂いた人からは「子ども達のためにという活動がすばらしいことだと思った。未来につながる希望がもてる活動だと思う。外に出ると戻ってこないと嘆くより、戻ってきたくなる場所にすること。今、私達が住み続けることが大事、若い人達がこの地に戻ってきて自分の手でみつけてくれる事、つくりあげてくれる事に期待して、皆さんの活動を続けてくださることを願います。」との意見を頂いた。
第4回、第5回のコトバノチカラ事業を通じて、自分達の未来を考え、地域の将来を想い、事業目的である郷土に夢と誇りを持ち、豊かな感性を育むきっかけとなることが、少なからず達成できたのではないかと考える。また、高校側からの事業依頼、久慈保健所との共催での開催依頼があったことから、地域において、北いわて未来ラボの活動について理解と協力が進んできていることが感じられた。
助成を受けて、今回2回の講演会を開催することができました。震災後設立したこのNPOでは、未来を担う子供達が夢と希望を持てるような地域づくりに取り組もうと、人材育成と地域経済の活性化に関する事業を行なっています。
「コトバノチカラ」プロジェクトは、高校生を対象に各界で活躍する講師の講演を行ない、将来の選択の幅をひろげ、積極的に行動していくことができるようになるきっかけの一助になることを目的に開催しています。これからは事業対象を高校生のみならず、中学生にもひろげていきたいと考えています。
大震災は私たちを育ててくれた地域を大きく変えました。しかし、乗り越えて少しでも前に進みたいという気持ちを多くの人達が持っています。特に震災以降、高校生達が自分達の育った地域のために何ができるかを考え悩み、そして進学や就職で地域を離れてしまうことでいいのかという想いを抱いている生徒が増えたという話を、講演会開催の打合せ時に学校側から聞いています。大震災を経験した高校生たちも今年度で卒業になります。多くの皆様の善意が地域を支えてくれていることを、事業を通じ伝えることができたと思っています。
また久慈地域の中学校では震災教育とキャリア教育に重点をおいており、コトバノチカラ事業を期待している現状もあり、今後の事業展開について、中学生を対象にしたものも開催していきたいと考えています。
一方では、教育現場における予算額の少なさから、自主事業として実施できない学校側の事情、私達北いわて未来ラボの財政状況からも助成金なしでの開催は非常に難しいものがあり、財団からの助成があることで、コトバノチカラ事業を行えています。未来を担う子供達にとって、久慈地域の教育現場においては依頼する事ができない講師からの、未来へとつながる今の自分のありようを考える機会を創出していくことは大きな意義のあることで、助成を頂き、昨年9月より通算5回開催できたことに、あらためて感謝申し上げます。
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