2016年08月12日
石巻地域の子どもたちによる情報発信活動|石巻日日こども新聞
東日本大震災という1000年に1度の経験をした子どもたちが、経験をトラウマにせず、経験から生まれた気づきを表現して生きる力に変えることを目的に、表現のスキルを磨くためのワークショップを開催、表現したものを発信するメディア「石巻日日こども新聞」を発行することにより、次世代へ、地域の外へ、震災の記憶を伝え、将来の災害への備えを訴える。
東日本大震災から5年経ち日常生活が戻ってきているが、仮設住宅から巡回バスによる通学が今なお一部行われており、震災前からの少子化・人口減少に、震災後の居住区域の変化が相まって学校の統廃合が始まり、学習や教育の環境が整わない面、震災による家庭の経済的事情の変化など、日常の程度に格差が現れている。しかし、もはや支援される立場から、自立し、さらには支援する立場に変化していくことも望まれる。自らの将来を環境まかせにするのではなく、多様な状況、価値観を受け入れ、今ある環境で、ひとりひとりの子どもたちが能力を見出し、磨き、前に進んで行くことを後押しする地域社会であるために、子どもも大人も受け容れられ共に活動することのできる居場所となること、子どもと地域のためのメディアとして、子どもたちの未来を拓く活動として、認知されることを目指していく。その意味において、郷土に愛着をもち、社会の問題を解決し、未来を築く、「自ら行動する子どもたち」を育てていきたい。
▶︎ワークショップ
2015年4月より2016年3月までの土曜日にワークショップを開催。
合計53回、参加者のべ425名(詳細別添のとおり)。
日程 内容 参加者数
1) 4月4日 (土) 広島取材報告会+プログラミング講習 12名
2) 4月11日 (土) 取材準備+記事執筆 10名
3) 4月25日 (土) 女の子スパイいしのまき収録+記事作成 4名
4) 5月2日 (土) こども記者魂6+イギリス生活プレゼン 6名
5) 5月9日 (土) クラフトデザイン① 9名
6) 5月16日 (土) クラフトデザイン② 9名
7) 5月23日 (土) クラフトデザイン③ 4名
8) 5月30日 (土) 校正+女の子スパイいしのまき収録 5名
9) 6月14日 (日) 太鼓サークル「蛍」との交流 3名
10) 6月20日 (土) 編集会議+アートインクルージョン 6名
11) 6月25日 (木) 取材準備@赤井小学校 5名
12) 6月27日 (土) 海中モンスターを作ろう!① 9名
13) 7月4日 (土) 海中モンスターを作ろう!② 7名
14) 7月8日 (水) 記事作成@赤井小学校 5名
15) 7月11日 (土) 取材準備 6名
16) 7月18日 (土) こども記者魂7 8名
17) 8月1日 (土) 石巻日日こども新聞社 8名
18) 8月8日 (土) ロシア語で顔文字を作ろう!① 7名
19) 8月15日 (土) アートインクルージョン+記事作成 7名
20) 8月22日 (土) ロシア語で顔文字を作ろう!② 8名
21) 8月29日 (土) 校正+アートインクルージョン 11名
22) 9月5日 (金) 印刷 4名
23) 9月6日 (土) 発送 5名
24) 9月7日 (日) 取材準備@大曲小学校 6名
25) 9月10日 (木) 振り返り&講評@赤井小学校 5名
26) 9月19日 (土) ネパールたまごプロジェクト 9名
27) 9月26日 (土) 編集会議 12名
28) 10月3日-4日 イシノマキコムこども新聞社 10名
29) 10月10日(土) 若宮丸探検隊 8名
30) 10月10日(土) 取材 雫石巌様、菅原和範様@大曲小学校 6名
31) 10月17日(土) 石巻日日こどもコラム 3名
32) 10月31日(土) 石巻日日こどもラジオ 5名
33) 11月1日 (日) 記事作成@大曲小学校 7名
34) 11月7日 (土) 若宮丸探検隊 8名
35) 11月14日(土) 若宮丸探検隊|大沼剛宏様|つながる湾プロジェクト 8名
36) 11月21日(土) 校正+若宮丸探検隊 7名
37) 11月22日(日) 子どもの権利条約フォーラム2015分科会 2名
38) 11月28日(土) 校正+若宮丸探検隊+模擬選挙 5名
39) 12月6日 (土) 発送+こども忘年会 13名
40) 12月13日(日) 若宮丸探検隊 5名
41) 12月19日(土) 若宮丸探検隊|紙芝居上演① 9名
42) 1月9日(土) 編集会議 7名
43) 1月16日 (土) 若宮丸探検隊|紙芝居上演② 16名
44) 1月23日 (土) こども商店 7名
45) 1月30日 (土) こども商店 10名
46) 2月6日 (土) FUTATABI MUSEUM 12名
47) 2月9日 (火) 取材準備@二俣小学校 38名
48) 2月13日 (土) 石巻日日こども新聞社オープニング記念紙芝居上演③ 7名
49) 2月20日 (土) 読書会 9名
50) 2月27日 (土) 校正 8名
51) 3月5日 (土) 発送 13名
52) 3月19日 (土) 編集会議+ネパールへのメッセージ灯篭作り 7名
53) 3月26日 (土) 取材報告会 5名
▶︎取材
2015年4月より2016年3月までに41回実施、参加者のべ116名(詳細別添のとおり)。
日程 相手先 参加者数
1) 4月7日 (火) 松島水族館 1名
2) 4月18日 (土) 禅昌寺 9名
3) 4月25日 (土) 阿部和夫様|石巻芸術文化振興財団理事長 1名
4) 5月5日 (火) 菊池紀子様|わたのはコスモス短歌会主宰 1名
5) 5月16日 (土) 田中鉄太郎様|FUNADE Studio代表 1名
6) 6月4日 (木) 石巻小学校|桜311プロジェクト 1名
7) 6月13日 (土) 佐藤昭様、ハルミ様|元漁船員 1名
8) 6月27日 (土) いしのまき復興マラソン 2名
9) 6月30日 (火) 齋藤英彦様|農業、佐藤栄宏様|いぶき太鼓保存会会長 5名
10) 7月5日 (日) 伏見龍一郎様|写真家 1名
11) 7月12日(日) 仙石線取材 10名
12) 7月23日(木) 尾形勝寿様|石巻やきそば味平 1名
13) 7月23日(木) 伊藤典克様|石巻警察署 1名
14) 7月24日〜25日 防災キャンプ 3名
15) 7月31日(金) 仙台うみの杜水族館 4名
16) 8月19日(水) 仙台うみの杜水族館 1名
17) 8月20日(木) 美田園わかば幼稚園 1名
18) 8月29日(土) 西村雅彦様|俳優 2名
19) 9月12日(土) 中嶋よし様|国際ソロプチミスト石巻所属 1名
20) 9月19日(土) 亀山幸一様|写真家 1名
21) 9月26日(土) 東北ドリームコレクション2015 1名
22) 9月27日(日) 雄勝法印神楽 1名
23) 10月25日(日) 小野泰佑様|住吉あたご会会長 2名
24) 10月25日(日) 千葉正人様|てらっぱだけ店主 1名
25) 10月26日(月) 井坂光郎様|仙台放送エグゼクティブプロデューサー 1名
26) 11月7日(土) 木内瑛様、黒田涼太様|コバルトーレ女川選手 2名
27) 11月29日(日) 江刺みゆき様|宮城県漁協女性部連絡協議会副会長 1名
28) 12月26日(土) 江刺みゆき様|宮城県漁協女性部連絡協議会副会長 1名
29) 12月27日(日) 邊見清二様|郷土史家 1名
30) 1月23日(土) イグナルファーム 2名
31) 1月24日(日) 日比野克彦様|アーティスト 1名
32) 1月25日(月) 新!こども記者魂|佐々木銀河様 3名
33) 1月31日(日) 女川町取材 4名
34) 2月3日 (水) 須田善明様|女川町長 1名
35) 2月6日 (土) 矢口清志様|ふるさと探求人 1名
36) 2月14日(日) 宮川公子様 1名
37) 2月23日(火) 三輪田窯、かめカフェ 38名
38) 3月11日(金) 西村澄生様、堀信昭様、西村義盛様 1名
39) 3月12日-13日 被災していない僕たちが頑張る! 2名
40) 3月14日(月) 新!こども記者魂|釜小学校特別音楽部 2名
41) 3月20日(日) 井上晃雄様|サルコヤ経営 1名
▶︎新聞発行
2015年 6月11日 第14号発行 5万部
8月11日 号外1万部
9月11日 第15号発行 4.5万部
12月11日 第16号発行 5.5万部
2016年 3月11日 第17号発行 3万部
▶︎ワークショップからのスピンアウト・プロジェクト
① 石巻日日こどもラジオ
Vol.50〜Vol.94 合計45本制作、Youtubeで公開中。
https://www.youtube.com/user/kodomokisha
② 若宮丸探検隊
「初!せかいいっしゅうした日本人〜若宮丸にのっていた人たち」紙芝居制作、ポストカード化
※現物同梱
③ わたしの心にのこる石巻
2015年5月より、石巻日日新聞に月次連載中(第1土曜日)※コピー別添
④ 東日本大震災を伝える高校生写真展|ツタエル
2013年に始まった千葉拓人さん(元こども記者、当時高校生、2015年4月石巻日日新聞社に入社)の写真展巡回。2015年11月北海道千歳市での開催を最後に終了とした。
⑤ ネパールたまごプロジェクト
在日ネパール人通訳者・ジギャン・クマル・タパさんの同プロジェクトに参加する形で、震災を経験したこども同士のコミュニケーションを展開。ゆでたまごの殻を使用したアート作品の制作、交換を実施した。
⑥ ブラジル支部の創設
サンパウロに転居したこども記者の企画により、国際交流基金サンパウロ支部の協力により同支部を開設。日本からの移住者が多いブラジルでの取材活動、現地のみなさんとのコミュニケーションを開始した。
①参加者の声
活動を始めた小学校6年生のころは、人前に出るのが苦手だったが、記者活動を通じて、自分の意見を言えるようになった。(高1女子)
取材で人に会うことが刺激になる。その力がバネになる。(中2男子)
文章力がついたと友人からほめられるようになった。(中2女子)
幼稚園の取材で出会った先生のようになりたいと思う。(小6女子)
②読者の声
いつも石巻日日こども新聞を送っていただきありがとうございます。今回は、仙石線全線復旧を祝しての号外ということで、たくさんの方々の喜びの声や沿線の様子も取材されていて、よかったです。(仙台市長 奥山恵美子様)
③第3者による評価
2015年は公益財団法人パナソニック教育財団「こころを育む総合フォーラム」の「子どもたちの”こころを育む活動”」として優秀賞を受賞。選考理由は下記のとおり。
「震災で壮絶な体験をした子どもたちが、表現によって心のアウトプットを図っている。地域を知り、伝え、広げていくキャリア教育が企業やNPO、学校との連携で成果を上げている。」
④他のメディアへの寄稿・協力要請
・石巻日日新聞社「わたしの心にのこる石巻」毎月第一土曜日に連載。
・あざみのFC会報「どりぶる」第34号に寄稿
・石巻市産業6次化地産地消推進センターによる石巻市総合情報サイト「ぼにぴん」へのイラスト協力(地図、背景イラスト提供) http://bonipin.com/
寄付者のみなさまへ
おかげさまで、2015年度も順調に活動を継続することができました。心より感謝を申し上げます。東日本代震災を経験したからこそ見えた「伝える」ことについての問題意識が、本活動の原点になっており、継続に意義がありという思いに変わりはありません。100年、1000年と続くメディアになって、子どもたちと共に次の災害に備えたいと考えています。しかし、震災から5年の月日が流れ、国内外でさまざまな自然災害が起きる中、私たちだけがいつまでも支援される側ではいられません。みなさまからのご支援で走り出したこの活動が持続可能なものとなりますよう、より一層の仕組みづくりに取り組んでまいります。今後とも温かいご支援ご協力を賜りますようどうぞよろしくお願い申し上げます。
一般社団法人キッズ・メディア・ステーション
代表理事 太田 倫子
子どもサポート基金 子どもサポート基金 活動レポート一覧 子どもサポート基金 活動レポート一覧 活動レポート トップページ 子どもサポート基金 活動紹介